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「久し振りだな、守」
授業を終え、イタリアに帰ると二週間ぶりに顔を合わせる人が居て、素の状態で瞬きを繰り返す。
豪奢で座り心地のいいソファに足を組みゆったりとした態度でいる彼は、守にとって父や弟と違う意味で特別な人。
「総帥!」
ぱあっと顔を輝かせ、執事の前だというのにスカートを靡かせ走り寄る。
エドガーとお揃いのリボンで緩い三つ網にした髪が揺れ、ノンフレームの伊達眼鏡が顔からずれる。
いつもどおりサングラスに黒服の影山の前で足を止めると、眼鏡を指の腹で押し上げてスカートの端を持ちちょこりと礼をした。
「ご機嫌麗しゅう、総帥」
「息災でいたか?」
「はい」
頭に伸びた手を子猫のように三日月形に目を細めて享受すれば、くくくっと喉を奮わせた影山は執事に視線で退出を促した。
意味を素早く察知した執事が一礼し部屋から出て行くのを見送り、気配が遠ざかったのを確認して眼鏡を外して机に置く。
髪を結わえていたリボンも解いてポニーテールにすると、にいっと先ほどまでより遥かに悪戯っぽい笑みを浮かべて飛びついた。
「どうしたんだよ、総帥!連絡もなしで来るなんて珍しいじゃん!」
「急に飛びついたら危ないだろうが。そんなのでも一応女の子なんだ、気をつけなさい」
「はーい。で、どうして俺んとこに来てくれたの?日本の学校の監督は辞めたの?」
柳眉を寄せた影山に窘められ冗談だよと肩を竦める。だが渋面を気にせずに膝の上に身を乗り出して問い詰めれば、仕方がないとばかりにため息を吐いた影山は、両脇の下に手を潜らすと小柄な体を抱き上げた。
今よりももっと小さな頃によくして貰った体勢。擽ったさに笑うと、また頭を撫でられる。
「相変わらず落ち着きがない。それで鬼道の娘が務まるのか?」
「何とかなるもんだぜ。俺って、天才だから」
「言っていろ」
呆れたような声で、それでも笑う影山に身を寄せる。
口では利用するだけだといいながら、頭を撫でる仕草は優しい。
様々な重責やプラスアルファがあるけれど、あらゆる意味で守にサッカーを与えてくれた恩師は、ひょいと胸元からDVDを取り出した。
差し出されたそれを受け取り、裏面と表面を確認する。
白い表面にも薄いケースにもラベルはなくて内容は全くわからない。
「これ、何?」
「お前にとても縁が深い映像が納まっている」
「縁が深い?どういう意味?」
「───そのDVDには、お前の祖父円堂大介の現役時代の映像が納まっている。何しろ私が子供時代のものだからな。映像を集めるのに苦労した」
「へぇ」
小器用に指先でケースを回し、気のない返事をした。
円堂大介。その昔、サッカー界に新風を送り込んだ偉大なゴールキーパー。
日本のゴールを背負う彼は、守護神として全国へ名を轟かせた素晴らしいプレイヤーだったらしい。
与えられた情報から思い出せる限りのことを指折りあげてもこの程度だ。
血が繋がっているとは言え、顔も知らない温もりも知らない相手で、生前の母親から実父についてほとんど話も聞いてない。
彼女が子供の頃に亡くなったと聞いているので、片親での苦労も多かったのだろう。
おかげでサッカー嫌いなった母親に制限され満足にボールにすら触れれない幼少時代を送らざるを得なかった。
サッカーがしたいと鉄塔広場で涙を零した回数も一度や二度じゃない。
もしかすると、このサッカーに対する焦がれるような想いだけが彼から受け継いだものかもしれないな、と自分より余程円堂大介に固執する恩師を見上げれば、彼もまたこちらを一心に見詰めていた。
