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■近藤+土方&沖田→&神楽←高杉


「さあ、もう観念したらどうでィ。チャイナ」
「年貢の納め時って奴だ。痛くしねぇから投降しろ」
「おいおい、トシ。その言い方は何か卑猥だぞ?」
「いや。そんなことに結びつけるあんたの存在が卑猥だ」
「存在から?ねぇ、存在から否定されちゃうのオレ?」

 コントみたいなやり取りをしながら、真選組を締める3人がジリジリと距離を縮めた。軽口を叩きながらもその瞳はめっきりと真剣で、纏わせている覇気は随分と剣呑だ。
 円陣を組む彼らの真ん中には、夜なのに傘を差したままの神楽。真選組切っての刀の使い手に囲まれながらも、彼女は酢昆布をかじったまま普段と変わらない。

「か弱い女の子一人に三人がかりなんて、お前ら最悪アル。まるでダメなお馬鹿。略してマダオアル」

ふいーと息を吐きながら肩を竦め、年甲斐もなく随分と小馬鹿にした眼差しを向ける。人を食ったような仕草は嘗て見慣れていたもので、以前との兆通点を探してしまうほど彼女にも彼らにもまだまだ余裕があった。
 その仕草に、決して気が長いとはいえない鬼の副長の頭に青筋が浮く。

「か弱い女の子相手ならオレたちが3人がかりで捕まえようなんて思わねぇよ。この怪力娘」
「ちょっ、こっちにこないでくれる?マヨネーズ臭いのがうつるだろ、ボケェ」
「おいィィ!マヨネーズを馬鹿にするなァァ!あれはな、かけるだけでどんな食べ物も美味くすると言う魔法の調味料なんだぞォォォォ!」
「へっ。マヨをチュッチュばかりしてたからお前は汗までマヨネーズ臭いアル。最悪ー」
「嗅いだのか!?お前がオレの汗の匂いを嗅いだ事があるってのか!?」
「嗅いで欲しいのかよ、このポリゴン」
「ポリゴンじゃねぇ、ロリコンだァァァァ!」
「──やっぱ、ロリコンだったんですかィ。おっと、こっちに来ないでくだせィ。ロリコンが移っちまう」
「違うゥゥゥ!オレはロリコンじゃねぇ」
「違う違うって言う奴が大抵は犯人ヨ。お前のポリゴンは確定したな、マヨラー」
「最悪でさぁ、土方さん」
「総悟ォ。お前は誰の味方だコラァ!」
 放っておくと同士討ちを始めそうな二人に。
「まあまあ、落ち着けトシ。お前がロリコンでも、オレは気にしない」
「だから、違うって言ってんだろォォォォ!!」

 間に入った近藤に思い切り叫んだ。フォローする気があるのかと今にも血管がぶちきれそうだ。高校野球を応援する応援団も真っ青な声量はすばらしい。だが、さすがに息が切れたらしい土方は肩を上下させながらも気を取り直して刀を構えた。

「大人しく、投降しろ。今なら、無傷で屯所に連れ帰ってやる」
「嫌アル。あんな男の巣窟に私を連れて行って何する積もりアルカ、このポリゴン」
「いい加減に、その話題から離れろォォォォ!」

 血管が切れそうになっている土方を無表情に見つめ、残っていたす昆布をくちゃくちゃと食べ終える。手に残った物を舐め取ると、かすかにすっぱい味がした。何をしててもこの味は変わらない。

「──そろそろ、夜食の時間アル。今日は鮭茶漬けさーらさらの日ヨ。私はもう帰るアル」
「待ちな、チャイナ。もう少し、オレと遊ぼうぜィ」
「お前、しっつこいから嫌アル」
「はっ。本当は嬉しいくせに、何言ってんだィ」
「──判ったアル。お前、ゴリラと一緒に居すぎてストーカー癖が移ったネ」
「いやいやいや、チャイナさん。オレはストーカーじゃないからね」
「ファミレスで姉御の座ってた席の机の支柱に抱きついていた男がどの面下げてストーカーじゃないと言い切るネ?お前、図々しいアル」
「オレの愛は人より少し粘っこいだけだ!ストーカーなんぞでは断じてない!」
「いや。それを世の中ではストーカーって言うんだぜ、近藤さん」
「トシィィィィ!」

 神楽のペースに乗った二人がボケと突っ込みを始めた間に、総悟は刀を走らせた。瞳孔はとうに開き赤い舌が落ち着かせるようにぺろりと唇を舐める。先日よりも速いそれは、確実に神楽の目を狙う。その一閃を瞬き一つせずに下がる事で避けると、神楽は傘を構えた。

