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試合開始と同時に、ジェミニストームが蹴りだしたボールが豪炎寺と染岡の間を抜ける。
気がつけば通り過ぎていた軌跡に息を呑むうちに、あっという間にフォワードの面々に攻め込まれた。
「皆!ぼやぼやしている暇はない!全員で攻め込むぞ!!」
鬼道の言葉に固まっていた仲間たちが弾かれたように走り出す。
だがボールはすでに円堂の前にあり、敵はシュート体勢に入っていた。
「マジン・・・」
「遅い!!」
心臓に胸を当てていた円堂目掛けてボールが放たれる。
マジン・ザ・ハンドの体勢に入っていた円堂の背中にボールが当たると、華奢な体はゴールネットを押す勢いで弾かれた。
「姉さん!」
「守!」
「円堂!!」
仲間たちの悲鳴が上がる。
無防備にボールを受けた姿を見るなど初めてに等しく、まさか、という想いが募った。
風丸が俊足の足を利用し一番に駆けつけると手を差し出す。
だがその手を取らずに立ち上がった円堂は、心持ち青褪めた顔色でそれでも笑った。
「痛ってぇ。やっぱモロに受けると利くな」
「利くな、じゃない!どうしてゴッドハンドで受け止めなかったんだ!?」
「この先必要になるのはゴッドハンドじゃなくマジン・ザ・ハンドだ。気づいてるか?ゴッドハンドじゃあいつらのボールを弾くだけで精一杯だって。完璧に止められなきゃ、お前らにボールは回せない」
「でもそんなこと続けたら守はっ」
「同じサッカー馬鹿のお前なら判るだろ、一哉?」
「っ・・・」
円堂の一言で唇を噛み締め黙り込んだ一之瀬は、そのまま俯いた。
そんな彼らを尻目に塔子が鬼道へと噛み付く。
「どうすんだよ、鬼道!このままじゃ円堂が持たないよ!」
「・・・・・・姉さん、試合の継続は可能ですか?」
「おう。見ての通りぴんぴんしてる。心配してくれてありがとな。でも一回弾き飛ばされたくらいで世界の終わりみたいな顔をするな。お前ら全員、俺を誰だと思ってる?俺は雷門の守護神、円堂守だぞ?」
暫く黙り込んでから問いかけた鬼道に、コケティッシュな笑みを浮かべてウィンクをした円堂は、どこまで行っても円堂のままだった。
胸を撫で下ろす仲間たちにポジションに戻れと言うと、ずれた眼鏡を掛けなおす。
強気な発言に安心したらしい面々と違い、ゲームメイクをする鬼道と、未だに円堂から目を離さない一之瀬だけが渋い表情をしていた。
「俺なら大丈夫だ!お前らは監督に言われたとおりにプレイすればいい」
「・・・姉さん」
円堂の言葉に鬼道が唇を噛み締める。
「攻撃だけでゲームを組み立てるなんて不可能だ。つまりは、そういうことなんですね?」
俯きがちの鬼道の囁きが偶々近くに居た豪炎寺には聞こえた。
瞳を見開き笑っている円堂に視線を戻す。
鬼道の言葉が本当ならば、彼女はこうなると判っていて現状を受け入れたことになる。
だが、何故───?
幾度も幾度もボールが奪われ、マジン・ザ・ハンドを繰り出そうとする円堂が弾かれる。
体中ボロボロで最早立っているだけで必死になっているように見えた。
それでも唇に刷いた笑みや、好戦的な瞳はきらめきを失わない。
これ以上は我慢ならないと悲鳴を上げたのは塔子だった。
「駄目だよ、皆!これ以上やったら、今度はホントに円堂が!」
彼女の言葉は豪炎寺の心の奥深いところに突き刺さった。
ボールを奪い、シュートをして点を上げたい。
しかしもう現状がそれを許してくれなかった。
「円堂は言っても聞かない奴だと判ってる。───っ、とにかく一点だ!何が何でも取っていくぞ!」
『おう!』
それでも何かせずに居られない。
染岡の叫びに頷いた仲間は、仕切りなおしとばかりに気合を入れなおした。
「ふん、愚かな」
諦めないと足掻くイナズマイレブンを冷淡な瞳で眺めたレーゼにパスが渡る。
ノーマークの状態でボールを受け取った彼は、淡々と円堂に告げた。
「地球にはこんな言葉がある。井の中の蛙大海を知らず。己の無力、思い知るがいい!!」
叫んだレーゼを中心に、空気が集まる。
まさか、と瞳を見開いた。
「あいつらの、必殺技!?」
裏返った声は誰のものだっただろうか。
絶大な威力のボールは先ほどまでのシュートなど目じゃない速さで打ち込まれる。
「アストロブレイク!!」
「面白い。勝負といこうじゃないか」
円堂は恐ろしい勢いで迫り来るボールから目を離さず、ぺろりと唇を舐めた。
そして心臓に手を当てるとぐっと拳を握る。
「マジン・ザ・ハンド!!」
地面を抉りながら突き進んだボールが当たる寸前で出現した魔人は、正面から受け止められないながらもボールの軌跡を反らした。
吹き飛んだ魔人と共に地面に叩きつけられた円堂に駆け寄るのと同時に、試合終了のホイッスルが鳴り響く。
