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激しく切られるシャッターに、鬼道は瞳を眇める。
元から目立つのはそれほど好きではないし、無遠慮に向けられるマイクや質問は鬱陶しいの一言に尽きた。
鬼道の場合は帝国キャプテンでありながら雷門に移籍した履歴の持ち主だ。
初めから覚悟の上とは言え、向けられるのは賞賛以外の感情だって多い。
姉である円堂の言葉通りに本来なら許されない手を使った鬼道が受けるべき責だが、遠慮がない彼らに何も思わぬでもない。
驚いたのは雷門の面々の反応で、始めは拒絶していたはずの半田や、染岡、後輩たちが揃ってかばってくれたのは嬉しかった。
上辺だけのプライドの代わりに得たものは大きくて、そこは五月蝿かったマスコミにも感謝すべきなのかもしれない。
帰りのバスの中で、嘆息しながら窓の外を見ると、隣に座る妹が不思議そうに小首を傾げた。
未だ優勝の興奮冷めやらぬ仲間たちと違い、一人空気が違うのが気になったのだろう。
心配げに眉根を寄せる春奈の頭を緩く撫でると、なんでもないと微笑んだ。
「───雷門に戻ったら、俺はそのまま病院へ行く。帝国の仲間たちに、優勝の報告がしたいからな」
「うん、それがいいよ。お兄ちゃん、頑張ったもんね」
「ああ。だが、俺だけでは勝てなかった。雷門のみんなのお陰だ。あいつらとプレイ出来てよかった。俺がどんなサッカーを目指していたか思い出した。自分の力を、仲間を信じる強さを得れた。そして───一緒に暮らせなくとも、お前と家族として話せる距離に戻れた。俺にとってはそれが何より嬉しい」
「お兄ちゃん」
ふわり、と嬉しそうに目尻を染めて微笑んだ妹の頭を撫でる。
子供みたいに首を竦めて享受する仕草は覚えている頃と変わらない。
不意に自身も微笑んでいるのに気づいて、もしかして鬼道の頭を嬉しげに撫でる円堂も同じような気持ちなのかと擽ったくなった。
マスコミの前に姿を出したくないと考える円堂の気持ちは判るが、せめて一緒に帰りたかった。
豪炎寺と染岡の背中の張り紙だけじゃ納得しきれない仲間を説き伏せたのは元・雷門サッカー部のキャプテンの風丸だ。
彼宛の手紙にはきっちりと『マスコミの前には立場上安易に出れない』と理由が書かれており、ぐしゃぐしゃに丸めた紙を投げ捨てた染岡はそれがあれば十分だろと顔を真っ赤にして地団太踏んだ。
張り紙された事実より、全く気づかずに居た現実が恥ずかしいのだろう。怒っているというより、拗ねていた。
いつの間にか消えていた一之瀬や土門とは違い、ある程度の撮影が終ったところで豪炎寺も先に帰った。
妹へ優勝の報告をしたいんだと笑った姿は普段の大人びたものとは違い、溢れる嬉しさを堪えられない年相応のものだった。
同じく妹を持つ身として彼の気持ちは痛いほど判るので、肩を叩いて送り出した。
言葉はなくとも想いは伝わると、もう今は知っている。
掛け替えのない仲間は、見送る自分たちに一つ頷くと背を向けて走っていった。
思えばあっという間に時間が過ぎた。
ただ力だけを求めた二年間よりも、この数ヶ月のほうがずっと充実していて楽しかった。
サッカーをどう思っていたかすら忘れていた空虚な時間は、帰ってきた人により瞬きする間にぶち壊された。
愛するほどに憎んだ人は、今でも憧れの先に居る。
笑って先を歩く人は、マイペースにこちらを振り回すけれど、そこも含めて愛しいのだ。
彼女のファニーフェイスを思い出し、くつりと喉を震わせると、隣の妹が少しだけ寂しげに、けれどそれ以上に嬉しそうに笑った。
「お兄ちゃんは、一人じゃなかったんだね」
