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うはうはとだらしない笑い声が漏れそうになり慌てて両手で口を塞ぐ。
だが噛んでも殺してもだらしない笑みは絶え間なくあがり、結局制御するのを諦め欲望のままに手を伸ばした。
「もっふもふー」
「あー・・・天国だよな。マジパねぇ」
「全くだ」
そう、ここは天国だった。
肉球と毛皮で装備した彼らをハーレム状に囲うことが出来る、『わんにゃん動物園』。
そこは犬猫大好き人間には限りなく天国に近い場所だ。
柔らかな毛皮を持つゴールデンレトリバーに顔を埋めて息を吐く。
近くに居る二人も同じように陶酔に浸っているのだろう。
声が普段よりゆったりとして何処か浮ついていた。
「幸せだねぇ」
「ああ、幸せだ」
「本当に幸せー」
今回一緒に動物園へと足を伸ばした二人、嵐と旬平は冬姫と同類の人間であった。
すなわちとんでもなく動物好き。
ゆるゆるに緩んだ頬と、よーしよしよしとわしゃわしゃ犬の頭を掻き混ぜる仕草は酷似してるに違いない。
嵐はカーリーコーテッド・レトリーバーのくるくるに巻いた黒毛に顔を摺り寄せているし、旬平はにやけた顔で膝の上のパピヨンの耳元をくりくりと掻いている。
和む。この場所は本当に天国だ。
「やっぱり、動物園はいいよね」
「うんうん。俺、動物園大好き」
「アルパカも面白いしな。不思議動物、ぶさ可愛い」
部活中はきびきびと掛けられる声も、場の雰囲気でゆったりとしている。
獣が休憩中に手足を伸ばしだらりと体を崩しているのと似ているかもしれない。
否、大分違うか。
纏まらない思考は目の前の可愛すぎる天使の所為だ。
普段休日に三人で出かける時は大体幼馴染二人が多いが、極稀に目の前で寛いでいる二人とも出かける。
部活が終わった後に世間話から流れる時もあれば、三人の内の誰かが態々言い出すこともあった。
二年続けて同じクラスの嵐と冬姫が教室で柔道雑誌を読みながら約束する場合もあれば、二人で遊んでいた嵐と旬平が冬姫を呼び出す場合もあるし、廊下で声を掛けられた旬平と冬姫が盛り上がり嵐を誘うときもある。
今回は部活前に三人で話していたところで、旬平から動物園の新しい施設の話が上がり、じゃあ三人で行ってみようと相成った。
動物園に初めて三人で来たときの感動は忘れない。
それより前に幼馴染と来たときのクールな反応があったので、余計にそうかもしれない。
嵐は淡々とした表情でありながら目を輝かせていたし、旬平はくるくるよく変わる表情で百面相に忙しかった。
動物好きの人間は動物好きに気を許しやすい。
故に動物園へは以来必ずこの二人と来るようにしている。
「今度の柔道の試合で勝てたらさ、奮発して撮影会しない?」
「あの子犬たちとも写真が取れるっていう奴?」
「そうそう。んで動物園の象やキリンとも写真を撮ろう」
「それ、いいな。今日はカメラないし、ご褒美方式だと一層やる気が出る」
「でしょ?」
もふもふに癒されながら提案するとすぐさま賛同の声が上がる。
のんびりと過ごした休日に、たまにはこんな日も良いと目を細めた。
服は毛だらけになったが、それ以上の充足感に三人の緩んだ頬は中々戻らなかった。
だが噛んでも殺してもだらしない笑みは絶え間なくあがり、結局制御するのを諦め欲望のままに手を伸ばした。
「もっふもふー」
「あー・・・天国だよな。マジパねぇ」
「全くだ」
そう、ここは天国だった。
肉球と毛皮で装備した彼らをハーレム状に囲うことが出来る、『わんにゃん動物園』。
そこは犬猫大好き人間には限りなく天国に近い場所だ。
柔らかな毛皮を持つゴールデンレトリバーに顔を埋めて息を吐く。
近くに居る二人も同じように陶酔に浸っているのだろう。
声が普段よりゆったりとして何処か浮ついていた。
「幸せだねぇ」
「ああ、幸せだ」
「本当に幸せー」
今回一緒に動物園へと足を伸ばした二人、嵐と旬平は冬姫と同類の人間であった。
すなわちとんでもなく動物好き。
ゆるゆるに緩んだ頬と、よーしよしよしとわしゃわしゃ犬の頭を掻き混ぜる仕草は酷似してるに違いない。
嵐はカーリーコーテッド・レトリーバーのくるくるに巻いた黒毛に顔を摺り寄せているし、旬平はにやけた顔で膝の上のパピヨンの耳元をくりくりと掻いている。
和む。この場所は本当に天国だ。
「やっぱり、動物園はいいよね」