「三対一か。天下の真選組も、落ちたものアルな」

 ふっと息を吐き出し丹田に力を込め嫌味な顔をする。小憎らしいガキそのものの笑顔に、土方は苦笑した。変わってないように見える。いや、神楽の本質はきっと変わっていない。ただ、向かう方向が間違っているだけなのだろう。それを、軌道修正してやりたいと思う。今更何て思いたくなかった。何故なら少女は加害者であると同時に被害者だ。力無き者でさえ肉親を殺されれば復讐に走るのに、力あるこの少女が持てるものを振るうのをどうして責められようか。真選組として取り締まる立場に居てもその感情が理解できないとは言わない。
 唯一つ悲しいと思えるのは、その澄んだ青い瞳が昏く沈んでいることか。
 いつから、これほどお人よしになったのか。鬼の副長ともあろう者がと自嘲するが、気になってしまうのだから仕方がない。放っておけないのだ。この子供が怒りの奥で悲しみを持て余しているのが見えるから。
 沖田の本気の刀を最小限の力のみで軽く避ける神楽を見て瞳孔が開く。あんなに楽しそうに本気で刀を振るう沖田を見たのも初めてなら、これほど縦横無尽に走る刀を掻い潜る存在も初めてだ。

「──避けろ、総悟」

自分の前に居た沖田を楯にし奇襲をかける。信頼ゆえに躊躇いのない攻撃は、間違うことなく沖田の背中の首より少ししたを狙った。否。正確に言うならその奥にある少女の胸を。普通なら避けれないであろうタイミングのそれは、少女の肩を掠めただけで終わった。
 にいっと無意識に顔が笑う。自分の血が熱くなり踊るのが判る。侍としてこれほど心躍る戦いも久しぶりだ。何しろ獲物は戦うために生まれたと言われるほどの武の才を持つ夜兎族の娘。女であっても力もスピードも土方より上だ。彼が勝るのは経験と技量、この二つだけ。
 ならばそれを最大限に利用すべく沖田の刀と時間をずらして切りかかる。相手の間合いとタイミングを狂わせる絶妙な攻撃は、昔から付き合いのある二人だからこその息のあったコンビネーション。

「上手く避けろよ、チャイナさん!」

 意識が二人に集中していくのが見ていて判った。表情はどんどんと薄くなり瞳は定める為に眇められる。人の視界は集中したときには普段より随分と狭められる。故にがら空きになった背後から近藤が突きを繰り出すのを見て、もらったな、と密かに思った。



「・・・・・・まあまあ、アルナ」

 脇を斬り去った軌跡を眺め、流れる血を見ながら神楽は呟いた。その言葉に、ふつふつと血が沸き立つ。殺すなら、自分の刀でしたい。これは沖田の本能で躊躇いがない望みだが、今は殺す事ではなく捕まえる事をメインと考えているから近藤に譲った。
 それでも。

(──何て魅力的な赤なんでさァ)

 白い肌から零れる命の輝きに、沖田は魅了される。それが、彼女のモノというだけで、何よりも美しく見える。闇に溶け込む漆黒のチャイナドレス。紅い大輪の華が描かれていたそれよりも、なお紅い赤。咽喉の奥で笑いを噛み殺す。愉快で愉快で仕方なかった。この手で最後を攫えるなら、何も惜しむものなどないのに。
 哂いながらもコンビネーションの手は止めない。斬り、突き、凪ぐ。構えも取るのが難しいほど息つかぬ攻撃。さすがに三人がかりだときついのか、避ける神楽は防戦一方だ。
 殺す気はないということなのだろう。神楽が本気になれば、自分達を殺すなどたやすいはずだ。それをしない、という事は。
(捕まえる事が出来るかも知れないって、ことだ)
 近藤と土方の刀を避けた神楽が、沖田の方に転がり込む。刀を下段に構え力に逆らわぬまま、上に振り上げた。浅い感触。          
 けど、それでも微かに自分まで血飛沫が届き、かかる雫に頬を染めた。

「やっぱ、甘ェや」

 独特の味がするそれを、もっと舐めたいと思った。

「・・・困ったアル」

 大して困ってもいないが、とりあえず呟いてみた。一見すれば、状況は不利だ。今日は誰かを殺す気分じゃない。だが殺さずに切り抜けるには、彼ら三人は強かった。これほど見事なコンビネーションを見せた相手は、今まで戦ってきた相手でもいない。
 強い。武装警察真選組の名は伊達ではない。普段ヘラヘラしている近藤も。血管が千切れるんじゃないかと思うくらい声をからしている土方も。間抜けなアイマスクをして寝ている沖田も。
 強い。
 唇が持ち上がる。その笑みに、土方の目が驚いたように丸くなった。沖田は、返すように笑う。近藤は何も表情を変えずに刀を振るう。