「・・・春奈」
「私ね、鬼道家に貰われていったお兄ちゃんが連絡をくれなくなって、凄く寂しくて哀しかった。私が邪魔だったんだって、嫌いだから連絡をくれないんだって思って、苦しかった。でもね、音無の家に貰われて、大事にしてもらう内に考えたの。もしかしてお兄ちゃんは、連絡をくれる術がないのかなって。お兄ちゃんには私みたいに甘えれる家族は居ないんじゃないかって」
泣きそうな顔で告げた妹に、鬼道はゆるりと首を振った。
いつかの姉の言葉が思い出される。
『いつか迎えに行くんだろう?いっぱいいっぱい土産話も準備して、いっぱいいっぱい話さなきゃな』
ピンボケした写真をいっぱい収めたアルバムは、今も部屋の片隅に残してある。
きちんと幸せに過ごしていたのだと、妹に胸を張って言える思い出を幾つも持っているのは、最高に強引な姉が居てくれたからだ。
「俺がお前に連絡をしなかったのは、願掛けと同じようなものだ。父さんに実力を示し、絶対に迎えに行くと誓った。甘えたくなかったんだ、お前に。いつだって会えるから大丈夫だと、余裕を持たせたくなかった。鬼道の家や、まして姉さんも関係ない。単なる俺の意地だった。───寂しがらせてすまない」
「いいの。お兄ちゃんが幸せだったならいいの。それに、今こうして昔みたいに話せるもの。これからはずっと、いつだって」
「・・・そうだな」
「こう見えて、キャプテンにも感謝してるんだよ。お兄ちゃんを見てれば判るもん。どれだけキャプテンがお兄ちゃんを大切にしてくれたか、お兄ちゃんがどれだけキャプテンを特別に思ってるか。きっと、お兄ちゃんは鬼道家に貰われて正解だったんだね」
春奈の笑顔には嘘や偽りは見つけれない。
心底から兄である鬼道の幸せを喜んでくれる優しい妹に、自然と顔が綻んだ。
近しい距離はずっと望み続けたもので、ああ、幸せだと暖かいものが胸に溢れた。
早く、帝国の仲間にもこの喜びを伝えたい。
世宇子中との対戦で負傷した仲間は、まだ酷い者は入院している。
この勝利を捧げたい彼らは、優勝を喜んでくれるだろうか。
そうだ、次に見舞いに行くときには、円堂も連れて行こう。
サッカーにおいて重きを置く彼らなら、きっと姉の登場は喜ばしいもののはず。
源田は姉の技術に興味を持っていたし、彼女に学ぶものは多い。何しろ円堂は、元々トップアスリートの一員なのだから。
胸を躍らせ少し先を夢見ていた鬼道たちの心は、しかしすぐに叩き潰された。
「・・・宇宙人、だと?」
自らの声が掠れている。
庇うように妹の前に立ち、目の前の人物たちを睨み付けた。
不可思議で珍妙な髪型の少年は、体にぴったりと沿うボディスーツのような衣服を着ている。
真っ黒なサッカーボールを軽々と操ると、見下すように高い位置に立った。
唐突な行動に意味が判らず、けれど眼前に広がる現実はいくら目を擦っても消えない。
今朝、試合前には確かにあったはずの学校が姿を消し、目の前にはイナズマイレブンと呼ばれた男たちが倒れ付していた。
瓦礫の中に腕を組む少年たちを前に首を振る。
信じられない。いいや、正確に言えば信じたくない、か。
いまや跡形もなく破壊された学校が『宇宙人』と名乗る少年たちの行為のなれはてならば、一体どのようにして破壊したのか。
唇を固く結んだ鬼道ではなく、隣に居る風丸が問いだ出そうとして吹っ飛ばされた。
軽々と飛んでいく体に目を見張る。
あの速さを誇る風丸が、避ける間もなく受身すら取れずに地面に叩きつけられた。
名を呼び駆け寄る仲間を視界の端に捕らえ、マントを翻し自称宇宙人を睨み付ける。
これ以上の蛮行は許しておけなかった。