「うんうん。俺、動物園大好き」
「アルパカも面白いしな。不思議動物、ぶさ可愛い」
部活中はきびきびと掛けられる声も、場の雰囲気でゆったりとしている。
獣が休憩中に手足を伸ばしだらりと体を崩しているのと似ているかもしれない。
否、大分違うか。
纏まらない思考は目の前の可愛すぎる天使の所為だ。
普段休日に三人で出かける時は大体幼馴染二人が多いが、極稀に目の前で寛いでいる二人とも出かける。
部活が終わった後に世間話から流れる時もあれば、三人の内の誰かが態々言い出すこともあった。
二年続けて同じクラスの嵐と冬姫が教室で柔道雑誌を読みながら約束する場合もあれば、二人で遊んでいた嵐と旬平が冬姫を呼び出す場合もあるし、廊下で声を掛けられた旬平と冬姫が盛り上がり嵐を誘うときもある。
今回は部活前に三人で話していたところで、旬平から動物園の新しい施設の話が上がり、じゃあ三人で行ってみようと相成った。
動物園に初めて三人で来たときの感動は忘れない。
それより前に幼馴染と来たときのクールな反応があったので、余計にそうかもしれない。
嵐は淡々とした表情でありながら目を輝かせていたし、旬平はくるくるよく変わる表情で百面相に忙しかった。
動物好きの人間は動物好きに気を許しやすい。
故に動物園へは以来必ずこの二人と来るようにしている。
「今度の柔道の試合で勝てたらさ、奮発して撮影会しない?」
「あの子犬たちとも写真が取れるっていう奴?」
「そうそう。んで動物園の象やキリンとも写真を撮ろう」
「それ、いいな。今日はカメラないし、ご褒美方式だと一層やる気が出る」
「でしょ?」
もふもふに癒されながら提案するとすぐさま賛同の声が上がる。
のんびりと過ごした休日に、たまにはこんな日も良いと目を細めた。
服は毛だらけになったが、それ以上の充足感に三人の緩んだ頬は中々戻らなかった。
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■土方→神楽
「おや?大串君じゃないアルか」
ポンと肩を叩かれ、土方は眉間に皺を寄せた。
こんな呼び方をするのは、死んだ目をしたような男と。
「・・・お前か。オレは大串じゃなくて土方だ」
目の前の、チャイナ娘しかいない。
少しの警戒心をこめて睨むと、ひょいと肩を竦めた神楽は。
「機嫌悪そうアルな、大串君。もしかして、女の子の日アルか?」
「違うぅぅぅぅ!オレは、男!男だから!そしてお前は人の話を聞けぇ!」
思わず声を大にして否定する。
目の前の少女は可憐な見た目と正反対で、中身は中年の親父よりも酷い。
「でもイライラが取れないんダロ?隠すことないアル」
「だから、違うってぇぇぇ!!」
叫んで、いかんいかんと首を振った。
この目の前の少女は総悟と同じくらいに口が悪い。少しでもペースを乱したら、後は下に落ちるだけ。聞きたいことがあるのに、それでは前に進めない。
ポケットからタバコを出し、ライターで火をつける。その仕草が珍しかったのか、じっと神楽は黙って見つめていた。大人しくなった神楽に、ようやく土方も心を落ち着ける。
「──お前に、聞きたいことがある」
タバコの煙を一度肺まで吸い込んで、苦い気持ちと一緒に吐き出しながら口にした。
「先日、幕府の重要人物が殺された」
極秘事項となっているそれを、躊躇いもなく口にする。
目の前の少女は、トレードマークの傘をくるりと回してそれに相槌を打った。見た限りでは、少しの動揺もない。
「・・・その場にいたヤツは、どいつもこいつも頭を粉砕されて死んでた。そんなこと、人間には出来るわけがねぇ。天人でも中々見ることが出来ないだろうな」
じっと澄んだ青を見つめる。
「最近は、高杉の野郎が派手に動き回ってるらしい。──何でも、めっぽう強い兎を手に入れたって噂だ」
「ふぅん」
土方の言葉に、対して感慨を受けたでもなくいつものポーカーフェイスで神楽は頷いた。興味なさそうなその姿は、いつもと全く変わりがない。
「──お前がやったのか?」
ストレートな問に、神楽の目が丸くなった。
「随分率直に聞いてくるアルな」
「回りくどく言っても仕方ねぇだろ」
「──私、お前のそう言うところ意外に嫌いじゃないネ」
「そりゃ、どうも」
で、どうなんだ。
目を逸らす事無く彼女を見つめ、そして、ようやく気づく。