「面白いけど、残念アル」

 神楽は、本当にそう思った。厭きないやり取りは、もう終えなくてはいけない。

「迎えが来てしまったアル。だから、お前らとの遊びはコレで終わりヨ」

 殺気は後ろから現れた。しゃがんでそれを避ける。繰り出された突きは、すれすれで避けた近藤の脇を掠めた。
ちょうど、先程の神楽と同じ場所だ。瞠目する彼からは動揺が如実に伝わり、甘いアル、と自然に唇が動く。出来た隙を狙い、神楽が近藤に向け傘を振るった。

「近藤さん!?」

 土方の声が揺れる。動揺は隙を生む。先ほどまで見つけれなかったそれは、今では呆気ないほど溢れる。油断した土方の懐に入り込むと、加減抜きで蹴り上げた。とっさに腕をクロスさせた彼の腕ごと貰って。
 景気良く吹っ飛んだ彼は、路上の壁に当たりようやく止まる。土方を蹴り上げことで出来た隙に切りかかってきた沖田は
隣に並んだ男に弾かれ、構えなおす前に神楽の掌ていが決まった。

「・・・おい、じゃじゃ馬。オレのいない間に、何勝手に体に傷つくってんだよ」
「一々お前の許可なんて取る必要ないネ」

 神楽の横で刀を構えていた晋助は、のそりと笑った。彼の纏う女物の上着が風に吹かれてふわりと揺れた。

「遊ぶなら、オレも呼べよ。・・・楽しい宴にしてやる」
「お前はすぐに殺すから嫌ヨ。気に入ったおもちゃほど壊そうとするガキと一緒ネ」
「そうか?オレは本当に気に入ったものは長く大事に壊していく性質だぜ?」
「最悪ヨ。どS宣言ネ。身の危険を感じちゃうアル」
「大丈夫だ、じゃじゃ馬。お前は少々のことじゃ壊れねぇだろ」
「か弱い女の子に向かって何言うカ。私ぐらいの年頃の女の子は、常に白馬に乗った王様を待ってるアル。繊細な年頃なのヨ」
「繊細?王子の間違えじゃねぇの?」
「王子はマザコンかもしれないからいやアル。初めから権力握っててしかも姑のいないやもめの王様の方がいいネ。ポックリ逝ったら保険金がっぽがっぽアル」
「ははっ。確かに、違いねぇ」

 上機嫌に笑った晋助は、転がっている真選組の三人に目を向けた。上下する肩から息はあるのだろうが、動く事もままならないらしい彼らに近き刀に手をかけた。だが、クイッと上着を引っ張られ止る。振り払うのは簡単だったがそれをしない代わりににたり、と微笑んだ。

「帰るアル」
「オレに、あいつらを見逃せって?」

 狂気で片目が光る。ほの昏いそれにじりじりとした熱を感じながらも、涼しい顔で神楽は言った。

「腹が減ったアル。今日は鮭茶漬けさーらさらの日ヨ。お前には、梅干をくれてやるアル」
「鮭茶漬けなのに、梅干かよ」
「風呂に入って、服も着替えたいネ。血でぐちょぐちょヨ」
「また、破いたのか?今度は買ってやらねぇぞ」
「別にいいアル。この間武市変態のへそくりまた見つけたネ」
「今度は何処にあった?」
「今度は、百科事典の間アル。やることがちっさい男アル」

ビラリと万札を見せつけ、ニヤリと神楽は笑う。

「梅干一個ならおごってやるアル」
「・・・それだけ持ってて梅干一個かよ」
「ありがたがるヨロシ。工場長と呼ぶのを許すアル」
「・・・・・・行くぞ、工場長」

視線を、転がっている真選組に一瞬向け、それでも素直に踵を返した晋助の後に神楽が続く。ここで逆らえば面倒な事になると数少ない経験から知っていた。

「──暇なら。また、遊んでやるアル」

 呟いた声は、彼らに届く前に消えた。 

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■銀時→神楽←高杉

「神楽ちゃん、お願いだ!銀さんを・・・銀さんを助けてっ」

それほど長い間会わなかった訳でもないのに懐かしいと感じる少年に必死の面持ちで乞われ、神楽は一つ瞬きをした。

──────────────────────────────

「さて。あなたには、これ以上邪魔されたくないんですよ」
「邪魔?邪魔なんてした記憶はねぇな~。オレはオレのモンだけ返してくれりゃァ、後は文句はねぇよ」
「あなたのもの?この船に、あなたのモノなんかありましたか?」
「あるだろ?めちゃめちゃ可愛い、寂しがり屋のウサギがよぉ」
「・・・ウサギ、ですか。はてさて。そんな可愛らしい生き物が、この船に乗っていたかどうか・・・」