自分のために、仲間のために、妹のために。───そして、この学校を特別にしている姉のために。
「サッカーの試合を申し込む」
腕を組んで立ちふさがった彼らに、ゆるりと口の端を持ち上げた。
自分たちは全国一のサッカーチームだ。
それをつい先ほども証明したばかりだというのに、彼らは何も知らないのだろうか。
唯一つの不安としてキーパーをどうするかと思案していると、響木がのそりと動いた。
「俺が、キーパーをやろう」
「響木監督!でも、監督は」
「俺もイナズマイレブンの一員だ。仲間がやられて黙っているのもおかしな話だろう。それより、豪炎寺や円堂、一之瀬たちとは連絡は取れんのか」
「それが皆携帯を切っているらしくて、つながらないっす」
「───あいつらが抜けるとなると少々痛いが、仕方あるまい。今居るメンバーでいけるか?」
苦々しい表情で響木が呟くと同時に、彼の後ろに気配が生まれた。
切れ長の瞳を見開く彼は、肩を上下させながら唖然と破壊された学校を眺め───原因となる宇宙人たちを見定めると睨み付けた。
どうやら聡い彼は説明されずとも大体の状況を悟ったらしい。
彼だけでも来てくれたなら、戦力は大分変わってくる。
内心で安堵の息を吐き出しながら豪炎寺の傍に寄った。
「あいつらがやったのか?」
「そうだ。今から奴らとサッカーの試合をするが、行けそうか」
「ああ。・・・円堂や一之瀬たちは?」
「まだ帰ってきてない。大丈夫、俺たちは日本一のチームだ。姉さんたちが居なくても、学校を守ってみせる」
「そうだな。円堂たちが帰る場所、絶対に守ってみせる」
強い眼差しで頷いた豪炎寺に、微かに笑いかけた。
仲間の一人一人を見ても、彼らの士気はとても高い。
宇宙人たちを見定め、彼らの運のなさに鬼道は嗤った。
絶対に負けるはずがない。
根拠なく信じた未来を、打ち崩されるなんて考えていなかった。
元から目立つのはそれほど好きではないし、無遠慮に向けられるマイクや質問は鬱陶しいの一言に尽きた。
鬼道の場合は帝国キャプテンでありながら雷門に移籍した履歴の持ち主だ。
初めから覚悟の上とは言え、向けられるのは賞賛以外の感情だって多い。
姉である円堂の言葉通りに本来なら許されない手を使った鬼道が受けるべき責だが、遠慮がない彼らに何も思わぬでもない。
驚いたのは雷門の面々の反応で、始めは拒絶していたはずの半田や、染岡、後輩たちが揃ってかばってくれたのは嬉しかった。
上辺だけのプライドの代わりに得たものは大きくて、そこは五月蝿かったマスコミにも感謝すべきなのかもしれない。
帰りのバスの中で、嘆息しながら窓の外を見ると、隣に座る妹が不思議そうに小首を傾げた。
未だ優勝の興奮冷めやらぬ仲間たちと違い、一人空気が違うのが気になったのだろう。
心配げに眉根を寄せる春奈の頭を緩く撫でると、なんでもないと微笑んだ。
「───雷門に戻ったら、俺はそのまま病院へ行く。帝国の仲間たちに、優勝の報告がしたいからな」
「うん、それがいいよ。お兄ちゃん、頑張ったもんね」
「ああ。だが、俺だけでは勝てなかった。雷門のみんなのお陰だ。あいつらとプレイ出来てよかった。俺がどんなサッカーを目指していたか思い出した。自分の力を、仲間を信じる強さを得れた。そして───一緒に暮らせなくとも、お前と家族として話せる距離に戻れた。俺にとってはそれが何より嬉しい」
「お兄ちゃん」
ふわり、と嬉しそうに目尻を染めて微笑んだ妹の頭を撫でる。
子供みたいに首を竦めて享受する仕草は覚えている頃と変わらない。
不意に自身も微笑んでいるのに気づいて、もしかして鬼道の頭を嬉しげに撫でる円堂も同じような気持ちなのかと擽ったくなった。