「その中には映像と共に私が円堂大介の必殺技を解析したデータも入っている」
「ふーん」
「次に日本に帰ってくるまでに、お前はその中にある技を習得しておけ」
「技って、でも、円堂大介はGKだったんだろ?俺のポジションはMFだぜ?」
「───守。私が覚えろといった技は」
「全部覚えろって?判った、判ったよ。でも次に会うのは日本に帰ってからで、冬休み挟んだから大体一月後だろ?覚える技は簡単なの?」
「いいや、伝説とまで言われた技だ。円堂大介が日本のゴールを守るために使った技、『マジン・ザ・ハンド』」
「・・・本気で言ってるの?俺、チームの練習やお嬢様の勤めもあるんだけど?」
「お前がイタリアに渡る前、私は全てのポジションの基礎を叩き込んだ。私が育てた天才、『鬼道守』が『円堂大介』の技を盗めぬはずがない」
違うか、と問われ肩を竦めた。
どちらにせよ初めから守に選択肢などない。師である影山が覚えろと言えば、是と応えて実行する。
彼が執着するのは『円堂大介の孫』。理由や意味は知らないし、知る必要もない。
ただ自分の可能性を伸ばせるなら守に否はない。
貪欲にサッカーを欲する守を誰より理解する影山だけが機会をくれるというなら、彼の言い分に逆らう気はない。
「・・・リョーカイ。もう一年近キーパーの練習してないから、なまってないといいけどね」
「シュートは受けてなくとも基礎は続けているだろう。地下修練場にタイヤがぶら下がってたぞ」
「ふふ、優秀な教え子だろ?『基礎の反復はよりよい状態を維持するために必須』だからな」
「ああ、そうだな。お前ほど優秀な教え子はいない。お前ならじきにイタリアサッカー界を変えるだろう」
「まかせてよ。俺はイタリアから世界に出る。他の誰でもない、あなたから教えられたサッカーでね」
首に腕を巻いて頬を摺り寄せると、ぽんぽんとあやすように背中を叩かれた。
心地よい振動にくふふと声を漏らすと、猫みたいだと呆れられた。
「それにしても」
「何だ?」
「あなたももっと実用的な技を開発すればいいのに。皇帝ペンギン1号もビーストファングも俺以外には扱えないだろ?理想を形にしたとしても選手が潰れるような技は駄目だろ」
「それはお前じゃなく私が決めることだ。お前はお前の実力を上げることだけ考えておけばいい。───そう言えば、最近は南イタリアのフィディオ・アルデナと親しくしているようだな」
「ん?さすがに情報早いね。うん。あいつ、サッカーセンスも抜群だし、格好いいし性格もいい。今はライバルだけど、もしかしたら、近い将来一緒のチームでプレイするかもしれない」
「ほう・・・お前にしてはべた褒めだな。噂以上にいい選手らしい」
「まあね。あなたも一度プレイを見てみるといい。きっと、気にいるよ」
指を立ててウィンクする。ぴんと長い指先で額を弾かれ唇を尖らせると、影山はくつくつと楽しげに喉を奮わせた。
「私のお前ほど優秀ではないだろうが、次回の試合は見てみるとしよう」
「そうしなよ」
「ああ。さて、練習でも始めるか?今日明日とスケジュールを空けたから、みっちりとしごいてやる」
「そりゃ怖いな。でも総帥のメニューは効率的だから好きだ。あ、そうだ。俺の新技見てよ。微調整が上手くいかないんだ。日本では総帥も俺も忙しいし、俺の作った技のチェックまでは見てもらえないもんな」
「かまわん」
満足げに頷いた影山は、守を片腕に座らせるよう抱き上げた。
痩身だが以外に筋肉がついているので安心して身を預けていると、そのまま出口へと向かう。
トレーニングウェアへ着替えさせるために私室へと連れて行く気なのだろう。
ドアを開けるとそこで待機していた執事と一瞬眼が合い、彼は慌てて頭をさげた。