彼女の服の色が、いつもの暖色系のチャイナ服ではなく、黒一色で統一されていたものだということに。今までの神楽なら着なかっただろうシックな装いは、それでも彼女の白い肌によく映えた。
「そうアルよ」
ニコリともしないで頷かれ、間髪入れず刀を抜き放った。抜く手も見せないほどの早業は、それでもあっさりと避けられる。
「いきなり、危ないアルな」
傘を差した彼女は、コクンと首を傾げた。
無邪気な様子は変わりがないのに、どうしようもない違和感が胸に巣食う。
「何故、殺した」
低く唸るような声に、神楽はこの日初めての笑顔を見せた。
「何で、殺しちゃダメアルか?」
無垢な子供のような様子に一瞬言葉を失った。
「夜兎は戦闘種族アル。自分の親が殺されたのに、反撃をしないはずがないネ」
「・・・・・・」
その言葉に、土方は黙り込んだ。
神楽の父親が幕府に殺されたのは、土方も知っている。
「──あの男も、知ってんのか?」
辛うじて出された言葉に、神楽は考え込むように首を傾げた。暫くの間を置くと、徐にポンと手を打つ。
「あの男って、銀ちゃんアルか?」
「ああ。あの男が、お前の行動を許したのか?」
「・・・・・・銀ちゃんは、関係ないアル。これ、私が勝手にやったこと。私が自分で考えた事ネ。万事屋の皆、関係ないアル」
「・・・・・・」
「私がもう、あそこにいない事お前も知ってるダロ。私は、もう、あそこに戻るつもりはないネ」
「お前は──」
コクリと唾液を飲み下しながら土方は口を開いた。
「お前は、それでいいのか?今なら、まだ戻れる。戻れるんだ」
真剣な土方の様子に、神楽は苦笑した。
くるくると変わる神楽の表情に土方はうっそりと眉を寄せる。自分の所のS王子同様にポーカーフェイスが売りのはずなのに、今日は随分と色々な顔を見せてくれる。
「もう、戻れないアルよ。私の血が、止まれないネ。全部を殺すまで終わりはないヨ」
「・・・・・・」
「晋助が待ってるアル。行かなきゃ」
くるりと踵を返すと、神楽は駆け出した。だが何かを思い出したらしく、途中で再び振り返る。
「──銀ちゃんのこと、よろしく頼むアルな!!」
ぶんぶんと、まるで友達にするように手を振って満面の笑顔を向けると、今度こそそのまま走り去った。
「・・・何が、銀ちゃんのこと頼む、だ。オレはあいつの友達でも何でもねぇぞ。・・・それに」
お前の代わりなんて、誰も出来るわけねぇだろうが。
内心の呟きは、口から出る前に紫煙にまぎれて消えた。
「おや?大串君じゃないアルか」
ポンと肩を叩かれ、土方は眉間に皺を寄せた。
こんな呼び方をするのは、死んだ目をしたような男と。
「・・・お前か。オレは大串じゃなくて土方だ」
目の前の、チャイナ娘しかいない。
少しの警戒心をこめて睨むと、ひょいと肩を竦めた神楽は。
「機嫌悪そうアルな、大串君。もしかして、女の子の日アルか?」
「違うぅぅぅぅ!オレは、男!男だから!そしてお前は人の話を聞けぇ!」
思わず声を大にして否定する。
目の前の少女は可憐な見た目と正反対で、中身は中年の親父よりも酷い。
「でもイライラが取れないんダロ?隠すことないアル」
「だから、違うってぇぇぇ!!」
叫んで、いかんいかんと首を振った。
この目の前の少女は総悟と同じくらいに口が悪い。少しでもペースを乱したら、後は下に落ちるだけ。聞きたいことがあるのに、それでは前に進めない。
ポケットからタバコを出し、ライターで火をつける。その仕草が珍しかったのか、じっと神楽は黙って見つめていた。大人しくなった神楽に、ようやく土方も心を落ち着ける。
「──お前に、聞きたいことがある」
タバコの煙を一度肺まで吸い込んで、苦い気持ちと一緒に吐き出しながら口にした。
「先日、幕府の重要人物が殺された」
極秘事項となっているそれを、躊躇いもなく口にする。
目の前の少女は、トレードマークの傘をくるりと回してそれに相槌を打った。見た限りでは、少しの動揺もない。
「・・・その場にいたヤツは、どいつもこいつも頭を粉砕されて死んでた。そんなこと、人間には出来るわけがねぇ。天人でも中々見ることが出来ないだろうな」
じっと澄んだ青を見つめる。
「最近は、高杉の野郎が派手に動き回ってるらしい。──何でも、めっぽう強い兎を手に入れたって噂だ」
「ふぅん」
土方の言葉に、対して感慨を受けたでもなくいつものポーカーフェイスで神楽は頷いた。興味なさそうなその姿は、いつもと全く変わりがない。