 はてさて。腕を組み、考え込む振りをしながら武市は目の前の男を観察した。
 銀色の髪に、人を食った笑み。捕虜の分際で、それでも何処までも真っ直ぐに自分を見上げる。以前、神楽を捕まえた時に使った留め具は夜兎の力でもびくともしなかった代物だ。そう簡単に人間が外せるものでもない。仲間が助けにこれる場所でもない。ここは空の上で、船には高杉を仰ぐ仲間が集結している。無事でいられる保証もない。それなのに、彼は何処までも不屈だ。
 どうしたものか。考え込んでいると、いきなりドアが蹴破れた。

「武市変態」
「・・・武市先輩と呼びなさい」

 いつも自分をこき下ろす後輩よりも心持ち高い声。少女然としたそれは、武市の好むものでもある。断じてロリコンではない。フェミニストなだけだ。
 幾人もの少女を観察してきた武市をして将来有望とする桃色の髪を揺らし空の色を映しこんだような大きな青い目の少女、神楽は無表情のまま彼の隣に並んだ。

「・・・誰に聞きました?」
「誰でもいいアル。これは、どういう事ネ?」
「邪魔者を捕らえた。ただ、それだけでしょう」
「──こんな死んだ魚のような目をした男、何の邪魔にもならないアル」
「・・・そうでしょうか?実際問題、彼には何度も計画の邪魔をされています。そろそろ処分してもいい頃合だと思いますが?」
「まだ、晋助には言ってないのカ?」

 聞かれた問に少し迷う。暫しの逡巡の後正直に答えた。決して神楽が武市好みの将来有望な顔をしているからではない。仲間を信頼する心故の行動だ。

「はい。まだ、捕らえたばかりですのでね」
「そうか。それなら、ちょうどいいアル」
 その愛らしい容姿にニヤリした悪人笑いを浮かべた神楽は、躊躇なく武市の腹にボディーブローを決め込んだ。
「ぐっ」

 油断していた武市の鳩尾にそれは綺麗に決まり、うめき声を漏らしその場に蹲る。口から泡を噴きながら一撃で沈んだ相手を見て、神楽はフンと鼻を鳴らした。

「コイツ、マジ弱いアル。RPGで言うなら、最初は苦労するけどすぐに経験値の足しにもならなくなるキャラそのものネ」
「おいおい。神楽ちゃん。何しちゃってんの?」

 武市にまたがり懐をあさくる神楽に、思わず突っ込みを入れてしまう。

「勇者は悪者を倒した後、賃金を強奪するものヨ。こうして世の厳しさと、己の無力さを雑魚に感じさせてやるアル」
「オイオイオイ。随分とシビアな勇者様だな」
「当たり前アル。渡る世間は鬼ばかりなのヨ。無償で他人に奉仕なんて余程のマゾくらいアル」

 出てきた財布を握りこむと、ポンと投げて宙で掴んだ。行動も悪戯っ子のような微笑も、一緒に暮らしていた頃と変わりなくガラにもなく安堵のため息が零れる。
 しかしながら覚えている面影と重なる部分も多い少女は、漆黒のチャイナドレスを見事に着こなし万事屋にいた頃よりも大人っぽく見えた。懐から酢昆布を取り出し加えた神楽はくちゃくちゃとやりながら銀時に近づく。無防備にも銀時の顔を覗きこみこてりと首を傾げた。

「──こんな所で何やってるアルカ、銀ちゃん」
「ああ?見てわかんねぇ?捕まっちゃってるんだけど」
「銀ちゃんマゾカ?こういうプレイが好きアルカ?これだから、天パは」
「ちょっとォォォ。何でもかんでも天パの一言で片付けないでくれないィィ?これでも銀さんグラスハートだから。硝子細工のような心を持ってるから」
「はっ。何図々しい事言ってンのヨ、このマダオ」

 呆れたと言わんばかりの眼差しを向けると、腕を思い切り引く。小さな掌は二つとも傘の柄を握り、その威力を良く知る銀時の額から汗が一筋流れ落ちた。

「え?ちょっ、待って神楽・・・」
「待ったなしヨ。将棋の世界は、厳しいアル」
「それ、将棋じゃなくて、勝負だから!さすがにここから命綱なしで落ちたら、銀さん死んじゃうから!」
「大丈夫ヨ!人類は滅しても天パは生き残るって誰かが・・・」
「誰かって誰だよ!?そんな訳わかんない情報で銀さんを船から落とすの?あ?ちょっ、待って、ねぇホントお願い神楽ちゃん!!」
「待ったなしヨ。──早くしないと、アイツが来るネ」
「アイツ・・・?ちょ、神楽!!行くなら、お前も一緒に」
「バイバイ。銀ちゃん」

