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*ルフィたちが海賊王になった後の設定です。
海賊王。
そう呼ばれる男が率いる海賊団にはずば抜けた金額を持つ賞金首の幹部たちが勢ぞろいしている。
個性的で、強くて、勇敢で、信念を持っている。
誰もかもが一級品の腕を持ち、若くして名声と富を手に入れた。
「お前を絶対に許さない!!」
喉も嗄れよとばかりに吐き出される怨嗟の言葉に、ルフィは静かに瞬きをした。
涙腺が崩壊したようにぼろぼろと涙を零し続ける子供(性別はよく判らない)は、血走った目でルフィを睨みあげる。
ルフィの腰元位までしかない子供は、その小さな両腕に男の亡き骸を腕に抱いていた。
顔立ちや年齢を考慮すると、多分肉親、それも父親か兄のごく親しい関係だろう。
憎しみで歪んだその顔は、周りの状況を理解していないと判断させる。
今、ルフィが居る場所は死の気配に満ち溢れていた。
寄航したばかりの島は、嫌な雰囲気にが漂っていた。
修羅場慣れしているルフィたちは、自分たちの直感を信用している。
それぞれ自分の武器を手にして人の気配の在る方へ向かったのだが、時は遅かった。
荒くれの海賊の侵略を受けたらしい村は、あちこちで火の手が上がっている。
阿鼻叫喚、地獄絵図。
体験者にとって忘れ難い日となるだろう光景は、幾度経験しても気持ちよいものではない。
時折聞こえる叫び声に、ばらばらになって生還者を探していたのだが、どうやら目の前の子供は、ルフィが肉親を殺したと思い込んでいるようだった。
ちらり、と視線を向け、体についている血を眺める。
体についているこの血は確かに子供が抱いている男のもので、それは否定しようがない。
死に掛けの体で尚床下に隠した家族の無事を確かめたいと願ったから、担いで手伝っていたのだが、それが誤解を呼んだようだ。
男の案内のまま家の跡地と思しき場所で、床板をずらして子供を見つけた瞬間に瞳を丸めた男は静かに涙を零した。
そうして震える手を伸ばしたから、体から下ろして子供と対面させ、ひとしきり涙を零して絶叫した子供は、冒頭の言葉を放った。
ぱちぱちと生肉が焼け焦げる臭いがそこらから充満している。
木で作られた村の建築物は燃えやすく、今も火の手が収まらない。
ナミが天候を操り雨を降らしているがどうにも勢いが足りないらしい。
ぽつぽつと頬を打ち出した雫を眺めてぼんやりと考えていると、不意に衝撃が体を貫いた。
「お前なんか・・・お前なんか、死ねばいい!!」
悲痛な叫びを上げた子供は、どこから持ち出したのか血塗れたナイフでルフィの刺していた。
ゴムであるルフィは打撃には強いが刃物には抵抗がない。
体に埋め込まれた異物感に眉を寄せ、血を流さないためにそのままナイフを留める。
すると自然と子供の掌から抑える事になり、ぎらぎらした目を向けた子供はルフィに向かって唇を持ち上げた。
刺されたことは別に構わないが、後に船医が泣くだろうと考えると少しだけ憂鬱だ。
感染症の心配もあるが、先日チョッパーが作った予防注射を受けたので大丈夫だろう。
突き刺したナイフを抉るように回転させた子供は、中々の殺気を漂わせていた。
どうしたものかと思案していると、背後に慣れた気配が生まれる。
「やめろ、ゾロ」
「・・・ルフィ」
「いい。こいつには発散させてやるものが必要だろ」
「阿呆。ことあるごとにサンドバックにでもなるつもりか」
「んな訳ねぇだろ。ちょっとぼーっとしてたら刺されただけだ」
「油断しすぎだ。お前は刃物には耐性がないんだからちっとは気にしろ」
軽い声掛けで溜め始めていた殺気を霧散させた相棒は、ルフィの隣に並ぶと子供を見下ろした。