「──お前がやったのか?」
ストレートな問に、神楽の目が丸くなった。
「随分率直に聞いてくるアルな」
「回りくどく言っても仕方ねぇだろ」
「──私、お前のそう言うところ意外に嫌いじゃないネ」
「そりゃ、どうも」
で、どうなんだ。
目を逸らす事無く彼女を見つめ、そして、ようやく気づく。
彼女の服の色が、いつもの暖色系のチャイナ服ではなく、黒一色で統一されていたものだということに。今までの神楽なら着なかっただろうシックな装いは、それでも彼女の白い肌によく映えた。
「そうアルよ」
ニコリともしないで頷かれ、間髪入れず刀を抜き放った。抜く手も見せないほどの早業は、それでもあっさりと避けられる。
「いきなり、危ないアルな」
傘を差した彼女は、コクンと首を傾げた。
無邪気な様子は変わりがないのに、どうしようもない違和感が胸に巣食う。
「何故、殺した」
低く唸るような声に、神楽はこの日初めての笑顔を見せた。
「何で、殺しちゃダメアルか?」
無垢な子供のような様子に一瞬言葉を失った。
「夜兎は戦闘種族アル。自分の親が殺されたのに、反撃をしないはずがないネ」
「・・・・・・」
その言葉に、土方は黙り込んだ。
神楽の父親が幕府に殺されたのは、土方も知っている。
「──あの男も、知ってんのか?」
辛うじて出された言葉に、神楽は考え込むように首を傾げた。暫くの間を置くと、徐にポンと手を打つ。
「あの男って、銀ちゃんアルか?」
「ああ。あの男が、お前の行動を許したのか?」
「・・・・・・銀ちゃんは、関係ないアル。これ、私が勝手にやったこと。私が自分で考えた事ネ。万事屋の皆、関係ないアル」
「・・・・・・」
「私がもう、あそこにいない事お前も知ってるダロ。私は、もう、あそこに戻るつもりはないネ」
「お前は──」
コクリと唾液を飲み下しながら土方は口を開いた。
「お前は、それでいいのか?今なら、まだ戻れる。戻れるんだ」
真剣な土方の様子に、神楽は苦笑した。
くるくると変わる神楽の表情に土方はうっそりと眉を寄せる。自分の所のS王子同様にポーカーフェイスが売りのはずなのに、今日は随分と色々な顔を見せてくれる。
「もう、戻れないアルよ。私の血が、止まれないネ。全部を殺すまで終わりはないヨ」
「・・・・・・」
「晋助が待ってるアル。行かなきゃ」
くるりと踵を返すと、神楽は駆け出した。だが何かを思い出したらしく、途中で再び振り返る。
「──銀ちゃんのこと、よろしく頼むアルな!!」
ぶんぶんと、まるで友達にするように手を振って満面の笑顔を向けると、今度こそそのまま走り去った。
「・・・何が、銀ちゃんのこと頼む、だ。オレはあいつの友達でも何でもねぇぞ。・・・それに」
お前の代わりなんて、誰も出来るわけねぇだろうが。
内心の呟きは、口から出る前に紫煙にまぎれて消えた。
■銀時→神楽
「ごめんヨ、銀ちゃん」
月光に照らされて、神楽は立っていた。元々白い肌が、いっそう透ける様に白い。赤い血溜まりだまりの中、赤に濡れる事無く、トレードマークの傘を無造作に差して立っていた。
そこには普段ある生き生きとした表情はない。絶対的な無表情。感情を凍りつかせたように冷めた眼差しを向けていた。
足をすり足で動かし、ジャリ、と音を立てて、獲物が届くくらいの距離まで近づいてくる。
だが、それでも。銀時は獲物に手を掛けることすら出来ないでいた。
(嘘だろ、オイ・・・)
悪夢のようだ。いっそ、夢ならどれほど救われるだろう。現実を否定する心がそれを望むが、それが夢でない事くらい理解していた。
「・・・私の中の、夜兎の血が騒ぐネ。抑える事が出来ないヨ」
寂しそうに笑う姿は、確かに自分の知っているものなのに、凍りついたように、体が動かない。
焦る意思とは裏腹のそれは、彼女をここまで駆り立てた理由を知っているからだろうか。
「パピーを殺した幕府を、許すことが出来ないネ。だから、私もう銀ちゃんと一緒にいられないネ」
淡々と口に出す。
感情を豊かに表現する彼女らしくもない顔で。
「──ここにいたのか、じゃじゃ馬姫」
「晋助・・・」
神楽の声に応えるように、女物の着物を羽織った、眼帯の男が神楽の隣に立つ。
そして、銀時を見てニヤリと笑った。
「よう、銀時。久しぶりだな」
愉快だ、と言う感情を隠さぬままに、優越感丸だしの表情で晋助は哂う。死体の中で悠然と立つ二人には、赤がとてもよく似合った。
