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>将望スキー様
こんばんは、将望スキー様!
また遊びに来てくださって嬉しいですw
そしてそして、早速の感想ありがとうございます。
元々構想は出来ていたので、さくさくと筆が進んでよかったですw
少しでも喜んでいただけたならとても幸いです。
彼はIQが秀でている天才少年という設定なのです。といっても今後これを使う話があるのかは自分でも少し疑問なのですけど(汗)
周りの気を読むに長けていて、子供ながらにやさぐれています。
それは彼の環境がそうさせた部分もあるのですが、これはいつか書くかもしれない未来設定で登場させたいと希望を抱いています。
といっても予定は未定なのであれなんですけど・・・。
ひらがなで丁寧語の園児ってやっぱり怖いですよね。
ヒノエと弁慶の関係は微妙です。
ヒノエ⇒何だコイツ。マジ鬱陶しいし。笑い方が嘘臭いんだよ。
弁慶⇒これだから子供は嫌です。天邪鬼ですし僕に突っかかってこないで欲しいですね。
こんな感じの感情です。
子供は隠すことを知らないですから、彼らの関係も地味にvsですねw
でも弁慶さんが同じ土俵に上がりたがらないので基本はヒノエくんの一人相撲です(笑)
次は順調に行けば譲君予定ですw
マイペースに更新しますので、また是非遊びにいらしてくださいねww
Web拍手、ありがとうございました!!
こんばんは、将望スキー様!
また遊びに来てくださって嬉しいですw
そしてそして、早速の感想ありがとうございます。
元々構想は出来ていたので、さくさくと筆が進んでよかったですw
少しでも喜んでいただけたならとても幸いです。
彼はIQが秀でている天才少年という設定なのです。といっても今後これを使う話があるのかは自分でも少し疑問なのですけど(汗)
周りの気を読むに長けていて、子供ながらにやさぐれています。
それは彼の環境がそうさせた部分もあるのですが、これはいつか書くかもしれない未来設定で登場させたいと希望を抱いています。
といっても予定は未定なのであれなんですけど・・・。
ひらがなで丁寧語の園児ってやっぱり怖いですよね。
ヒノエと弁慶の関係は微妙です。
ヒノエ⇒何だコイツ。マジ鬱陶しいし。笑い方が嘘臭いんだよ。
弁慶⇒これだから子供は嫌です。天邪鬼ですし僕に突っかかってこないで欲しいですね。
こんな感じの感情です。
子供は隠すことを知らないですから、彼らの関係も地味にvsですねw
でも弁慶さんが同じ土俵に上がりたがらないので基本はヒノエくんの一人相撲です(笑)
次は順調に行けば譲君予定ですw
マイペースに更新しますので、また是非遊びにいらしてくださいねww
Web拍手、ありがとうございました!!