昔から鬼道家に仕える彼は、普段は誰かに表立って甘えない守が影山に抱き上げられるのも幾度も目にしている。
驚きでざわめくメイドを宥め、夕食まで戻らないと伝えた守に一礼し姿を消した。
絵画や観葉植物が飾られている廊下に出て、リビングから一つ角を曲がり二部屋目が守の私室だ。
長い廊下を靴音を立てて歩く影山は、たわいない会話の途中で不意に思い出したと口を開いた。
「そう言えば、面白い話を耳にした」
「何?総帥の面白い話って、そもそも本当に面白いの?」
「さあな。だがお前も興味は持つだろう。何しろお前の許婚の話だからな」
「許婚って・・・エドガー?」
「ああ。彼は愛しの許婚の趣味に合わせて、サッカーを始めたそうだ。バルチナス財閥でチームを作ってな」
「・・・エドガーが」
流石に驚いて目を丸くすると、やはり知らなかったかと影山が呟く。
以前教えたいことがあると楽しそうに嘯いていたが、これのことだったか。
なら、今知ってしまったのは少し申し訳ない。彼は自分で守に知らせたかっただろうから。
それにしても、サッカーなどと言っていたエドガーがチームを作るなど信じられない。
彼の趣味はオペラやクラシック鑑賞、美術館巡りや馬術にフェンシングだったと思ったが、意外すぎた。
なんにでも万能なエドガーだから本気で打ち込めばいいプレイヤーになるだろうが、それだけの情熱が果たしてあるのか。
小首を傾げた守に、影山は内緒話をするよう声を潜めてとっておきの情報を与えた。
「彼の作ったチームの名は『ナイツオブクィーン』。直訳すればイギリス紳士らしく女王陛下に対するものだろうが───さて、彼が想う本当の女王は誰だろうな」
「・・・・・・」
嫌そうに眉間に皺を寄せてすっぱい顔をした守に、らしくない笑い声を上げた恩師は心底愉快そうだった。
授業を終え、イタリアに帰ると二週間ぶりに顔を合わせる人が居て、素の状態で瞬きを繰り返す。
豪奢で座り心地のいいソファに足を組みゆったりとした態度でいる彼は、守にとって父や弟と違う意味で特別な人。
「総帥!」
ぱあっと顔を輝かせ、執事の前だというのにスカートを靡かせ走り寄る。
エドガーとお揃いのリボンで緩い三つ網にした髪が揺れ、ノンフレームの伊達眼鏡が顔からずれる。
いつもどおりサングラスに黒服の影山の前で足を止めると、眼鏡を指の腹で押し上げてスカートの端を持ちちょこりと礼をした。
「ご機嫌麗しゅう、総帥」
「息災でいたか?」
「はい」
頭に伸びた手を子猫のように三日月形に目を細めて享受すれば、くくくっと喉を奮わせた影山は執事に視線で退出を促した。
意味を素早く察知した執事が一礼し部屋から出て行くのを見送り、気配が遠ざかったのを確認して眼鏡を外して机に置く。
髪を結わえていたリボンも解いてポニーテールにすると、にいっと先ほどまでより遥かに悪戯っぽい笑みを浮かべて飛びついた。
「どうしたんだよ、総帥!連絡もなしで来るなんて珍しいじゃん!」
「急に飛びついたら危ないだろうが。そんなのでも一応女の子なんだ、気をつけなさい」
「はーい。で、どうして俺んとこに来てくれたの?日本の学校の監督は辞めたの?」
柳眉を寄せた影山に窘められ冗談だよと肩を竦める。だが渋面を気にせずに膝の上に身を乗り出して問い詰めれば、仕方がないとばかりにため息を吐いた影山は、両脇の下に手を潜らすと小柄な体を抱き上げた。
今よりももっと小さな頃によくして貰った体勢。擽ったさに笑うと、また頭を撫でられる。
「相変わらず落ち着きがない。それで鬼道の娘が務まるのか?」
「何とかなるもんだぜ。俺って、天才だから」
「言っていろ」
呆れたような声で、それでも笑う影山に身を寄せる。