作られた一対のように並び立つ姿を見て、湧き上がるのは黒い感情。
(そこは、お前の場所じゃねぇ)
人が殺されているのを見ても、何とも思わなかったのに、ただ、神楽の隣に立つ姿を見せられるだけで、一気に沸点近くまで感情が沸騰した。それがおかしいとの判断は銀時には出来なかった。
「ここは、終わったか。神楽」
「うん。早く次に行くネ。トロトロしてんじゃねぇぞ、眼帯」
「・・・くくっ。あいつはもういいのか?」
「・・・うん。お別れは、もうすんだネ。私の心は決まってるアル」
「だとよ、銀時。コイツは、お前じゃなくてオレの隣にいることを選ぶとさ」
「・・・・・・・・・・・・・」
心底楽しそうに哂う晋助に、先程までは抜く事が出来なかった木刀に手を掛けた。
だが。
「──止めるネ、銀ちゃん。コイツに手を出すなら、私の傘が火を噴くネ」
「神楽・・・」
澄んだ空のように綺麗な青が、一直線に銀時を射る。その目に迷いなど、欠片も見つけられなくて、信じたくない現実に動く事など出来なかった。
「あばよ、銀時。・・・次はもっと楽しい所で会いたいなぁ」
「バイバイ、銀ちゃん。・・・できればもう、会いたくないアルな」
対照的なことを言い、同時に背を翻す二人に。
ピクリと動いた腕は、それでもとうとう静止をかけることはなかった。
「ごめんヨ、銀ちゃん」
月光に照らされて、神楽は立っていた。元々白い肌が、いっそう透ける様に白い。赤い血溜まりだまりの中、赤に濡れる事無く、トレードマークの傘を無造作に差して立っていた。
そこには普段ある生き生きとした表情はない。絶対的な無表情。感情を凍りつかせたように冷めた眼差しを向けていた。
足をすり足で動かし、ジャリ、と音を立てて、獲物が届くくらいの距離まで近づいてくる。
だが、それでも。銀時は獲物に手を掛けることすら出来ないでいた。
(嘘だろ、オイ・・・)
悪夢のようだ。いっそ、夢ならどれほど救われるだろう。現実を否定する心がそれを望むが、それが夢でない事くらい理解していた。
「・・・私の中の、夜兎の血が騒ぐネ。抑える事が出来ないヨ」
寂しそうに笑う姿は、確かに自分の知っているものなのに、凍りついたように、体が動かない。
焦る意思とは裏腹のそれは、彼女をここまで駆り立てた理由を知っているからだろうか。
「パピーを殺した幕府を、許すことが出来ないネ。だから、私もう銀ちゃんと一緒にいられないネ」
淡々と口に出す。
感情を豊かに表現する彼女らしくもない顔で。
「──ここにいたのか、じゃじゃ馬姫」
「晋助・・・」
神楽の声に応えるように、女物の着物を羽織った、眼帯の男が神楽の隣に立つ。
そして、銀時を見てニヤリと笑った。
「よう、銀時。久しぶりだな」
愉快だ、と言う感情を隠さぬままに、優越感丸だしの表情で晋助は哂う。死体の中で悠然と立つ二人には、赤がとてもよく似合った。
作られた一対のように並び立つ姿を見て、湧き上がるのは黒い感情。
(そこは、お前の場所じゃねぇ)
人が殺されているのを見ても、何とも思わなかったのに、ただ、神楽の隣に立つ姿を見せられるだけで、一気に沸点近くまで感情が沸騰した。それがおかしいとの判断は銀時には出来なかった。
「ここは、終わったか。神楽」
「うん。早く次に行くネ。トロトロしてんじゃねぇぞ、眼帯」
「・・・くくっ。あいつはもういいのか?」
「・・・うん。お別れは、もうすんだネ。私の心は決まってるアル」
「だとよ、銀時。コイツは、お前じゃなくてオレの隣にいることを選ぶとさ」
「・・・・・・・・・・・・・」
心底楽しそうに哂う晋助に、先程までは抜く事が出来なかった木刀に手を掛けた。
だが。
「──止めるネ、銀ちゃん。コイツに手を出すなら、私の傘が火を噴くネ」
「神楽・・・」
澄んだ空のように綺麗な青が、一直線に銀時を射る。その目に迷いなど、欠片も見つけられなくて、信じたくない現実に動く事など出来なかった。
「あばよ、銀時。・・・次はもっと楽しい所で会いたいなぁ」
「バイバイ、銀ちゃん。・・・できればもう、会いたくないアルな」
対照的なことを言い、同時に背を翻す二人に。
ピクリと動いた腕は、それでもとうとう静止をかけることはなかった。
>>六花様
初めまして六花様。
GSのSSを読んでくださってありがとうございます。
ご質問の答えですが、私なりの返答をさせていただきます。