 小さく微笑むと、傘を構えた。眇めた眼差しが銀時を捉える。それを見て瞳を丸めた。
 微笑んだ神楽の瞳は、悲しげな色が宿っていたから。

「悪い人に、態と捕まっちゃダメアルヨー」
「神楽!!」

 言われた言葉に、少し息を呑む。それは不器用な少女なりのさよならの言葉に他ならなかった。態と捕まったということを、少女はキチンと理解していた。
 拘束具で括られたままの腕がもどかしい。こんな目と鼻のような距離でも、まだ彼女に届かない。このままでは。

「ふんごぉー!!」

 メキリと音がして、拘束具が緩む。だが、それが外れるよりも先に、体が宙を舞っていた。

「ウッソォォォ!?」

 投げ出された感覚に、思わずギュと瞼を閉じた。

──────────────────────────────

 開いた穴から、叫びつつ落ちていく銀時を眺める。海に落ちる前に、平賀の作ったカラクリで彼と一緒に新八がキャッチしたのを見届け、顔を引っ込めた。

「・・・何してんだ?神楽ァ」

 後ろから聞こえてきた声に、無表情で振り返った。姿を現した晋助に驚く必要はない。気配は途中から感じていて、むしろ今更姿を現したことにこそ驚く。

「何ネ片目。覗き見カ?これだから、モテル女は辛いアル」
「オレにばれたらやばい事でもしてたのか?」
「──何も。お前にばれた所で痛くも痒くもないことしかしてないネ。私がばれて困るのは、ピン子のサインの隠し場所くらいアル」
「ふん・・・。こっちに来い、じゃじゃ馬」
「・・・・・・」

 無言で近づく。ただ視線を向けられているだけで肌がチリチリとした感触を訴えた。眺める眼差しは強いが晋助は何も言わない。しかし、言葉以上に目は有言だった。何もかも見透かすように、隠し事など許さないと。

「一度は許してやる。二度目はないと思え」
「っ」

 ねとりとした何かが触れ耳元に痛みが走る。思わず眉を寄せれば粘着質な音が鼓膜に広がった。
 噛み切ったそこをゆっくりと舐め、晋助は満足気に笑った。

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目の前の人に作ったばかりの花束を渡す。
自分で言うのもなんだが中々の出来で、嬉しそうに顔を綻ばす女性に釣られ琉夏もふわりと微笑んだ。
無防備であり無邪気な様子の特上の笑みに、女性は頬を赤らめる。
そしてその笑顔を見た琉夏も、頬を赤く染めていた。

「ありがとうございました」

熱の篭る視線に、女性は手に持つ花も霞むほど赤くなる。
その様子に小首を傾げた琉夏は、急激に鼓動が早まるのを感じた。

───どうやら、限界が来たらしい。




「───限界が来たらしい、じゃないよ!!」

狭い室内に響く声に、琉夏はひっそりと眉を寄せた。
益々青白くなった顔色に気づいた冬姫は、一つため息を吐き出すと琉夏の額に冷却シートを貼り付けた。
後部座席の遣り取りをバックミラー越しに確認した琥一は、呆れて肩を竦める。
ちなみに今日は琥一も冬姫もバイトは休みで、二人で桜井家でまったりと洋楽を聴いていたのだが。
突然の電子音に二人きりの時間を邪魔され、結果購入したばかりの車を駆り立てて今に到っている。

「ルカ。もう少し体調管理くらいしろ」
「そうだよ琉夏君。私も琥一君もいきなりの電話にびっくりしたんだから」

バイト中であるはずの琉夏からの電話に首を傾げながら出た冬姫は、相手が琉夏ではなかったことに当然驚いた。
そして琉夏の状態を聞くと、顔を一気に蒼くした。
鞄を引っつかみ状況を説明する冬姫に、薬と水、そして冷却シートを家から引っつかんだ琥一は慌てて愛車のキーを捻った。
家から車で十分程度の場所でバイトしている琉夏は、予想以上に参っていて、その癖駆けつけた冬姫を迷い無く抱きしめる辺りに要領のよさを感じる。
呆れよりもむしろ感心してしまった。彼の幼馴染に対する執着は天晴れなものだ。
ちなみにだれて意識を半分飛ばしているような今の状態でも、彼はしっかりと彼女の腰に手を回し肩に頭を置いている。
基本的に甘える人間を選ぶ男だが、冬姫に対しては飼い主に甘える猫と同じだ。
喉がごろごろと鳴っていないのが不思議だった。
ああ、だが駄猫らしく躾は出来ていないらしい。
調子に乗って顎を舐めた瞬間、高速で拳骨が落とされている。