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「あ」
「え?」
唐突に声を上げた友人に、みよは目を瞬かせる。
何か面白いものでも見つけたのだろうか。
悪戯っぽい笑みを浮かべた冬姫は、ちょっと行って来るとみよに声を掛け走り出した。
廊下を走るなど学年主任に見つかれば注意される内容だが、タイミングよく彼はいない。
突拍子なく何をするのかと見物していれば、間もなく彼女の目的が何か判った。
「───桜井琥一」
自分の持つ頭の中の情報ノートを捲らなくとも誰か判る有名人物だ。
むしろ桜井兄弟と言えばこの学校で知らない人物の方が少ないだろう。
物騒な噂が付きまとい本人達もそれを否定しない。
それでも弟の方は朗らかな性格で男女ともに人気が高いが、今見つけた兄はそうではなかった筈だ。
一体何をするのだろうと最近出来たばかりの友人の動向を見守っていれば。
「とう!」
「おわ!!?」
気の抜ける掛け声と同時に飛び上がった冬姫のチョップが脳天に決まり、突然の衝撃に琥一は呆気なくバランスを崩した。
まさか学校内で、それも廊下の真ん中で強襲を受けると思っていなかっただろうに、彼は無様にこけることなく何とか耐えた。
そして殺気立った眼差しでギロリと振り返り自分の視線の先に何もないのに気づくと一つため息を吐き視線を下げた。
(───あぶない)
桜井琥一は危険な人。
何故唐突に友人が彼に攻撃を仕掛けたのか判らないが、彼は無邪気な悪戯を笑って流すタイプではない。
むしろ見知らぬ人間にいきなりあれをやられたら余程心が広い人物でも眉を顰めるだろう。
心が広くない人物であれば、言わずもがなである。
出来たばかりの友人を想い、恐怖に震える体を動かす。
頭の何処かが違和感を訴えたがそれを強引にねじ伏せた。
「バン・・・」
「おい、お前」
「っ!?」
琥一の手が冬姫の頭を掴む。
そのまま握りつぶされてしまうのではないかと身を硬くした時、みよの想像外のことが起こった。
「いきなり何しやがるんだ!」
「きゃー!」
悲鳴が上がる。
いや、それは悲鳴というより、奇声に近いかもしれない。
親に漸く構ってもらった子供が喜びで上げる声に近く、まさかと思いながら目を瞬かせた。
よくよく見てみれば琥一の掌は冬姫の頭を握っているのではなく、置いてあるだけで、わしゃわしゃと乱暴に振られる手の動きにあわせ華奢な少女の首は揺れているが痛めつけようとするものではなかった。
くしゃくしゃになる髪を押さえた冬姫の表情は見えないが、雰囲気はとても親しげで柔らかくすらある。
一体何が起こっているか判らない。
それはみよだけでなく、廊下で光景を眺めていた他の見物人にも共通する想いだろう。
「もう!酷いよ、琥一君!髪がぐしゃぐしゃ!」
「くくくっ・・・この俺にチョップしてこれだけで済んだんだ。ありがたく思え」
「レディーに対してする態度じゃないよ」
「そもそもチョップ自体がレディーのすることじゃねぇ」
テンポ良く繰り出される会話は、彼らの親密度を言外に語っている。
片や見た目も麗しく成績優秀な冬姫。
片や見た目は強面、近所の不良からも恐れられる琥一。
どうみても彼らに共通点はないのに、周りの視線すら気にしないでじゃれあう姿は仲の良い兄妹のようだ。
「んで、何か用だったのか?」
「あ、そうだ。さっきね、琉夏君からの伝言を受けたの」
「何て」
「今日の晩御飯、ホットケーキがいいって」
「───ふざけるなって伝えとけ」
「ええー」
「今日の帰り、サテンで奢るから」
「任せといて」
素早い変わり身だわ、と冬姫の単純さに内心で拍手を送る。
頷いた彼女の頭を最後にぽんぽんと撫でると、琥一は踵を返した。
「約束、忘れちゃだめだよ」
「リョーカイ」