マスコミの前に姿を出したくないと考える円堂の気持ちは判るが、せめて一緒に帰りたかった。
豪炎寺と染岡の背中の張り紙だけじゃ納得しきれない仲間を説き伏せたのは元・雷門サッカー部のキャプテンの風丸だ。
彼宛の手紙にはきっちりと『マスコミの前には立場上安易に出れない』と理由が書かれており、ぐしゃぐしゃに丸めた紙を投げ捨てた染岡はそれがあれば十分だろと顔を真っ赤にして地団太踏んだ。
張り紙された事実より、全く気づかずに居た現実が恥ずかしいのだろう。怒っているというより、拗ねていた。
いつの間にか消えていた一之瀬や土門とは違い、ある程度の撮影が終ったところで豪炎寺も先に帰った。
妹へ優勝の報告をしたいんだと笑った姿は普段の大人びたものとは違い、溢れる嬉しさを堪えられない年相応のものだった。
同じく妹を持つ身として彼の気持ちは痛いほど判るので、肩を叩いて送り出した。
言葉はなくとも想いは伝わると、もう今は知っている。
掛け替えのない仲間は、見送る自分たちに一つ頷くと背を向けて走っていった。
思えばあっという間に時間が過ぎた。
ただ力だけを求めた二年間よりも、この数ヶ月のほうがずっと充実していて楽しかった。
サッカーをどう思っていたかすら忘れていた空虚な時間は、帰ってきた人により瞬きする間にぶち壊された。
愛するほどに憎んだ人は、今でも憧れの先に居る。
笑って先を歩く人は、マイペースにこちらを振り回すけれど、そこも含めて愛しいのだ。
彼女のファニーフェイスを思い出し、くつりと喉を震わせると、隣の妹が少しだけ寂しげに、けれどそれ以上に嬉しそうに笑った。
「お兄ちゃんは、一人じゃなかったんだね」
「・・・春奈」
「私ね、鬼道家に貰われていったお兄ちゃんが連絡をくれなくなって、凄く寂しくて哀しかった。私が邪魔だったんだって、嫌いだから連絡をくれないんだって思って、苦しかった。でもね、音無の家に貰われて、大事にしてもらう内に考えたの。もしかしてお兄ちゃんは、連絡をくれる術がないのかなって。お兄ちゃんには私みたいに甘えれる家族は居ないんじゃないかって」
泣きそうな顔で告げた妹に、鬼道はゆるりと首を振った。
いつかの姉の言葉が思い出される。
『いつか迎えに行くんだろう?いっぱいいっぱい土産話も準備して、いっぱいいっぱい話さなきゃな』
ピンボケした写真をいっぱい収めたアルバムは、今も部屋の片隅に残してある。
きちんと幸せに過ごしていたのだと、妹に胸を張って言える思い出を幾つも持っているのは、最高に強引な姉が居てくれたからだ。
「俺がお前に連絡をしなかったのは、願掛けと同じようなものだ。父さんに実力を示し、絶対に迎えに行くと誓った。甘えたくなかったんだ、お前に。いつだって会えるから大丈夫だと、余裕を持たせたくなかった。鬼道の家や、まして姉さんも関係ない。単なる俺の意地だった。───寂しがらせてすまない」
「いいの。お兄ちゃんが幸せだったならいいの。それに、今こうして昔みたいに話せるもの。これからはずっと、いつだって」
「・・・そうだな」
「こう見えて、キャプテンにも感謝してるんだよ。お兄ちゃんを見てれば判るもん。どれだけキャプテンがお兄ちゃんを大切にしてくれたか、お兄ちゃんがどれだけキャプテンを特別に思ってるか。きっと、お兄ちゃんは鬼道家に貰われて正解だったんだね」
春奈の笑顔には嘘や偽りは見つけれない。
心底から兄である鬼道の幸せを喜んでくれる優しい妹に、自然と顔が綻んだ。
近しい距離はずっと望み続けたもので、ああ、幸せだと暖かいものが胸に溢れた。
早く、帝国の仲間にもこの喜びを伝えたい。
世宇子中との対戦で負傷した仲間は、まだ酷い者は入院している。