そうして背後で怪しげな光が浮かんだと思ったときには、彼らの姿は消えていた。
気がつけば通り過ぎていた軌跡に息を呑むうちに、あっという間にフォワードの面々に攻め込まれた。
「皆!ぼやぼやしている暇はない!全員で攻め込むぞ!!」
鬼道の言葉に固まっていた仲間たちが弾かれたように走り出す。
だがボールはすでに円堂の前にあり、敵はシュート体勢に入っていた。
「マジン・・・」
「遅い!!」
心臓に胸を当てていた円堂目掛けてボールが放たれる。
マジン・ザ・ハンドの体勢に入っていた円堂の背中にボールが当たると、華奢な体はゴールネットを押す勢いで弾かれた。
「姉さん!」
「守!」
「円堂!!」
仲間たちの悲鳴が上がる。
無防備にボールを受けた姿を見るなど初めてに等しく、まさか、という想いが募った。
風丸が俊足の足を利用し一番に駆けつけると手を差し出す。
だがその手を取らずに立ち上がった円堂は、心持ち青褪めた顔色でそれでも笑った。
「痛ってぇ。やっぱモロに受けると利くな」
「利くな、じゃない!どうしてゴッドハンドで受け止めなかったんだ!?」
「この先必要になるのはゴッドハンドじゃなくマジン・ザ・ハンドだ。気づいてるか?ゴッドハンドじゃあいつらのボールを弾くだけで精一杯だって。完璧に止められなきゃ、お前らにボールは回せない」
「でもそんなこと続けたら守はっ」
「同じサッカー馬鹿のお前なら判るだろ、一哉?」
「っ・・・」
円堂の一言で唇を噛み締め黙り込んだ一之瀬は、そのまま俯いた。
そんな彼らを尻目に塔子が鬼道へと噛み付く。
「どうすんだよ、鬼道!このままじゃ円堂が持たないよ!」
「・・・・・・姉さん、試合の継続は可能ですか?」
「おう。見ての通りぴんぴんしてる。心配してくれてありがとな。でも一回弾き飛ばされたくらいで世界の終わりみたいな顔をするな。お前ら全員、俺を誰だと思ってる?俺は雷門の守護神、円堂守だぞ?」
暫く黙り込んでから問いかけた鬼道に、コケティッシュな笑みを浮かべてウィンクをした円堂は、どこまで行っても円堂のままだった。
胸を撫で下ろす仲間たちにポジションに戻れと言うと、ずれた眼鏡を掛けなおす。
強気な発言に安心したらしい面々と違い、ゲームメイクをする鬼道と、未だに円堂から目を離さない一之瀬だけが渋い表情をしていた。
「俺なら大丈夫だ!お前らは監督に言われたとおりにプレイすればいい」
「・・・姉さん」
円堂の言葉に鬼道が唇を噛み締める。
「攻撃だけでゲームを組み立てるなんて不可能だ。つまりは、そういうことなんですね?」
俯きがちの鬼道の囁きが偶々近くに居た豪炎寺には聞こえた。
瞳を見開き笑っている円堂に視線を戻す。
鬼道の言葉が本当ならば、彼女はこうなると判っていて現状を受け入れたことになる。
だが、何故───?
幾度も幾度もボールが奪われ、マジン・ザ・ハンドを繰り出そうとする円堂が弾かれる。
体中ボロボロで最早立っているだけで必死になっているように見えた。
それでも唇に刷いた笑みや、好戦的な瞳はきらめきを失わない。
これ以上は我慢ならないと悲鳴を上げたのは塔子だった。
「駄目だよ、皆!これ以上やったら、今度はホントに円堂が!」
彼女の言葉は豪炎寺の心の奥深いところに突き刺さった。
ボールを奪い、シュートをして点を上げたい。
しかしもう現状がそれを許してくれなかった。
「円堂は言っても聞かない奴だと判ってる。───っ、とにかく一点だ!何が何でも取っていくぞ!」
『おう!』
それでも何かせずに居られない。
染岡の叫びに頷いた仲間は、仕切りなおしとばかりに気合を入れなおした。
「ふん、愚かな」
諦めないと足掻くイナズマイレブンを冷淡な瞳で眺めたレーゼにパスが渡る。
ノーマークの状態でボールを受け取った彼は、淡々と円堂に告げた。
「地球にはこんな言葉がある。井の中の蛙大海を知らず。己の無力、思い知るがいい!!」
叫んだレーゼを中心に、空気が集まる。
まさか、と瞳を見開いた。
「あいつらの、必殺技!?」
裏返った声は誰のものだっただろうか。
絶大な威力のボールは先ほどまでのシュートなど目じゃない速さで打ち込まれる。
「アストロブレイク!!」
「面白い。勝負といこうじゃないか」
円堂は恐ろしい勢いで迫り来るボールから目を離さず、ぺろりと唇を舐めた。
そして心臓に手を当てるとぐっと拳を握る。
「マジン・ザ・ハンド!!」
地面を抉りながら突き進んだボールが当たる寸前で出現した魔人は、正面から受け止められないながらもボールの軌跡を反らした。
吹き飛んだ魔人と共に地面に叩きつけられた円堂に駆け寄るのと同時に、試合終了のホイッスルが鳴り響く。
そうして背後で怪しげな光が浮かんだと思ったときには、彼らの姿は消えていた。
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