ひらひらと手を振り去っていく琥一を見送ると、再びぱたぱたと駆け足でみよの元に戻ってきた冬姫は何もなかったようにお待たせと微笑んだ。
その笑顔はいつもと変わらず大変に魅力的であったが、今のみよにはそれ以上に魅力的なことがあった。
「ねぇ」
「ん?」
「桜井琥一とどういう関係なの?」
みよの情報ノートに新たな一ページが書き込まれるのは、もう確定していた。
「え?」
唐突に声を上げた友人に、みよは目を瞬かせる。
何か面白いものでも見つけたのだろうか。
悪戯っぽい笑みを浮かべた冬姫は、ちょっと行って来るとみよに声を掛け走り出した。
廊下を走るなど学年主任に見つかれば注意される内容だが、タイミングよく彼はいない。
突拍子なく何をするのかと見物していれば、間もなく彼女の目的が何か判った。
「───桜井琥一」
自分の持つ頭の中の情報ノートを捲らなくとも誰か判る有名人物だ。
むしろ桜井兄弟と言えばこの学校で知らない人物の方が少ないだろう。
物騒な噂が付きまとい本人達もそれを否定しない。
それでも弟の方は朗らかな性格で男女ともに人気が高いが、今見つけた兄はそうではなかった筈だ。
一体何をするのだろうと最近出来たばかりの友人の動向を見守っていれば。
「とう!」
「おわ!!?」
気の抜ける掛け声と同時に飛び上がった冬姫のチョップが脳天に決まり、突然の衝撃に琥一は呆気なくバランスを崩した。
まさか学校内で、それも廊下の真ん中で強襲を受けると思っていなかっただろうに、彼は無様にこけることなく何とか耐えた。
そして殺気立った眼差しでギロリと振り返り自分の視線の先に何もないのに気づくと一つため息を吐き視線を下げた。
(───あぶない)
桜井琥一は危険な人。
何故唐突に友人が彼に攻撃を仕掛けたのか判らないが、彼は無邪気な悪戯を笑って流すタイプではない。
むしろ見知らぬ人間にいきなりあれをやられたら余程心が広い人物でも眉を顰めるだろう。
心が広くない人物であれば、言わずもがなである。
出来たばかりの友人を想い、恐怖に震える体を動かす。
頭の何処かが違和感を訴えたがそれを強引にねじ伏せた。
「バン・・・」
「おい、お前」
「っ!?」
琥一の手が冬姫の頭を掴む。
そのまま握りつぶされてしまうのではないかと身を硬くした時、みよの想像外のことが起こった。
「いきなり何しやがるんだ!」
「きゃー!」
悲鳴が上がる。
いや、それは悲鳴というより、奇声に近いかもしれない。
親に漸く構ってもらった子供が喜びで上げる声に近く、まさかと思いながら目を瞬かせた。
よくよく見てみれば琥一の掌は冬姫の頭を握っているのではなく、置いてあるだけで、わしゃわしゃと乱暴に振られる手の動きにあわせ華奢な少女の首は揺れているが痛めつけようとするものではなかった。
くしゃくしゃになる髪を押さえた冬姫の表情は見えないが、雰囲気はとても親しげで柔らかくすらある。
一体何が起こっているか判らない。
それはみよだけでなく、廊下で光景を眺めていた他の見物人にも共通する想いだろう。
「もう!酷いよ、琥一君!髪がぐしゃぐしゃ!」
「くくくっ・・・この俺にチョップしてこれだけで済んだんだ。ありがたく思え」
「レディーに対してする態度じゃないよ」
「そもそもチョップ自体がレディーのすることじゃねぇ」
テンポ良く繰り出される会話は、彼らの親密度を言外に語っている。
片や見た目も麗しく成績優秀な冬姫。
片や見た目は強面、近所の不良からも恐れられる琥一。
どうみても彼らに共通点はないのに、周りの視線すら気にしないでじゃれあう姿は仲の良い兄妹のようだ。
「んで、何か用だったのか?」
「あ、そうだ。さっきね、琉夏君からの伝言を受けたの」
「何て」
「今日の晩御飯、ホットケーキがいいって」
「───ふざけるなって伝えとけ」
「ええー」
「今日の帰り、サテンで奢るから」
「任せといて」
素早い変わり身だわ、と冬姫の単純さに内心で拍手を送る。