口では利用するだけだといいながら、頭を撫でる仕草は優しい。
様々な重責やプラスアルファがあるけれど、あらゆる意味で守にサッカーを与えてくれた恩師は、ひょいと胸元からDVDを取り出した。
差し出されたそれを受け取り、裏面と表面を確認する。
白い表面にも薄いケースにもラベルはなくて内容は全くわからない。
「これ、何?」
「お前にとても縁が深い映像が納まっている」
「縁が深い?どういう意味?」
「───そのDVDには、お前の祖父円堂大介の現役時代の映像が納まっている。何しろ私が子供時代のものだからな。映像を集めるのに苦労した」
「へぇ」
小器用に指先でケースを回し、気のない返事をした。
円堂大介。その昔、サッカー界に新風を送り込んだ偉大なゴールキーパー。
日本のゴールを背負う彼は、守護神として全国へ名を轟かせた素晴らしいプレイヤーだったらしい。
与えられた情報から思い出せる限りのことを指折りあげてもこの程度だ。
血が繋がっているとは言え、顔も知らない温もりも知らない相手で、生前の母親から実父についてほとんど話も聞いてない。
彼女が子供の頃に亡くなったと聞いているので、片親での苦労も多かったのだろう。
おかげでサッカー嫌いなった母親に制限され満足にボールにすら触れれない幼少時代を送らざるを得なかった。
サッカーがしたいと鉄塔広場で涙を零した回数も一度や二度じゃない。
もしかすると、このサッカーに対する焦がれるような想いだけが彼から受け継いだものかもしれないな、と自分より余程円堂大介に固執する恩師を見上げれば、彼もまたこちらを一心に見詰めていた。
「その中には映像と共に私が円堂大介の必殺技を解析したデータも入っている」
「ふーん」
「次に日本に帰ってくるまでに、お前はその中にある技を習得しておけ」
「技って、でも、円堂大介はGKだったんだろ?俺のポジションはMFだぜ?」
「───守。私が覚えろといった技は」
「全部覚えろって?判った、判ったよ。でも次に会うのは日本に帰ってからで、冬休み挟んだから大体一月後だろ?覚える技は簡単なの?」
「いいや、伝説とまで言われた技だ。円堂大介が日本のゴールを守るために使った技、『マジン・ザ・ハンド』」
「・・・本気で言ってるの?俺、チームの練習やお嬢様の勤めもあるんだけど?」
「お前がイタリアに渡る前、私は全てのポジションの基礎を叩き込んだ。私が育てた天才、『鬼道守』が『円堂大介』の技を盗めぬはずがない」
違うか、と問われ肩を竦めた。
どちらにせよ初めから守に選択肢などない。師である影山が覚えろと言えば、是と応えて実行する。
彼が執着するのは『円堂大介の孫』。理由や意味は知らないし、知る必要もない。
ただ自分の可能性を伸ばせるなら守に否はない。
貪欲にサッカーを欲する守を誰より理解する影山だけが機会をくれるというなら、彼の言い分に逆らう気はない。
「・・・リョーカイ。もう一年近キーパーの練習してないから、なまってないといいけどね」
「シュートは受けてなくとも基礎は続けているだろう。地下修練場にタイヤがぶら下がってたぞ」
「ふふ、優秀な教え子だろ?『基礎の反復はよりよい状態を維持するために必須』だからな」
「ああ、そうだな。お前ほど優秀な教え子はいない。お前ならじきにイタリアサッカー界を変えるだろう」
「まかせてよ。俺はイタリアから世界に出る。他の誰でもない、あなたから教えられたサッカーでね」
首に腕を巻いて頬を摺り寄せると、ぽんぽんとあやすように背中を叩かれた。
心地よい振動にくふふと声を漏らすと、猫みたいだと呆れられた。
「それにしても」
「何だ?」
