×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「いや~、綱海マジ最高!」
「ははははは!もっと褒めてもいいぜ!」
笑いながら肩を抱き合う二人に、驚きで目を丸めたチームメイトの視線が集まる。
綱海はともかく円堂はその視線に気づいているだろうに、一切気にせず仲良さげな雰囲気を醸し出していた。
どうやら彼ら二人はとても波長が合うらしく、初対面からほぼずっとあの調子らしい。
小柄な円堂と彼女より頭ひとつは背が高い綱海は並んでいるとある意味絵になる。
普段は男女差を感じさせない円堂なのに、その差が歴然とするからか綱海の隣に居ればきちんと女の子に見えた。
先日仲間に戻ったばかりの豪炎寺は、つきりと痛む胸に訝しげに首を傾げ、ジャージの上から胸を掴む。
最近感じる違和感は、何故か円堂が傍に居るときに多く見られた。
傍に居なければ探してしまうし、一緒に居ればなんとなく顔が見れない。
かと言って別の誰かのところに彼女がいると息苦しく胸が痛くなる。
こんな想いは初めてで、誰かに相談しようにもこんなことを相談できる相手なんて円堂以外にいない。
しかし円堂本人相手に相談も出来なくて、もやもやする感情を無理やりに押さえ込んだ。
「・・・綱海め」
気がつけばいつの間にか隣に来ていた鬼道がきりきりと柳眉を吊り上げて低い声で唸りに似た囁きを零す。
怒りを抑えきれずに発露してしまったらしい。
彼らしくもない冷静さを欠いた姿だが、それが円堂に関してならとても彼らしいのかもしれない。
本人は素直に認めないだろうが、彼は円堂をとても慕っているようだった。
音無に対しては素直になれるのに、姉だとまた違うものなのだろうか、と微かに首を傾げる。
豪炎寺の中での疑問は、口にした瞬間鬼道の怒りを買うとわかっているので、これもまた長い間燻っていた。
「人の姉に粉をかけるとはどういう了見だ。お前も馴れ馴れしいと思わないか」
「いや・・・俺は」
「否定しても無駄だ。その目が感情を物語っている」
円堂がいいならいいのでは、と口にしようとして素早く遮られた。
ゴーグル越しに見詰められるのを感じ、ぱちぱちと瞬きを繰り返す。
目が感情を語っていると言うが、自分では見えないので判らない。
どうしたものかと内心で困っていると、ぎゅっと眉間に皺を寄せた鬼道が首を傾けた。
「お前は悔しくないのか」
「・・・何が?」
「姉さんの隣に綱海が居ることが、だ。綱海が隣に居ると、姉さんは普通の女に見える」
「・・・・・・」
「身長だって高いし、自然な態度で姉さんを労われる。綱海は器がでかい。姉さんが気に入るのもわかるが、俺はそれが悔しい」
まさか素直に焼餅を妬いていると言っているのと同然の言葉が鬼道から飛び出すとは思っておらず、瞳を丸くして彼を見詰める。
しかし鬼道の視線はもう豪炎寺には向いておらず、一直線に円堂と彼女の肩を抱く綱海に向いていた。
瞳を隠すゴーグルのおかげで彼がどんな目で二人を見ているか判らない。
けれども身に纏う剣呑な雰囲気が、言葉よりも雄弁に鬼道の感情を伝えてきた。
「ホント、綱海はいい男だな!俺の婿に来ないか?」
「はははは、そりゃいいな!俺らの子供なら面白い奴が一杯出来そうだ!」
息を飲み込んだチームメイトを他所に呵呵大笑を続ける二人に、我慢できないとばかりに鬼道が駆け出した。
一拍遅れて彼に続き、また豪炎寺は自分の行動に首を捻る。
(どうして俺は、走っているんだ?)