どうお答えしようかと悩んだのですが、結局はストレートに行かせて頂きます。
その内容でご不快になられましたら申し訳ございませんがお許しください。
六花様がどのような意図を持ってご質問されたのかわかりかねますが、どこのサイト様でもそうだと思うのですけど公開するに当たって不安な気持ちが無いわけではありません。
ですが私の場合で申し上げますと、単純明快に『気に入らないなら仕方ない』でしょうか。
私のサイトで公開されているものなんて、基本的に私の妄想で練り上げられているので好みは自分が中心になります。
それを誰かに押し付けたいわけじゃないので、『気に入ってくださるなら嬉しい』ですけど、『気に入らないなら仕方ない』です。
六花様のように私が書くキャラが微妙と思われる方もいらっしゃるでしょうし、実際にきついお言葉で凹まされる場合もあります。
それでも読んでいて楽しいと言って下さる方もお見えですし、暫く凹んだ後回復出来ることがほとんどです。
公開してみると大体の方は不満を持っても書き込みなさらないですし、そのまま無視して通り過ぎるだけです。
その方たちにとっては興味が抱けない、もしくは嫌悪した場合もあるかもしれないですけど、注意事項で書いたとおりに単に私の書きたいものを書いているだけですから納得いただけなければもう二度と来られない場合が多いんじゃないでしょうか?
嫌いなものを読むためにいらっしゃるより、やはり好きなものを探す方が有意義だと思いますし、何より私ならそうします。
一応注意書きして捏造やオリジナル設定ありと書いていても、読んでみて嫌なものは嫌でしょうし、趣味が合わないのは仕方ないです。
それに何より気に入らない場合は素通りして頂けるのがお互いにとって一番だとも思います。
私もやはりお言葉によっては凹みますし、書かれてる人も我慢できずにコメントを書いてるわけですから嫌な気持ちで一杯でしょうしそれに対して申し訳なく思います。
自分なりに真剣に考えたのですが、最終的に纏めるとやはり毎回怖いです。コメント頂けて好きと言っていただけるとホッとします。
読んでくださる皆様に感謝いたしますし、拍手を下さる皆様に感謝しています。
このサイトは最初から最後まで私の自己満足で出来ているので、遊びに来てくださる方々は本当にありがたく、とても幸せです。
怖いけれど、好きと言ってくださる方もいらっしゃるので出来ればこれからも続けたいと思います。
長くなっちゃいましたが、これが自分なりに真剣に考えた結論なのですけど納得いただけたでしょうか。
もしご不快な気分にさせてしまったら私の言葉が足りずにごめんなさい。
それでもきちんと考えた上での答えです。
こんなサイトで宜しければ、是非また遊びに来てくださると嬉しいです。
Web拍手、ありがとうございました!
初めまして六花様。
GSのSSを読んでくださってありがとうございます。
ご質問の答えですが、私なりの返答をさせていただきます。
どうお答えしようかと悩んだのですが、結局はストレートに行かせて頂きます。
その内容でご不快になられましたら申し訳ございませんがお許しください。
六花様がどのような意図を持ってご質問されたのかわかりかねますが、どこのサイト様でもそうだと思うのですけど公開するに当たって不安な気持ちが無いわけではありません。
ですが私の場合で申し上げますと、単純明快に『気に入らないなら仕方ない』でしょうか。
私のサイトで公開されているものなんて、基本的に私の妄想で練り上げられているので好みは自分が中心になります。
それを誰かに押し付けたいわけじゃないので、『気に入ってくださるなら嬉しい』ですけど、『気に入らないなら仕方ない』です。
六花様のように私が書くキャラが微妙と思われる方もいらっしゃるでしょうし、実際にきついお言葉で凹まされる場合もあります。
それでも読んでいて楽しいと言って下さる方もお見えですし、暫く凹んだ後回復出来ることがほとんどです。
公開してみると大体の方は不満を持っても書き込みなさらないですし、そのまま無視して通り過ぎるだけです。
その方たちにとっては興味が抱けない、もしくは嫌悪した場合もあるかもしれないですけど、注意事項で書いたとおりに単に私の書きたいものを書いているだけですから納得いただけなければもう二度と来られない場合が多いんじゃないでしょうか?