目に傷があるゾロは元々強面だ。
ここにきて初めて恐怖を思い出したらしい子供に、ルフィは笑った。
恐怖は防衛本能を働かせる。
この子供は、どうやらまだ死を選んでいるのではないらしい。
小さな掌をナイフから剥がすとゆるりと口角を持ち上げる。
自分のものではないが、血に濡れたルフィの姿はさぞかし恐怖を煽る素材になるだろう。
目論見どおり引きつった顔で、それでも憎悪を失わないで子供はこちらを睨み付けた。
「おれの名はモンキー・D・ルフィ。海賊王だ」
「・・・ッ、お前が、お前が海賊王・・・」
「肉親を奪ったおれが憎いか?」
「当然だ!私が・・・私が、絶対にお前を殺す!」
「そうか。・・・なら、ここまで昇って来い。お前がおれを殺しに来るまで、おれはここで待っててやるよ」
とん、と親指で心臓を指し、精々悪役らしく笑って見せた。
恐怖を怒りが凌駕したのか、雄叫びを上げながら向かってくる子供に、ほんの少しだけ覇気を向ける。
びくりと体を強張らせた子供は、目を見開いたまま崩れ落ちた。
得意な種類ではないが、どうやら上手く制御できたらしく、意識を失う寸前で繋ぎとめている子供を抱き上げる。
「今のままじゃ、お前はおれに遙か及ばねぇよ。おれを殺したきゃ、もっと強くなるんだな」
「・・・ふッ」
肉親を殺した(誤解だが)男の腕に抱かれ、子供は屈辱に耐えかねたか意識を失った。
その様子を腕を組んで眺めていたゾロは、呆れたと深いため息を零す。
「何の茶番だ、ルフィ。このままだと、そいつは本当にお前を殺しに来るかもしれねぇぞ」
「そうだな」
「お前はこの村の人間に怨まれる筋合いはねぇだろうが。実際お前の命令でおれたちはこの村の生き残りを集めて非難させたし、サンジとロビンが海賊達を捕まえた。ナミとウソップが海軍へ救難信号を送ってるし、ブルックとチョッパーは怪我人の手当てをしてる。フランキーは簡易だが雨風凌げる家を作ってやったし、感謝されこそすれ、怨まれる筋はねぇ。なのに、どうしてだ」
「・・・どうしてだろうなぁ」
子供を腕に抱き、ゾロの訴えをするりと躱す。
雨はいつの間にか勢いを増し、容赦なく体を打ち始めた。
少し迷ったが片手で子供を持つとベストを脱いで包んでやる。
上半身裸の上にナイフが刺さった姿は我ながら笑えるが、隣の相棒が益々不機嫌そうな顔をしたので笑うのは自重した。
刺さったままなので出血はそれほどでもないが、痛みはじくじくと体の中を疼いている。
子供の力でここまで刀身を埋め込むのは、恨みが深かったからだろう。
「きっと、エースを失った時のおれと、被っちまったからだろうな」
呆然とし、恐怖に見開かれた瞳。
そんな表情幾度も見てきたのに、子供の何かがルフィの心の琴線に触れた。
肉親を抱きしめながら泣き喚いた子供が、『私を助けなければ、死ななかったのに』と叫んでいたからかもしれない。
それはあくまで仮定でしかない。
この状況であれば男が生き延びた確率はそれほど高くないだろうし、せめて子供だけでもと願ったのは当然だったと思う。
だが、身を挺して救われた子供は、一生その重みを背負う。
「どっちにしろ、単なる気紛れだ。二度はねぇよ」
「そうしろ。おれも次は見逃さない」
不機嫌そうに顔を歪ませたゾロに、ルフィは素直に頷いた。
どうせ次があってもルフィに弱い相棒は、怒り狂いながら許してくれるだろう。
ある一線を越えなければ、基本的にゾロはルフィに甘い。
明確な一線はルフィですら理解できるよう噛み砕いて教えてくれるので、本気のラインは超えないで済むだろう。
元来女子供に無意味に刀を向けるような男ではない。
ルフィが許しているのだから、今回だって納得せずとも不問にしてくれるはずだ。
