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目の前の人に作ったばかりの花束を渡す。
自分で言うのもなんだが中々の出来で、嬉しそうに顔を綻ばす女性に釣られ琉夏もふわりと微笑んだ。
無防備であり無邪気な様子の特上の笑みに、女性は頬を赤らめる。
そしてその笑顔を見た琉夏も、頬を赤く染めていた。
「ありがとうございました」
熱の篭る視線に、女性は手に持つ花も霞むほど赤くなる。
その様子に小首を傾げた琉夏は、急激に鼓動が早まるのを感じた。
───どうやら、限界が来たらしい。
「───限界が来たらしい、じゃないよ!!」
狭い室内に響く声に、琉夏はひっそりと眉を寄せた。
益々青白くなった顔色に気づいた冬姫は、一つため息を吐き出すと琉夏の額に冷却シートを貼り付けた。
後部座席の遣り取りをバックミラー越しに確認した琥一は、呆れて肩を竦める。
ちなみに今日は琥一も冬姫もバイトは休みで、二人で桜井家でまったりと洋楽を聴いていたのだが。
突然の電子音に二人きりの時間を邪魔され、結果購入したばかりの車を駆り立てて今に到っている。
「ルカ。もう少し体調管理くらいしろ」
「そうだよ琉夏君。私も琥一君もいきなりの電話にびっくりしたんだから」
バイト中であるはずの琉夏からの電話に首を傾げながら出た冬姫は、相手が琉夏ではなかったことに当然驚いた。
そして琉夏の状態を聞くと、顔を一気に蒼くした。
鞄を引っつかみ状況を説明する冬姫に、薬と水、そして冷却シートを家から引っつかんだ琥一は慌てて愛車のキーを捻った。
家から車で十分程度の場所でバイトしている琉夏は、予想以上に参っていて、その癖駆けつけた冬姫を迷い無く抱きしめる辺りに要領のよさを感じる。
呆れよりもむしろ感心してしまった。彼の幼馴染に対する執着は天晴れなものだ。
ちなみにだれて意識を半分飛ばしているような今の状態でも、彼はしっかりと彼女の腰に手を回し肩に頭を置いている。
基本的に甘える人間を選ぶ男だが、冬姫に対しては飼い主に甘える猫と同じだ。
喉がごろごろと鳴っていないのが不思議だった。
ああ、だが駄猫らしく躾は出来ていないらしい。
調子に乗って顎を舐めた瞬間、高速で拳骨が落とされている。
年を考えれば色っぽい遣り取りになってもおかしくないはずなのに、どこか無邪気なじゃれ合いに肩を竦めると信号を右折した。
「ルカ」
「・・・ん?」
「点滴打ってもらうから覚悟しとけ」
「えー・・・」
嫌そうに眉を顰める弟は、琥一と違って先端恐怖症ではない。
しかし病気の時ですら動かず長時間じっとしているのを苦行とする彼は、注射はともかく点滴は嫌っていた。
「熱下げねえと辛いだろ。な、冬姫」
「うん。琥一君の言うとおりだよ。我慢しなさい」
冬姫に諭され渋々返事をする弟に、見えないように口の端を持ち上げる。
自分の手が届かない場所で彼女に手を出したにしては優しい罰だろう?と心の中でこっそりと呟いた。
自分で言うのもなんだが中々の出来で、嬉しそうに顔を綻ばす女性に釣られ琉夏もふわりと微笑んだ。
無防備であり無邪気な様子の特上の笑みに、女性は頬を赤らめる。
そしてその笑顔を見た琉夏も、頬を赤く染めていた。
「ありがとうございました」
熱の篭る視線に、女性は手に持つ花も霞むほど赤くなる。
その様子に小首を傾げた琉夏は、急激に鼓動が早まるのを感じた。
───どうやら、限界が来たらしい。
「───限界が来たらしい、じゃないよ!!」
狭い室内に響く声に、琉夏はひっそりと眉を寄せた。
益々青白くなった顔色に気づいた冬姫は、一つため息を吐き出すと琉夏の額に冷却シートを貼り付けた。
後部座席の遣り取りをバックミラー越しに確認した琥一は、呆れて肩を竦める。
ちなみに今日は琥一も冬姫もバイトは休みで、二人で桜井家でまったりと洋楽を聴いていたのだが。
突然の電子音に二人きりの時間を邪魔され、結果購入したばかりの車を駆り立てて今に到っている。
「ルカ。もう少し体調管理くらいしろ」
「そうだよ琉夏君。私も琥一君もいきなりの電話にびっくりしたんだから」
バイト中であるはずの琉夏からの電話に首を傾げながら出た冬姫は、相手が琉夏ではなかったことに当然驚いた。
そして琉夏の状態を聞くと、顔を一気に蒼くした。
鞄を引っつかみ状況を説明する冬姫に、薬と水、そして冷却シートを家から引っつかんだ琥一は慌てて愛車のキーを捻った。
家から車で十分程度の場所でバイトしている琉夏は、予想以上に参っていて、その癖駆けつけた冬姫を迷い無く抱きしめる辺りに要領のよさを感じる。
呆れよりもむしろ感心してしまった。彼の幼馴染に対する執着は天晴れなものだ。
ちなみにだれて意識を半分飛ばしているような今の状態でも、彼はしっかりと彼女の腰に手を回し肩に頭を置いている。
基本的に甘える人間を選ぶ男だが、冬姫に対しては飼い主に甘える猫と同じだ。
喉がごろごろと鳴っていないのが不思議だった。
ああ、だが駄猫らしく躾は出来ていないらしい。
調子に乗って顎を舐めた瞬間、高速で拳骨が落とされている。
年を考えれば色っぽい遣り取りになってもおかしくないはずなのに、どこか無邪気なじゃれ合いに肩を竦めると信号を右折した。
「ルカ」
「・・・ん?」
「点滴打ってもらうから覚悟しとけ」
「えー・・・」
嫌そうに眉を顰める弟は、琥一と違って先端恐怖症ではない。
しかし病気の時ですら動かず長時間じっとしているのを苦行とする彼は、注射はともかく点滴は嫌っていた。
「熱下げねえと辛いだろ。な、冬姫」
「うん。琥一君の言うとおりだよ。我慢しなさい」
冬姫に諭され渋々返事をする弟に、見えないように口の端を持ち上げる。
自分の手が届かない場所で彼女に手を出したにしては優しい罰だろう?と心の中でこっそりと呟いた。
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