年を考えれば色っぽい遣り取りになってもおかしくないはずなのに、どこか無邪気なじゃれ合いに肩を竦めると信号を右折した。

「ルカ」
「・・・ん?」
「点滴打ってもらうから覚悟しとけ」
「えー・・・」

嫌そうに眉を顰める弟は、琥一と違って先端恐怖症ではない。
しかし病気の時ですら動かず長時間じっとしているのを苦行とする彼は、注射はともかく点滴は嫌っていた。

「熱下げねえと辛いだろ。な、冬姫」
「うん。琥一君の言うとおりだよ。我慢しなさい」

冬姫に諭され渋々返事をする弟に、見えないように口の端を持ち上げる。
自分の手が届かない場所で彼女に手を出したにしては優しい罰だろう?と心の中でこっそりと呟いた。

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>>ギャイ様

こんばんは、ギャイ様。
コルダ1&3創作、待っててくださってありがとうございますw
一応もう少し進めるべく、次回と次々回にまだ出ていないコルダ1キャラのあの人を出す予定です。
ですが日野ちゃんの対応をどうしようかとちょっと迷い気味です。
七日以内に更新できたらいいな~と願望を抱いてますw
また是非遊びに来てくださいませw
Web拍手、ありがとうございました!

拍手[1回]

スイッチを切り替えたようにぱちり、と目が覚める。
 視線だけで辺りを見廻せば、そこは今泊まっている星奏学院の寮の一室であるのが判り、ベッドに手を置いて上半身を起こす。
 閉めきられたカーテン越しに薄日が差し、雀の囀りと至誠館の早朝トレーニング前の準備運動の野太い声が微かに聞こえた。
 枕元にあるサイドテーブルに手を伸ばすと、置いてある腕時計を掴んで目を凝らす。時刻は朝五時半。認識した途端不機嫌に眉を跳ね上げ短い金髪をくしゃりとかき乱した。

「早過ぎだろ・・・」

 うんざりとした気分そのままの声が漏れる。もう一度寝直したいが、生憎と目は冴えてしまっていた。ベッドに入り込み布団を頭から被ったところで背を向けてしまった睡魔は戻って来そうにない。
 益々渋い顔になった千秋は、重いため息を漏らした。

「随分とまた趣味のいい夢だったもんだ」

 苦い想いを篭めて呟く。唇は誰に対するものか判らぬ皮肉に歪み、声音は低い。
 先ほどまで見ていた夢は、分類するなら『悪夢』に入るのだろう。印象深く、嫌になるくらいリアリティがあった。現に目が覚めた今も心臓はばくばくと脈打ち、暑さの所為で無い汗が止めど無く流れる。
 その夢では、千秋は『千秋』であったが人ではなかった。
 黒く大きな羽と尖った耳を持つ魔の者、所謂悪魔と呼ばれる種族の彼は、失った特別を探し毎夜森を彷徨う彷徨う亡霊となった。
 命はあったが彼は生きてはいなかった。生きる事を放棄して尚、彼は探しつづけていた。
 額から頬へと伝ってきた汗を拭うと、硬く目を瞑る。それは確かに夢の中の出来事であったはずなのに、現実感がありすぎた。
 夢の中の彼は、盲目の少女に執着していた。同族で無い彼女を唯一の特別とし、過ぎる時間を大事にしていた。
 彼は最後まで気がつかなかった。その感情がどんな意味を持つのかを。
 悪魔である彼は誰かに好意を持った事が無く、彼女への感情の意味を教えてくれる知人も居なかった。欲しているのは判っていたが、何故なのかを考える理由も理解できなかった。
 始めはただの好奇心。自分が知る何よりも美しいと感じた音への興味だった。
 顔を見て初めて相手が盲目であるのに気がついたが、面倒だとは思わなかった。目が見えなくともその少女の奏でる音楽に変わりはなく、むしろ目が見えないからこそ研ぎ澄まされた才能だと見抜いたから。
 話をする内に、興味はヴァイオリンの音から少女へと少しずつ移行していった。
 少女は目が見えず貧乏な暮らしをしていたが、永い時を生きた彼が知る誰よりも朗らかで何時でも微笑んでいる、そんな健気な娘だった。
 元来人懐こい性格をしていた彼女は、森の奥でいつ壊れても可笑しくない家に一人で住むのは苦痛だっただだろうに、初対面で少し話しただけの彼に『友人になってくれ』と頼み込むくらい寂しい想いをしていただろうに、その境遇を嘆き悲しみを切々と愚痴ったことは一度も無い。
 彼が訪れた時、家の屋根から雨漏りしていても、眠るための藁のベッドが腐っていても、目が見えないため火を扱えず、生の芋を食べ調子を崩していても、どんな状態でも微笑んで迎えてくれた。
 目が見えない自分に家を与えてくれた村人に感謝し、数日に一度通ってくれる幼馴染に感謝し、日々生きることが出来る幸せに感謝する、そんな朴訥な少女だった。
 普段は何処かとろさが目立つ彼女に、始めこそ呆れて眺めているだけだった彼も、いつの間にか放っておけなくなり手を差し伸べていた。気が良いと言っても何処までも悪魔の彼が、見返りを要求せずに幾度も幾度も。
 終いには彼女へ善意を施してくれるからとの理由で、彼女の元へ通い食料を届ける幼馴染にすら謝礼を渡すようになっていた彼は、己の有り様に疑問を抱きつつもそれでも長い時間の中で一番充実した暮らしを送っていた。
 天気の良い日は外に出て、雨や雪が降る日は室内で。
 彼女の奏でる───否、謳わせたヴァイオリンの調べに耳を傾け、ゆったりと過ごす。不思議にも彼女と一緒にあれば彼の胸に破壊衝動は起こらず、悪魔らしからぬ暢気さで穏やかに日々を送っていたのに。
 神を嫌う悪魔だったからか、幸福は呆気なく塵と化した。
 村へ行くと酷く嬉しそうに彼女が笑ったから、彼は彼女を手放した。次の約束をするのも何時の間にか気に入っていて、待ち時間の間ずっと彼女を想うのも楽しかった。少しとろくて運動神経が切れている彼女だったけど、約束を破るような人間ではないと、契約もしてないのに信じてた。
 彼女が居ない夜、彼は家の屋根で過ごした。少しずつ欠けて行く月を眺めて、指折り日にちを数えていた。自分の都合でなく、彼女の都合で待つのは初めてだったので、少しだけ胸を高鳴らせ、いつ帰ってくるのか、どんな顔で帰ってくるのか、土産話は何なのか、第一声は何なのか、平和ボケした脳みそでずっと考えていたのだ。
 それは随分とおめでたい思考だったというのに。
 彼が指折り数え何日も何日も待つ間、彼女はその命を儚く散らしていたのに。
 彼の絶望を思い出し、身体を丸め息を吐き出す。あれは自分ではなかったのに、シンクロした感情は容易に切り離せない。