頷いた彼女の頭を最後にぽんぽんと撫でると、琥一は踵を返した。
「約束、忘れちゃだめだよ」
「リョーカイ」
ひらひらと手を振り去っていく琥一を見送ると、再びぱたぱたと駆け足でみよの元に戻ってきた冬姫は何もなかったようにお待たせと微笑んだ。
その笑顔はいつもと変わらず大変に魅力的であったが、今のみよにはそれ以上に魅力的なことがあった。
「ねぇ」
「ん?」
「桜井琥一とどういう関係なの?」
みよの情報ノートに新たな一ページが書き込まれるのは、もう確定していた。
「おかあさん、だーいすき」
にこにこしながら抱きついてきた息子に、かなでは僅かにバランスを崩す。
洗濯籠を動かして視線を向ければ、夫によく似た容姿の彼は、今日は可愛い犬耳の付いた着ぐるみを着ていた。
おはようの代わりとばかりに好きを繰り返す息子に微笑むと、洗濯籠を脇に置きしゃがみ込む。
そして視線を合わせたまま額をこつりとくっつけた。
「お母さんもだーいすき」
ほにゃりと高校時代から全く変わらぬ微笑みを浮かべたかなでに、静もつられてふわりと微笑む。
何と和やかな光景だろう。
暖かで優しいこの場所は、高校生だった自分には想像できなかったものだ。
否、正確に言えば彼女に出会う前の自分だったら、だろうか。
愛しい妻に可愛い息子。
て可愛い娘の着替えを手ずから行いながら、子煩悩な父親になった彼はくすくすと微笑む。
そして爽やかな微笑みを浮かべたままさらりと告げた。
「完璧な家族団らんだと思わないかい?冥加」
「───・・・そうか」
「君が居なければもっと完璧だったんだけどね」
ふふふふと裏も表もありませんとばかりに優しげな笑みを浮かべたまま、刺々しい言葉を静は吐き出す。
慣れたとはいえうんざりするほど直接的な表現に、玲士は重いため息を吐き出した。
「言っておくが俺は来たくて来たんじゃない。貴様のところの人の迷惑を顧みぬ妻に引きずってこられたんだ。これならゴミを捨てに行かなければ良かった」
「・・・へぇ。君、僕の優しい奥さんの気遣いを迷惑って切り捨てるんだ?」
「迷惑以外の何物でもないだろう。朝食など、必要ないのに」
ぶつぶつと文句を垂れる玲士に、笑顔の静の背景に暗雲が立ち込め始める。
可愛い娘のレース付きのスカートとブラウスを調えてから立ち上がると、息子の名を呼びこう告げた。
「冥加のおじさんがお母さんの好意を『迷惑』だって。我が家の優秀な番犬君はどうするのかな?」
「もちろん、かみつくのですー」
「なっ!?」
驚き身を引こうとした玲士は、だが残念にも間に合わなかった。
オーダーメイドのスーツに食いついた子供は、本当に犬のように顔を振る。
「今日のコスプレはワンコなんだ。可愛らしい番犬でしょ?」
「・・・貴様らいい加減にしろ!!」
「ぼくはおかあさんのばんけんなんです!わるいやつにはかみつきます」
再びかぶりと噛み付いた息子の姿に、かなでは慌てふためいた。
だがそんな妻の肩を抱くと、静は鮮やかな微笑みを浮かべる。
「大丈夫だよ」
「何がですか!?」
「───肉は噛まないように言っておいたから」
「っ!!全然大丈夫じゃないですよ!」
ぐしゃぐしゃになったスーツに、意外と子供を叱れない玲士が項垂れるのは僅かな後で、その玲士を慰めようとする娘とすみませんと只管謝るかなでの姿に苛立った彼らが再び玲士を強襲するのはもう日常になった出来事。
にこにこしながら抱きついてきた息子に、かなでは僅かにバランスを崩す。
洗濯籠を動かして視線を向ければ、夫によく似た容姿の彼は、今日は可愛い犬耳の付いた着ぐるみを着ていた。
おはようの代わりとばかりに好きを繰り返す息子に微笑むと、洗濯籠を脇に置きしゃがみ込む。
そして視線を合わせたまま額をこつりとくっつけた。
「お母さんもだーいすき」
ほにゃりと高校時代から全く変わらぬ微笑みを浮かべたかなでに、静もつられてふわりと微笑む。