「馬鹿なことを考えるんじゃねぇぞ、ルフィ。お前が無茶すると、チョッパーとナミが泣く」
「判ってるよ」
「拳骨は覚悟しとくんだな。誰も庇っちゃくれねぇぞ」
「あー・・・ま、しょうがねぇな」
「飯抜きかもな」
「!!?それは困る!おれは権利を主張するぞ!」
「何のだよ。・・・ったく、本当に呆れる馬鹿だ」
馬鹿だ馬鹿だと訴えるゾロに笑いながら、生き残りを集めた場所へと向かう。
これから先、村の生き残りが以前同様の生活水準まで持っていくまで、何年も掛かるだろう。
少しばかりの資金を提供するつもりではいるが、それ以上は手を出す気はない。
海軍の助けを借り、地道に努力をするしかない。
腕の中の温もりにすっと目を細める。
これからこの子供がどんな選択をするか知らないが、ルフィを追うつもりなら並大抵の努力じゃ足りない。
幾度も挫折を味わい、幾度も辛酸を舐めるだろう。
だが、この子供なら、何となくその選択を選ぶのではないかと思う。
「・・・村の奴らに口止めしとかなきゃな」
「何をだ」
「この村を助けたのがおれたちだってのをだよ。じゃなきゃ、こいつの目標が消えちまうだろ?」
「───・・・底抜けに馬鹿だな、お前はよ。どこの世界に助けた人間に殺されるよう手引きさせる奴がいるんだ」
「ここだな。いいだろ、別に。どうせ怨まれるのは慣れてる」
「そりゃそうだ。・・・けど、ルフィ覚えとけよ。敵対するなら、おれは容赦しねぇぞ」
「判ってるよ」
ししししっと笑って頷くと、複雑な顔でゾロは頷いた。
この時助けた子供は、後に海軍将校まで昇り詰め宣言どおりに麦わらの海賊団を追う事になる。
女だてらに強豪に名を連ねた彼女が、立ち直った己の村の救い主を知っているか麦わら海賊団は知らない。
それでも彼女が追い求め続ける海賊が、麦わらのルフィただ一人であったのは歴史が知る真実である。
海賊王。
そう呼ばれる男が率いる海賊団にはずば抜けた金額を持つ賞金首の幹部たちが勢ぞろいしている。
個性的で、強くて、勇敢で、信念を持っている。
誰もかもが一級品の腕を持ち、若くして名声と富を手に入れた。
「お前を絶対に許さない!!」
喉も嗄れよとばかりに吐き出される怨嗟の言葉に、ルフィは静かに瞬きをした。
涙腺が崩壊したようにぼろぼろと涙を零し続ける子供(性別はよく判らない)は、血走った目でルフィを睨みあげる。
ルフィの腰元位までしかない子供は、その小さな両腕に男の亡き骸を腕に抱いていた。
顔立ちや年齢を考慮すると、多分肉親、それも父親か兄のごく親しい関係だろう。
憎しみで歪んだその顔は、周りの状況を理解していないと判断させる。
今、ルフィが居る場所は死の気配に満ち溢れていた。
寄航したばかりの島は、嫌な雰囲気にが漂っていた。
修羅場慣れしているルフィたちは、自分たちの直感を信用している。
それぞれ自分の武器を手にして人の気配の在る方へ向かったのだが、時は遅かった。
荒くれの海賊の侵略を受けたらしい村は、あちこちで火の手が上がっている。
阿鼻叫喚、地獄絵図。
体験者にとって忘れ難い日となるだろう光景は、幾度経験しても気持ちよいものではない。
時折聞こえる叫び声に、ばらばらになって生還者を探していたのだが、どうやら目の前の子供は、ルフィが肉親を殺したと思い込んでいるようだった。
ちらり、と視線を向け、体についている血を眺める。
体についているこの血は確かに子供が抱いている男のもので、それは否定しようがない。
死に掛けの体で尚床下に隠した家族の無事を確かめたいと願ったから、担いで手伝っていたのだが、それが誤解を呼んだようだ。
男の案内のまま家の跡地と思しき場所で、床板をずらして子供を見つけた瞬間に瞳を丸めた男は静かに涙を零した。