「何故、疑わなかった」

 目の見えない彼女を森へと追いやる人間たちに、彼女を託してしまったのだ。疑り深い悪魔らしからぬ無用心さで、何の庇護もなしに送り出してしまったのだ。
 ぎりぎりと歯を食いしばりながら、千秋は本当はその答えにも気づいていた。理由は単純で明快だ。
 彼が疑わなかったのは、彼女が彼らを信じていたから。笑う彼女を、彼もまた信じていたからだ。
 彼女は殺されるつもりはなかった。そうでなければ、彼と約束をするはずがない。
 ならば、と千秋は思う。守るためにも、彼は疑わなくてはならなかったのだ、と。
「彼女の世界はいつだって明るかったのを、お前とて知っていたはずだ。質素と言うのもおこがましい生活の中でも幸せだと微笑んでいたのだから。だから、お前も手を貸したのだろう?彼女に気づかれないように、感謝も謝礼も必要とせず代償を得ようともしないで」
 彼は普段の契約とは違い、彼女に見返りを求めていなかった。否。求めていたがそれは共に過ごす時間だとか微笑が届く距離だとか至上の音色を響かせるヴァイオリンだとか些細で、けれど彼にとってはこの上なく特別なものだった。欲望を満たして得た力ある魂ではなく、彼女がそこにあることだけを彼は欲していたというのに。

「お前は、手綱を緩めてはいけなかった。打てる布石は全て投じなければならなかったんだ」

 彼の絶望の深さを知る千秋は、瞼を閉じれば浮かぶ光景に胸を締め付けられる。
 彼女を失った彼は、自身が消滅するまでの永い時間を一人で彷徨い続けた。心配する相棒の手を取らず、魔の者が住む世界にも帰らず、ずっと彼女が住んでいた場所を守って。
 やがて時代は移り、人間は異世界の者の姿を偶像だと決め付けた。彼の姿は誰に認識されず、そして───魂を摂取しなかった所為で力も体も衰えた彼は、戦争と呼ばれる人類の諍いに巻き込まれ一人消えた。誰にも見取られず、愛した彼女を見つけれず、深く、暗い悲しみの淵で彼は滅んだのだ。

「・・・俺は、お前と違う」

 彼女が消えても何百年と生きた彼と、自分は違う。ずきずきと痛む米神を宥めると、ゆっくりと立ち上がり部屋を後にする。
 定まらぬ視界に目を眇め、ふらふらしながら目的の場所へと向かった。
 幾度も壁に手を付き、やがて見えてきた場所に千秋はほっと息を吐く。壁に身体を預けるように進めば、そこには探していた人物が居た。
 クリーム色のエプロンを着た彼女は、華麗にフライパンを操りつつこちらに背を向けている。その姿を瞳に映し、数度唇を舌先で舐めた。