何と和やかな光景だろう。
暖かで優しいこの場所は、高校生だった自分には想像できなかったものだ。
否、正確に言えば彼女に出会う前の自分だったら、だろうか。
愛しい妻に可愛い息子。
て可愛い娘の着替えを手ずから行いながら、子煩悩な父親になった彼はくすくすと微笑む。
そして爽やかな微笑みを浮かべたままさらりと告げた。
「完璧な家族団らんだと思わないかい?冥加」
「───・・・そうか」
「君が居なければもっと完璧だったんだけどね」
ふふふふと裏も表もありませんとばかりに優しげな笑みを浮かべたまま、刺々しい言葉を静は吐き出す。
慣れたとはいえうんざりするほど直接的な表現に、玲士は重いため息を吐き出した。
「言っておくが俺は来たくて来たんじゃない。貴様のところの人の迷惑を顧みぬ妻に引きずってこられたんだ。これならゴミを捨てに行かなければ良かった」
「・・・へぇ。君、僕の優しい奥さんの気遣いを迷惑って切り捨てるんだ?」
「迷惑以外の何物でもないだろう。朝食など、必要ないのに」
ぶつぶつと文句を垂れる玲士に、笑顔の静の背景に暗雲が立ち込め始める。
可愛い娘のレース付きのスカートとブラウスを調えてから立ち上がると、息子の名を呼びこう告げた。
「冥加のおじさんがお母さんの好意を『迷惑』だって。我が家の優秀な番犬君はどうするのかな?」
「もちろん、かみつくのですー」
「なっ!?」
驚き身を引こうとした玲士は、だが残念にも間に合わなかった。
オーダーメイドのスーツに食いついた子供は、本当に犬のように顔を振る。
「今日のコスプレはワンコなんだ。可愛らしい番犬でしょ?」
「・・・貴様らいい加減にしろ!!」
「ぼくはおかあさんのばんけんなんです!わるいやつにはかみつきます」
再びかぶりと噛み付いた息子の姿に、かなでは慌てふためいた。
だがそんな妻の肩を抱くと、静は鮮やかな微笑みを浮かべる。
「大丈夫だよ」
「何がですか!?」
「───肉は噛まないように言っておいたから」
「っ!!全然大丈夫じゃないですよ!」
ぐしゃぐしゃになったスーツに、意外と子供を叱れない玲士が項垂れるのは僅かな後で、その玲士を慰めようとする娘とすみませんと只管謝るかなでの姿に苛立った彼らが再び玲士を強襲するのはもう日常になった出来事。
心底困ったと眉尻を下げる珍しい兄の表情に、琉夏はこてりと首を傾げる。
時間は昼放課を少し過ぎたばかりの麗らかな午後。
本来なら授業真っ只中の時間帯に、彼は屋上で佇んでいた。
「何してるんだ、コウ?」
琉夏の声に弾かれたように顔を上げた琥一は、決まり悪そうに視線を逸らす。
鋭く舌打ちされたが、残念ながら淡く染まった目元が剣呑さを台無しにしていた。
もっとも、他の輩ならともかく長年付き合っている琉夏は今更琥一のこうした態度にびびることはない。
無造作に歩いて距離を詰めるともう一度同じ問いを繰り返した。
すると渋々ながら顔を上げた琥一は、重い唇を漸く開く。
「見て判んねぇのか」
「───いや、寝てる冬姫に肩を貸してるのは判るんだけど」
「なら、聞く事はねぇだろうが」
照れ隠しで不機嫌そうな表情になった琥一は、眠る少女に気を使い小さな声で話している。
しかも律儀にも日よけの役目をしていて、顔に日差しが直にかからぬよう掌まで翳していた。
さすがお兄ちゃん気質。気が利くなと感心していると、かいがいしい母猫のような彼は、ぼそぼそと話し出した。
「こいつ、昨日寝てねぇんだと」
「夜更かししたの?何で?」
「そんなの俺が知るわけねぇだろう。そもそも理由を聞く前に勝手に寝やがった」
「嫌ならどければいいのに」
「俺が退いたらコンクリートに頭をぶつけるだろうが」
憮然として訴える琥一は本当にお人よしだ。
見た目は怖いが中身は優しい。
外見ではなく内面で人を見る人物は、自分でなく琥一へと流れる。