そうして震える手を伸ばしたから、体から下ろして子供と対面させ、ひとしきり涙を零して絶叫した子供は、冒頭の言葉を放った。
ぱちぱちと生肉が焼け焦げる臭いがそこらから充満している。
木で作られた村の建築物は燃えやすく、今も火の手が収まらない。
ナミが天候を操り雨を降らしているがどうにも勢いが足りないらしい。
ぽつぽつと頬を打ち出した雫を眺めてぼんやりと考えていると、不意に衝撃が体を貫いた。
「お前なんか・・・お前なんか、死ねばいい!!」
悲痛な叫びを上げた子供は、どこから持ち出したのか血塗れたナイフでルフィの刺していた。
ゴムであるルフィは打撃には強いが刃物には抵抗がない。
体に埋め込まれた異物感に眉を寄せ、血を流さないためにそのままナイフを留める。
すると自然と子供の掌から抑える事になり、ぎらぎらした目を向けた子供はルフィに向かって唇を持ち上げた。
刺されたことは別に構わないが、後に船医が泣くだろうと考えると少しだけ憂鬱だ。
感染症の心配もあるが、先日チョッパーが作った予防注射を受けたので大丈夫だろう。
突き刺したナイフを抉るように回転させた子供は、中々の殺気を漂わせていた。
どうしたものかと思案していると、背後に慣れた気配が生まれる。
「やめろ、ゾロ」
「・・・ルフィ」
「いい。こいつには発散させてやるものが必要だろ」
「阿呆。ことあるごとにサンドバックにでもなるつもりか」
「んな訳ねぇだろ。ちょっとぼーっとしてたら刺されただけだ」
「油断しすぎだ。お前は刃物には耐性がないんだからちっとは気にしろ」
軽い声掛けで溜め始めていた殺気を霧散させた相棒は、ルフィの隣に並ぶと子供を見下ろした。
目に傷があるゾロは元々強面だ。
ここにきて初めて恐怖を思い出したらしい子供に、ルフィは笑った。
恐怖は防衛本能を働かせる。
この子供は、どうやらまだ死を選んでいるのではないらしい。
小さな掌をナイフから剥がすとゆるりと口角を持ち上げる。
自分のものではないが、血に濡れたルフィの姿はさぞかし恐怖を煽る素材になるだろう。
目論見どおり引きつった顔で、それでも憎悪を失わないで子供はこちらを睨み付けた。
「おれの名はモンキー・D・ルフィ。海賊王だ」
「・・・ッ、お前が、お前が海賊王・・・」
「肉親を奪ったおれが憎いか?」
「当然だ!私が・・・私が、絶対にお前を殺す!」
「そうか。・・・なら、ここまで昇って来い。お前がおれを殺しに来るまで、おれはここで待っててやるよ」
とん、と親指で心臓を指し、精々悪役らしく笑って見せた。
恐怖を怒りが凌駕したのか、雄叫びを上げながら向かってくる子供に、ほんの少しだけ覇気を向ける。
びくりと体を強張らせた子供は、目を見開いたまま崩れ落ちた。
得意な種類ではないが、どうやら上手く制御できたらしく、意識を失う寸前で繋ぎとめている子供を抱き上げる。
「今のままじゃ、お前はおれに遙か及ばねぇよ。おれを殺したきゃ、もっと強くなるんだな」
「・・・ふッ」
肉親を殺した(誤解だが)男の腕に抱かれ、子供は屈辱に耐えかねたか意識を失った。
その様子を腕を組んで眺めていたゾロは、呆れたと深いため息を零す。
「何の茶番だ、ルフィ。このままだと、そいつは本当にお前を殺しに来るかもしれねぇぞ」
「そうだな」
「お前はこの村の人間に怨まれる筋合いはねぇだろうが。実際お前の命令でおれたちはこの村の生き残りを集めて非難させたし、サンジとロビンが海賊達を捕まえた。ナミとウソップが海軍へ救難信号を送ってるし、ブルックとチョッパーは怪我人の手当てをしてる。フランキーは簡易だが雨風凌げる家を作ってやったし、感謝されこそすれ、怨まれる筋はねぇ。なのに、どうしてだ」