「・・・小日向」
「え?」

 今にも消えてしまいそうな小さな声に、けれど彼女は敏感に反応しこちらを振り返る。梔子色の髪が揺れ、大きな瞳が千秋を認めてやんわりと綻んだ。

「東金さん。どうしたんですか?まだ六時ですよ?今日は随分と早いんですね」
「窓の外から至誠館の奴らの声が聞こえたんだ。そのおかげできっぱりさっぱり目が覚めた。気分は中々に最悪だ」

 少しの真実と、少しの嘘を混ぜて告げれば、炒め物を確認しフライパンの火を止めたかなでが近寄ってきた。
 まじまじと覗き込んで来るかなではいつも通りで、やはり夢は夢かとひっそり胸を撫で下ろす。何時の間にか緊張して握っていた拳は汗ばんでいて、そっと解いた。
 体調の悪さを見透かされないよう予め壁に背を預け腕を組んでいたのだが、眉間に皺を寄せ珍しく渋い表情をするかなでには通じなかったらしい。白く細い指を唇に当て、難しい顔をする。

「東金さん、顔、真っ青ですよ?」
「───そうか?明かりの所為じゃないのか?」
「確かに、キッチンと違ってこっちは明かりもつけてないから暗く感じるけど、でもこれだけ外からの光が入れば顔くらい見えます。・・・もしかして、脱水症状かも?そこの椅子に座ってください」

 慌てて促され手を引っ張られれば、ふらり、と身体が傾いた。
 まずい、と思いつつも踏ん張りが利かず、かなでとともに倒れこむ。咄嗟に身体の位置を入れ替え背中から落ちたのだから自分を誉めてやりたい。おかげで衝撃に息は止まったが、腕もかなでにも怪我はなく、ゆっくりと息を吐き出せば痛みも少しだけ紛れた。

「東金さん!?大丈夫ですか!!?すみません、私───」
「いい」
「でも!すぐ退きますから、ちょっと待っ」
「動くな!」

 響いた怒声に似た激しいそれに、かなでの身体がびくりと強張る。反射的に動きを止めたかなでに、千秋は深呼吸する。
 胸の上に乗る小さな身体越しにとくとくと鼓動が伝わり、瞼を閉じれば呼吸で上下する胸の動きすら伝わった。体温は暖かく、胸元に掛かる吐息で生きている信じられる。
 夢の中の彼女と違い、かなでは細いがつくべきところに肉はついている。豊満と言い難くても、骨と皮だけだった彼女より遥かに豊かな体型をしていた。
 掌を動かし、背筋を辿り首筋、耳元、髪、額、頬、顎、そして小さな唇へと指をやる。目が見えなかった彼女が取った行動をなぞった動きだったが、やってみて納得できた。目で見なくとも触れた感触で想像できる。微かな呼気が相手の生命を感じさせ、胸の奥から安心感が沸いてきた。

「・・・小日向」
「・・・・・・」
「お前は、ここに居るな」

 蠢いていた手を止め、代わりにぎゅっと抱きしめる。
 手加減の無い全力の抱擁に、かなでが息を詰めたのに気づいたが力を緩める気はさらさらになかった。髪に顔を埋め胸一杯に香りを吸い込む。
 いつ暴れられても不思議じゃない行動を一方的に取っている自覚があったが、それでも止められなかった。

「小日向。───小日向」

 繰り返し、繰り返し。壊れたテープのように、それしか知らぬように幾度も名を繰り返す。
 始めは強張っていたかなでの身体から徐々に力が抜け、そっと千秋の服を握った。それに気がつき益々腕の力を強める。
 かなでは千秋の様子がおかしいのを敏感に感じ取ったらしい。普段から鈍くほえほえしているがかなでは決して空気が読めない人間ではない。むしろ、恋愛感情以外の人の機微にはとても敏感だ。
 宥めるように髪を撫でられ、不覚にも視界が歪んだ。
 夢が夢であって良かった。あれが現実であったなら、千秋は正気を保ってられない。早々に狂い、同じ行動を取っていただろう。それくらい、あの夢は恐ろしく印象深かった。

「小日向。ここにいろ。俺の傍に」
「はい、東金さん。私はちゃんとここにいます。大丈夫、大丈夫ですよ」

 優しい声音で繰り返すかなでは、千秋の言葉の意味を理解していない。
 だが、それでも良かった。意味を理解せず、尋ねもせずにかなではそれでも了承した。千秋の傍にいると、言ってくれた。今の千秋にはそれだけが全てで、それだけが真実。
 温もりを抱きしめ彼を想う。

「俺は、あいつみたいにならない」
「東金さん?」
「俺は絶対に、間違わない」

 夢の中で全てを失った彼に宣言する。
 ぎらぎら光るその瞳を、抱きしめられたかなでは伺うことは出来なかった。

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