この勝利を捧げたい彼らは、優勝を喜んでくれるだろうか。
そうだ、次に見舞いに行くときには、円堂も連れて行こう。
サッカーにおいて重きを置く彼らなら、きっと姉の登場は喜ばしいもののはず。
源田は姉の技術に興味を持っていたし、彼女に学ぶものは多い。何しろ円堂は、元々トップアスリートの一員なのだから。
胸を躍らせ少し先を夢見ていた鬼道たちの心は、しかしすぐに叩き潰された。
「・・・宇宙人、だと?」
自らの声が掠れている。
庇うように妹の前に立ち、目の前の人物たちを睨み付けた。
不可思議で珍妙な髪型の少年は、体にぴったりと沿うボディスーツのような衣服を着ている。
真っ黒なサッカーボールを軽々と操ると、見下すように高い位置に立った。
唐突な行動に意味が判らず、けれど眼前に広がる現実はいくら目を擦っても消えない。
今朝、試合前には確かにあったはずの学校が姿を消し、目の前にはイナズマイレブンと呼ばれた男たちが倒れ付していた。
瓦礫の中に腕を組む少年たちを前に首を振る。
信じられない。いいや、正確に言えば信じたくない、か。
いまや跡形もなく破壊された学校が『宇宙人』と名乗る少年たちの行為のなれはてならば、一体どのようにして破壊したのか。
唇を固く結んだ鬼道ではなく、隣に居る風丸が問いだ出そうとして吹っ飛ばされた。
軽々と飛んでいく体に目を見張る。
あの速さを誇る風丸が、避ける間もなく受身すら取れずに地面に叩きつけられた。
名を呼び駆け寄る仲間を視界の端に捕らえ、マントを翻し自称宇宙人を睨み付ける。
これ以上の蛮行は許しておけなかった。
自分のために、仲間のために、妹のために。───そして、この学校を特別にしている姉のために。
「サッカーの試合を申し込む」
腕を組んで立ちふさがった彼らに、ゆるりと口の端を持ち上げた。
自分たちは全国一のサッカーチームだ。
それをつい先ほども証明したばかりだというのに、彼らは何も知らないのだろうか。
唯一つの不安としてキーパーをどうするかと思案していると、響木がのそりと動いた。
「俺が、キーパーをやろう」
「響木監督!でも、監督は」
「俺もイナズマイレブンの一員だ。仲間がやられて黙っているのもおかしな話だろう。それより、豪炎寺や円堂、一之瀬たちとは連絡は取れんのか」
「それが皆携帯を切っているらしくて、つながらないっす」
「───あいつらが抜けるとなると少々痛いが、仕方あるまい。今居るメンバーでいけるか?」
苦々しい表情で響木が呟くと同時に、彼の後ろに気配が生まれた。
切れ長の瞳を見開く彼は、肩を上下させながら唖然と破壊された学校を眺め───原因となる宇宙人たちを見定めると睨み付けた。
どうやら聡い彼は説明されずとも大体の状況を悟ったらしい。
彼だけでも来てくれたなら、戦力は大分変わってくる。
内心で安堵の息を吐き出しながら豪炎寺の傍に寄った。
「あいつらがやったのか?」
「そうだ。今から奴らとサッカーの試合をするが、行けそうか」
「ああ。・・・円堂や一之瀬たちは?」
「まだ帰ってきてない。大丈夫、俺たちは日本一のチームだ。姉さんたちが居なくても、学校を守ってみせる」
「そうだな。円堂たちが帰る場所、絶対に守ってみせる」
強い眼差しで頷いた豪炎寺に、微かに笑いかけた。
仲間の一人一人を見ても、彼らの士気はとても高い。
宇宙人たちを見定め、彼らの運のなさに鬼道は嗤った。
絶対に負けるはずがない。
根拠なく信じた未来を、打ち崩されるなんて考えていなかった。
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