「・・・どうしてだろうなぁ」
子供を腕に抱き、ゾロの訴えをするりと躱す。
雨はいつの間にか勢いを増し、容赦なく体を打ち始めた。
少し迷ったが片手で子供を持つとベストを脱いで包んでやる。
上半身裸の上にナイフが刺さった姿は我ながら笑えるが、隣の相棒が益々不機嫌そうな顔をしたので笑うのは自重した。
刺さったままなので出血はそれほどでもないが、痛みはじくじくと体の中を疼いている。
子供の力でここまで刀身を埋め込むのは、恨みが深かったからだろう。
「きっと、エースを失った時のおれと、被っちまったからだろうな」
呆然とし、恐怖に見開かれた瞳。
そんな表情幾度も見てきたのに、子供の何かがルフィの心の琴線に触れた。
肉親を抱きしめながら泣き喚いた子供が、『私を助けなければ、死ななかったのに』と叫んでいたからかもしれない。
それはあくまで仮定でしかない。
この状況であれば男が生き延びた確率はそれほど高くないだろうし、せめて子供だけでもと願ったのは当然だったと思う。
だが、身を挺して救われた子供は、一生その重みを背負う。
「どっちにしろ、単なる気紛れだ。二度はねぇよ」
「そうしろ。おれも次は見逃さない」
不機嫌そうに顔を歪ませたゾロに、ルフィは素直に頷いた。
どうせ次があってもルフィに弱い相棒は、怒り狂いながら許してくれるだろう。
ある一線を越えなければ、基本的にゾロはルフィに甘い。
明確な一線はルフィですら理解できるよう噛み砕いて教えてくれるので、本気のラインは超えないで済むだろう。
元来女子供に無意味に刀を向けるような男ではない。
ルフィが許しているのだから、今回だって納得せずとも不問にしてくれるはずだ。
「馬鹿なことを考えるんじゃねぇぞ、ルフィ。お前が無茶すると、チョッパーとナミが泣く」
「判ってるよ」
「拳骨は覚悟しとくんだな。誰も庇っちゃくれねぇぞ」
「あー・・・ま、しょうがねぇな」
「飯抜きかもな」
「!!?それは困る!おれは権利を主張するぞ!」
「何のだよ。・・・ったく、本当に呆れる馬鹿だ」
馬鹿だ馬鹿だと訴えるゾロに笑いながら、生き残りを集めた場所へと向かう。
これから先、村の生き残りが以前同様の生活水準まで持っていくまで、何年も掛かるだろう。
少しばかりの資金を提供するつもりではいるが、それ以上は手を出す気はない。
海軍の助けを借り、地道に努力をするしかない。
腕の中の温もりにすっと目を細める。
これからこの子供がどんな選択をするか知らないが、ルフィを追うつもりなら並大抵の努力じゃ足りない。
幾度も挫折を味わい、幾度も辛酸を舐めるだろう。
だが、この子供なら、何となくその選択を選ぶのではないかと思う。
「・・・村の奴らに口止めしとかなきゃな」
「何をだ」
「この村を助けたのがおれたちだってのをだよ。じゃなきゃ、こいつの目標が消えちまうだろ?」
「───・・・底抜けに馬鹿だな、お前はよ。どこの世界に助けた人間に殺されるよう手引きさせる奴がいるんだ」
「ここだな。いいだろ、別に。どうせ怨まれるのは慣れてる」
「そりゃそうだ。・・・けど、ルフィ覚えとけよ。敵対するなら、おれは容赦しねぇぞ」
「判ってるよ」
ししししっと笑って頷くと、複雑な顔でゾロは頷いた。
この時助けた子供は、後に海軍将校まで昇り詰め宣言どおりに麦わらの海賊団を追う事になる。
女だてらに強豪に名を連ねた彼女が、立ち直った己の村の救い主を知っているか麦わら海賊団は知らない。
それでも彼女が追い求め続ける海賊が、麦わらのルフィただ一人であったのは歴史が知る真実である。
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