嫌いなものを読むためにいらっしゃるより、やはり好きなものを探す方が有意義だと思いますし、何より私ならそうします。
一応注意書きして捏造やオリジナル設定ありと書いていても、読んでみて嫌なものは嫌でしょうし、趣味が合わないのは仕方ないです。
それに何より気に入らない場合は素通りして頂けるのがお互いにとって一番だとも思います。
私もやはりお言葉によっては凹みますし、書かれてる人も我慢できずにコメントを書いてるわけですから嫌な気持ちで一杯でしょうしそれに対して申し訳なく思います。
自分なりに真剣に考えたのですが、最終的に纏めるとやはり毎回怖いです。コメント頂けて好きと言っていただけるとホッとします。
読んでくださる皆様に感謝いたしますし、拍手を下さる皆様に感謝しています。
このサイトは最初から最後まで私の自己満足で出来ているので、遊びに来てくださる方々は本当にありがたく、とても幸せです。
怖いけれど、好きと言ってくださる方もいらっしゃるので出来ればこれからも続けたいと思います。
長くなっちゃいましたが、これが自分なりに真剣に考えた結論なのですけど納得いただけたでしょうか。
もしご不快な気分にさせてしまったら私の言葉が足りずにごめんなさい。
それでもきちんと考えた上での答えです。
こんなサイトで宜しければ、是非また遊びに来てくださると嬉しいです。
Web拍手、ありがとうございました!
>>ぴよりん様
こんばんは、ぴよりん様!
まずは最初に謝らせてください。昨日はお返事を出来なくてごめんなさい!
実は薬を飲んだら眠くなってしまって、どうにも文字を打てませんでした(汗)
丁寧に頂いたコメントだったので、丁寧に私も返したかったものですから翌日に回したのですが、あらぬ誤解をさせてしまったようで心苦しいです。
ぴよりん様からのコメントは本当に嬉しいものです。迷惑とかありえないので、絶対に考えないで下さいませ!!!
まずは昨日しようと思ってたお返事からw
本当に、好み似てますw心が通じてるなんて、もう照れてしまいます。
病人相手にときめくのは仕方ないですよね!だってまだ若いですし。
甘酸っぱい兄の行動を見守ってやってくださいw
本命にはからっきし弱い琥一と、本命には押せ押せの琉夏。それが私の中で不動のイメージで、好きなポジションです。
もちろん余裕を持った兄も好きなんですけど、私の好みが本命にヘタレている人だからどうしてもああなっちゃうんですよね~(汗)
でもっていざというときは格好いい。あれ?これって景時さんにも共通してるかも、なんて思います。
コンプリートスチルみたいですけど、私は全く進んでいません。
ファンと言うのもおこがましいほど進んでませんとも。
むしろぴよりん様よりも進んでないと思います。でもADVは兄弟と不二山&新名ペアの分は全部起こしてますw
なのに先輩方はひとつずつしかないです。愛の違いが・・・。
むしろ私の場合食わず放置的な感じです。プレイしたら好きになるかもしれないのに、そのチャンスすら得れていないです(涙)
桜井兄弟がいけないんです!あんなにも好みな対決なんてするからっ!
新名&不二山青春ペアのトライアングル、次次回か次次々回くらいに更新予定ですw今回は三人だけで出演の予定です★
でも兄弟への愛でそちら優先になったらごめんなさいw
と言うのが昨日へのお返事です。
そして続きから今日のお返事です。
三人の過去話(捏造)を読んでくださってありがとうございますw
過去は琉夏と冬姫と三人で遊びながらも、琥一が一歩引いてる雰囲気が私の中の設定です。
二人はそんなつもりなしなのに、琥一が勝手に引け目を感じてます。
なので二人から手を伸ばし、引いてる琥一を一緒に居ようと誘うのが今回のコンセプトで、それにジーンと来てくださって嬉しいですw
三人で一緒という夢は、子供の頃は絶対に信じられた夢だと思うんですよ。
手を繋いで帰る夕暮れの道。それに永遠を夢見た彼らが私の理想ですw
私の創作を読んで、ぴよりん様が元気を出していただけると嬉しいです。
過去篇は基本子供っぽい可愛らしさを前面に出していきたいので、これからもほのぼのしてください!
復活創作まで読んでくださるのですか!うわー、ありがたいですw
嬉しいですけど、あれはBL項目ですが大丈夫でしょうか?