理由など全く見当はつかない。
それでも早く、早くと急かす心に追われ、両足を突き出すように動かした。
「ははははは!もっと褒めてもいいぜ!」
笑いながら肩を抱き合う二人に、驚きで目を丸めたチームメイトの視線が集まる。
綱海はともかく円堂はその視線に気づいているだろうに、一切気にせず仲良さげな雰囲気を醸し出していた。
どうやら彼ら二人はとても波長が合うらしく、初対面からほぼずっとあの調子らしい。
小柄な円堂と彼女より頭ひとつは背が高い綱海は並んでいるとある意味絵になる。
普段は男女差を感じさせない円堂なのに、その差が歴然とするからか綱海の隣に居ればきちんと女の子に見えた。
先日仲間に戻ったばかりの豪炎寺は、つきりと痛む胸に訝しげに首を傾げ、ジャージの上から胸を掴む。
最近感じる違和感は、何故か円堂が傍に居るときに多く見られた。
傍に居なければ探してしまうし、一緒に居ればなんとなく顔が見れない。
かと言って別の誰かのところに彼女がいると息苦しく胸が痛くなる。
こんな想いは初めてで、誰かに相談しようにもこんなことを相談できる相手なんて円堂以外にいない。
しかし円堂本人相手に相談も出来なくて、もやもやする感情を無理やりに押さえ込んだ。
「・・・綱海め」
気がつけばいつの間にか隣に来ていた鬼道がきりきりと柳眉を吊り上げて低い声で唸りに似た囁きを零す。
怒りを抑えきれずに発露してしまったらしい。
彼らしくもない冷静さを欠いた姿だが、それが円堂に関してならとても彼らしいのかもしれない。
本人は素直に認めないだろうが、彼は円堂をとても慕っているようだった。
音無に対しては素直になれるのに、姉だとまた違うものなのだろうか、と微かに首を傾げる。
豪炎寺の中での疑問は、口にした瞬間鬼道の怒りを買うとわかっているので、これもまた長い間燻っていた。
「人の姉に粉をかけるとはどういう了見だ。お前も馴れ馴れしいと思わないか」
「いや・・・俺は」
「否定しても無駄だ。その目が感情を物語っている」
円堂がいいならいいのでは、と口にしようとして素早く遮られた。
ゴーグル越しに見詰められるのを感じ、ぱちぱちと瞬きを繰り返す。
目が感情を語っていると言うが、自分では見えないので判らない。
どうしたものかと内心で困っていると、ぎゅっと眉間に皺を寄せた鬼道が首を傾けた。
「お前は悔しくないのか」
「・・・何が?」
「姉さんの隣に綱海が居ることが、だ。綱海が隣に居ると、姉さんは普通の女に見える」
「・・・・・・」
「身長だって高いし、自然な態度で姉さんを労われる。綱海は器がでかい。姉さんが気に入るのもわかるが、俺はそれが悔しい」
まさか素直に焼餅を妬いていると言っているのと同然の言葉が鬼道から飛び出すとは思っておらず、瞳を丸くして彼を見詰める。
しかし鬼道の視線はもう豪炎寺には向いておらず、一直線に円堂と彼女の肩を抱く綱海に向いていた。
瞳を隠すゴーグルのおかげで彼がどんな目で二人を見ているか判らない。
けれども身に纏う剣呑な雰囲気が、言葉よりも雄弁に鬼道の感情を伝えてきた。
「ホント、綱海はいい男だな!俺の婿に来ないか?」
「はははは、そりゃいいな!俺らの子供なら面白い奴が一杯出来そうだ!」
息を飲み込んだチームメイトを他所に呵呵大笑を続ける二人に、我慢できないとばかりに鬼道が駆け出した。
一拍遅れて彼に続き、また豪炎寺は自分の行動に首を捻る。
(どうして俺は、走っているんだ?)
理由など全く見当はつかない。
それでも早く、早くと急かす心に追われ、両足を突き出すように動かした。
PR
更新内容
|
(06/28)
(04/07)
(04/07)
(04/07)
(03/31)
(03/30)
(03/30)
(03/30)
(03/30)
(03/25)
(03/25)
(03/25)
(03/25)
(03/24)
(03/24)
(03/24)
(03/23)
(03/14)
(03/14)
(03/13)
(03/13)
(03/13)
(03/11)
(03/10)
(03/08)
カテゴリー
|
リンク
|
フリーエリア
|