それは当たり前だが少し寂しい。
彼の膝の上で眠る少女に、そんな打算はないと理解しているのに溢れる寂寥感はどうしようもない。
それに琥一の優しさは誰にでも発揮されるわけではない。
冬姫だからこそ下手に振り払うことも出来ず、強面の奥で混乱している内に好きにされてしまったのだろう。
マイペースな彼女は琥一のペースを乱すのが得意だから。
くすり、と小さく笑うと琉夏は二人へと近づく。
冬姫を挟んで反対側に座ると、眠る少女の肩に首を預けた。
少々無理のある体制だが、眠ろうとして眠れないほどでもない。
「おい、ルカ。冬姫が起きる」
「大丈夫だよ、コウ。冬姫は寝ると決めたら起きるときまで寝てるから」
不思議な言い回しだがこれは明確に少女の特色を現している。
冬姫は寝つきがよく、眠ると決めたら余程のことがない限り目を覚まさない。
かといって寝起きが悪いわけではなく、自分が起きると決めている次官になると自然に目を覚ました。
「俺も少し寝る。冬姫が起きたら起こして」
瞼を閉じれば段々と眠気が募ってきて、くあっと小さく欠伸をした。
頬を擽る風も麗らかな、五月のある日の出来事だった。
時間は昼放課を少し過ぎたばかりの麗らかな午後。
本来なら授業真っ只中の時間帯に、彼は屋上で佇んでいた。
「何してるんだ、コウ?」
琉夏の声に弾かれたように顔を上げた琥一は、決まり悪そうに視線を逸らす。
鋭く舌打ちされたが、残念ながら淡く染まった目元が剣呑さを台無しにしていた。
もっとも、他の輩ならともかく長年付き合っている琉夏は今更琥一のこうした態度にびびることはない。
無造作に歩いて距離を詰めるともう一度同じ問いを繰り返した。
すると渋々ながら顔を上げた琥一は、重い唇を漸く開く。
「見て判んねぇのか」
「───いや、寝てる冬姫に肩を貸してるのは判るんだけど」
「なら、聞く事はねぇだろうが」
照れ隠しで不機嫌そうな表情になった琥一は、眠る少女に気を使い小さな声で話している。
しかも律儀にも日よけの役目をしていて、顔に日差しが直にかからぬよう掌まで翳していた。
さすがお兄ちゃん気質。気が利くなと感心していると、かいがいしい母猫のような彼は、ぼそぼそと話し出した。
「こいつ、昨日寝てねぇんだと」
「夜更かししたの?何で?」
「そんなの俺が知るわけねぇだろう。そもそも理由を聞く前に勝手に寝やがった」
「嫌ならどければいいのに」
「俺が退いたらコンクリートに頭をぶつけるだろうが」
憮然として訴える琥一は本当にお人よしだ。
見た目は怖いが中身は優しい。
外見ではなく内面で人を見る人物は、自分でなく琥一へと流れる。
それは当たり前だが少し寂しい。
彼の膝の上で眠る少女に、そんな打算はないと理解しているのに溢れる寂寥感はどうしようもない。
それに琥一の優しさは誰にでも発揮されるわけではない。
冬姫だからこそ下手に振り払うことも出来ず、強面の奥で混乱している内に好きにされてしまったのだろう。
マイペースな彼女は琥一のペースを乱すのが得意だから。
くすり、と小さく笑うと琉夏は二人へと近づく。
冬姫を挟んで反対側に座ると、眠る少女の肩に首を預けた。
少々無理のある体制だが、眠ろうとして眠れないほどでもない。
「おい、ルカ。冬姫が起きる」
「大丈夫だよ、コウ。冬姫は寝ると決めたら起きるときまで寝てるから」
不思議な言い回しだがこれは明確に少女の特色を現している。
冬姫は寝つきがよく、眠ると決めたら余程のことがない限り目を覚まさない。
かといって寝起きが悪いわけではなく、自分が起きると決めている次官になると自然に目を覚ました。
「俺も少し寝る。冬姫が起きたら起こして」
瞼を閉じれば段々と眠気が募ってきて、くあっと小さく欠伸をした。
頬を擽る風も麗らかな、五月のある日の出来事だった。
>将望スキー様
こんばんは、将望スキー様!