私のサイトは私の好きなキャラ総受けなので、矢印は必ず一人に向いてます。
復活だと綱吉へみんなの矢印が向いてる上に、未来捏造がメインなので読んでもらえるのは嬉しいですけどかなり緊張します(汗)
丁度今日捏造未来篇の髑髏お題をアップしたのですが、昨日かき上げたばかりだったので偶然に驚きました。
次は笹ツナかディノツナアップ予定です。
トライアングル・ラブシリーズも含めこれからも頑張っていきたい項目なので気に入ってくださるのを祈るばかりです・・・っ。
でも、自分の好みを押し付けたいわけではないので、CPがあれでしたら無理なさらないで下さいね。
コメントにすぐお返事できなくて本当にごめんなさい。
そしてそれなのにまたコメントを下さってありがとうございました。
とっても嬉しかったですw
また是非遊びにいらして下さいw
Web拍手、ありがとうございました!
こんばんは、ぴよりん様!
まずは最初に謝らせてください。昨日はお返事を出来なくてごめんなさい!
実は薬を飲んだら眠くなってしまって、どうにも文字を打てませんでした(汗)
丁寧に頂いたコメントだったので、丁寧に私も返したかったものですから翌日に回したのですが、あらぬ誤解をさせてしまったようで心苦しいです。
ぴよりん様からのコメントは本当に嬉しいものです。迷惑とかありえないので、絶対に考えないで下さいませ!!!
まずは昨日しようと思ってたお返事からw
本当に、好み似てますw心が通じてるなんて、もう照れてしまいます。
病人相手にときめくのは仕方ないですよね!だってまだ若いですし。
甘酸っぱい兄の行動を見守ってやってくださいw
本命にはからっきし弱い琥一と、本命には押せ押せの琉夏。それが私の中で不動のイメージで、好きなポジションです。
もちろん余裕を持った兄も好きなんですけど、私の好みが本命にヘタレている人だからどうしてもああなっちゃうんですよね~(汗)
でもっていざというときは格好いい。あれ?これって景時さんにも共通してるかも、なんて思います。
コンプリートスチルみたいですけど、私は全く進んでいません。
ファンと言うのもおこがましいほど進んでませんとも。
むしろぴよりん様よりも進んでないと思います。でもADVは兄弟と不二山&新名ペアの分は全部起こしてますw
なのに先輩方はひとつずつしかないです。愛の違いが・・・。
むしろ私の場合食わず放置的な感じです。プレイしたら好きになるかもしれないのに、そのチャンスすら得れていないです(涙)
桜井兄弟がいけないんです!あんなにも好みな対決なんてするからっ!
新名&不二山青春ペアのトライアングル、次次回か次次々回くらいに更新予定ですw今回は三人だけで出演の予定です★
でも兄弟への愛でそちら優先になったらごめんなさいw
と言うのが昨日へのお返事です。
そして続きから今日のお返事です。
三人の過去話(捏造)を読んでくださってありがとうございますw
過去は琉夏と冬姫と三人で遊びながらも、琥一が一歩引いてる雰囲気が私の中の設定です。
二人はそんなつもりなしなのに、琥一が勝手に引け目を感じてます。
なので二人から手を伸ばし、引いてる琥一を一緒に居ようと誘うのが今回のコンセプトで、それにジーンと来てくださって嬉しいですw
三人で一緒という夢は、子供の頃は絶対に信じられた夢だと思うんですよ。
手を繋いで帰る夕暮れの道。それに永遠を夢見た彼らが私の理想ですw
私の創作を読んで、ぴよりん様が元気を出していただけると嬉しいです。
過去篇は基本子供っぽい可愛らしさを前面に出していきたいので、これからもほのぼのしてください!
復活創作まで読んでくださるのですか!うわー、ありがたいですw
嬉しいですけど、あれはBL項目ですが大丈夫でしょうか?
私のサイトは私の好きなキャラ総受けなので、矢印は必ず一人に向いてます。
復活だと綱吉へみんなの矢印が向いてる上に、未来捏造がメインなので読んでもらえるのは嬉しいですけどかなり緊張します(汗)
丁度今日捏造未来篇の髑髏お題をアップしたのですが、昨日かき上げたばかりだったので偶然に驚きました。
次は笹ツナかディノツナアップ予定です。
トライアングル・ラブシリーズも含めこれからも頑張っていきたい項目なので気に入ってくださるのを祈るばかりです・・・っ。
でも、自分の好みを押し付けたいわけではないので、CPがあれでしたら無理なさらないで下さいね。
コメントにすぐお返事できなくて本当にごめんなさい。
そしてそれなのにまたコメントを下さってありがとうございました。
とっても嬉しかったですw
また是非遊びにいらして下さいw
Web拍手、ありがとうございました!
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