「あなたももっと実用的な技を開発すればいいのに。皇帝ペンギン1号もビーストファングも俺以外には扱えないだろ?理想を形にしたとしても選手が潰れるような技は駄目だろ」
「それはお前じゃなく私が決めることだ。お前はお前の実力を上げることだけ考えておけばいい。───そう言えば、最近は南イタリアのフィディオ・アルデナと親しくしているようだな」
「ん?さすがに情報早いね。うん。あいつ、サッカーセンスも抜群だし、格好いいし性格もいい。今はライバルだけど、もしかしたら、近い将来一緒のチームでプレイするかもしれない」
「ほう・・・お前にしてはべた褒めだな。噂以上にいい選手らしい」
「まあね。あなたも一度プレイを見てみるといい。きっと、気にいるよ」
指を立ててウィンクする。ぴんと長い指先で額を弾かれ唇を尖らせると、影山はくつくつと楽しげに喉を奮わせた。
「私のお前ほど優秀ではないだろうが、次回の試合は見てみるとしよう」
「そうしなよ」
「ああ。さて、練習でも始めるか?今日明日とスケジュールを空けたから、みっちりとしごいてやる」
「そりゃ怖いな。でも総帥のメニューは効率的だから好きだ。あ、そうだ。俺の新技見てよ。微調整が上手くいかないんだ。日本では総帥も俺も忙しいし、俺の作った技のチェックまでは見てもらえないもんな」
「かまわん」
満足げに頷いた影山は、守を片腕に座らせるよう抱き上げた。
痩身だが以外に筋肉がついているので安心して身を預けていると、そのまま出口へと向かう。
トレーニングウェアへ着替えさせるために私室へと連れて行く気なのだろう。
ドアを開けるとそこで待機していた執事と一瞬眼が合い、彼は慌てて頭をさげた。
昔から鬼道家に仕える彼は、普段は誰かに表立って甘えない守が影山に抱き上げられるのも幾度も目にしている。
驚きでざわめくメイドを宥め、夕食まで戻らないと伝えた守に一礼し姿を消した。
絵画や観葉植物が飾られている廊下に出て、リビングから一つ角を曲がり二部屋目が守の私室だ。
長い廊下を靴音を立てて歩く影山は、たわいない会話の途中で不意に思い出したと口を開いた。
「そう言えば、面白い話を耳にした」
「何?総帥の面白い話って、そもそも本当に面白いの?」
「さあな。だがお前も興味は持つだろう。何しろお前の許婚の話だからな」
「許婚って・・・エドガー?」
「ああ。彼は愛しの許婚の趣味に合わせて、サッカーを始めたそうだ。バルチナス財閥でチームを作ってな」
「・・・エドガーが」
流石に驚いて目を丸くすると、やはり知らなかったかと影山が呟く。
以前教えたいことがあると楽しそうに嘯いていたが、これのことだったか。
なら、今知ってしまったのは少し申し訳ない。彼は自分で守に知らせたかっただろうから。
それにしても、サッカーなどと言っていたエドガーがチームを作るなど信じられない。
彼の趣味はオペラやクラシック鑑賞、美術館巡りや馬術にフェンシングだったと思ったが、意外すぎた。
なんにでも万能なエドガーだから本気で打ち込めばいいプレイヤーになるだろうが、それだけの情熱が果たしてあるのか。
小首を傾げた守に、影山は内緒話をするよう声を潜めてとっておきの情報を与えた。
「彼の作ったチームの名は『ナイツオブクィーン』。直訳すればイギリス紳士らしく女王陛下に対するものだろうが───さて、彼が想う本当の女王は誰だろうな」
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嫌そうに眉間に皺を寄せてすっぱい顔をした守に、らしくない笑い声を上げた恩師は心底愉快そうだった。
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