早速のコメント、ありがとうございますww
こちらのSSSにも気づいてくださって嬉しいですw
さて、長年の沈黙を破り漸くSSSとして【清く正しく美しく】を開始いたしました。数年前に書いた設定で書くと思ってなかったのでとても楽しいです。
この調子で大団円シリーズとかも続きを書こうかと思うくらいに調子に乗ってます(笑)
ですがその前に途中で止めていた【海賊達の姫君】シリーズをSSSで再開させたい出です。
遥か熱は大分冷めかかっていたのですが、将望スキー様や他の皆様が温かいコメントを下さり、もう一度頑張ろうと思えました。
本当に、ありがとうございます!
【清く正しく美しく】では将臣とヒノエの三角関係を中心にまだまだ発展予定ですので、少しでも楽しんでいただけたらなと思いますw
勿論始めから仲のいい子ばかりじゃないですし、逆に仲が悪くなるパターンもあったりするんですけど、こつこつ続けていきたいです。
子供ならではの単純なけれど真っ直ぐな感情が書けたらな~と思います。
朔もちょくちょく登場してきますので、楽しみにしてくださいませw
さて、今回はリクエスト通りに黒弁慶さんを登場させて見ました。
いかがでしたでしょうか?
彼の設定は元々こんな感じだったので、話自体はすんなりと出来ました。
この路線はまだまだ彼が素直になるまで続きます。熊野の血筋、素直じゃないですね(笑)
ちなみに話自体は望美がまだ年少組の時のです。
またマイペースに更新しますので是非遊びに来てやって下さい!
Web拍手、ありがとうございました!!
こんばんは、将望スキー様!
早速のコメント、ありがとうございますww
こちらのSSSにも気づいてくださって嬉しいですw
さて、長年の沈黙を破り漸くSSSとして【清く正しく美しく】を開始いたしました。数年前に書いた設定で書くと思ってなかったのでとても楽しいです。
この調子で大団円シリーズとかも続きを書こうかと思うくらいに調子に乗ってます(笑)
ですがその前に途中で止めていた【海賊達の姫君】シリーズをSSSで再開させたい出です。
遥か熱は大分冷めかかっていたのですが、将望スキー様や他の皆様が温かいコメントを下さり、もう一度頑張ろうと思えました。
本当に、ありがとうございます!
【清く正しく美しく】では将臣とヒノエの三角関係を中心にまだまだ発展予定ですので、少しでも楽しんでいただけたらなと思いますw
勿論始めから仲のいい子ばかりじゃないですし、逆に仲が悪くなるパターンもあったりするんですけど、こつこつ続けていきたいです。
子供ならではの単純なけれど真っ直ぐな感情が書けたらな~と思います。
朔もちょくちょく登場してきますので、楽しみにしてくださいませw
さて、今回はリクエスト通りに黒弁慶さんを登場させて見ました。
いかがでしたでしょうか?
彼の設定は元々こんな感じだったので、話自体はすんなりと出来ました。
この路線はまだまだ彼が素直になるまで続きます。熊野の血筋、素直じゃないですね(笑)
ちなみに話自体は望美がまだ年少組の時のです。
またマイペースに更新しますので是非遊びに来てやって下さい!
Web拍手、ありがとうございました!!
更新内容
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