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>>ぴよりん様

こんばんは、ぴよりん様w
また遊びに来てくださって嬉しいですw

二つとも読んでくださってありがとうございます。
実は今日アップした景望も含んで、遙かの2作はお蔵入りしていたものを発掘しました。
新作でないのは心苦しいのですが、喜んでくださって嬉しいです!

気のせいじゃなく、好みにてると思いますw
私も景時さんラブですし、桜井兄弟激ラブですw
その愛し具合からすると、先輩二人を攻略に進めないくらいラブです(苦笑)
なので未だにトライアングル・ラブには先輩二人が出てきません。
あかんと思いつつ、この体たらく。頑張ります!
新名くんの話はかなりヘタレっぽくしてしまったので、また高校生篇でいい思いをさせてあげるつもりですw
その場合は、カレンさんか嵐くんとトライアングルですね★
部活が終わった後に、きっと肩を落として帰ってくるに違いないです。
そして弟や母に突っ込まれればいい。

「あら、どうしたの?」
「兄ちゃん、元気ないな。あ、もしかしてこの間の彼女に振られたとか?」
「あらまぁ。あんたにしては上玉を捕まえたと思ったのに」
「勿体無いな~、兄ちゃん」

みたいな会話があると面白いですよねw
彼らの人となりがわかれば兄弟サンドもやりたいとこです(笑)
またお時間ございましたら、是非遊びにいらして下さい。
Web拍手、ありがとうございました!



>>inu様

こんばんは、inu様w
また遊びに来てくださってありがとうございます。
番外編の音楽家話、心をポカポカしてくださって嬉しいです。
私は基本的に海賊団全員好きですけど、音楽家と船医の話はかなり難産だったので。
といっても、書き始めたら音楽家の方は進みが速く気が楽でした。
この次は本編で鯨篇を出そうかな~と思いますw
マイペースな更新ながら頑張りますので、また是非遊びにいらして下さい。
Web拍手、ありがとうございました!!

拍手[1回]

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零れる吐息は熱を持ち、黒目がちな瞳は僅かに潤む。
長い睫毛に彩られるその目が放つ魔力は著しく琉夏の思考を低下させ、誘蛾灯に引き寄せられる蛾のようにふらふらと引き寄せられる。
色白の頬が桜色に染まり、ぷっくりとした赤い唇がとても美味しそうだった。
近づけば確実に火傷すると判っていても、逆らうには魅力があり過ぎる。

「る、か・・・くん」

普段よりも掠れ、ハスキーになった声が色っぽく、喉がごくりと自然に鳴る。
我慢出来ずに足を踏み出し、伸ばされた自分よりも一回り以上小さな柔らかい手を握る。
すると、安心したように目を細め、嬉しげに彼女は微笑んだ。
ゆっくりと顔を近づけると、彼女の瞼も閉じていく。
互いの呼吸が掛かる距離に近づけば、果実の熟した甘い香がふんわりと漂った。




「って、何してんだお前は!」

側頭部に予期せぬ鈍い痛みが走り、同時に床に転がされる。
繋がれていた手は解かれ鈍痛だけが琉夏に残った。

頭を押さえて床を転がると、無慈悲に背中を踏み潰される。
ぐえっと蛙が潰れたときのような声を漏らした琉夏に、足を乗せた張本人である琥一は容赦なく力を入れた。

「病人相手に発情してんじゃねえよ!ちょっと目を放せばこれか、この馬鹿が!」

小声で怒鳴るという離れ業を披露する琥一を何とか首だけ回して見上げ、へらり、と邪気の無い笑みを浮かべる。
だがそれが気に障ったらしく、足に篭る力を増やされギブギブと掌で床を叩いた。

両手に土鍋と薬を飲む水を置いたトレイを抱えた琥一は、ふんと鼻息荒く息を吐き出すと、最後にもう一度琉夏を踏み潰し冬姫へと向き直る。
床に寝転んだままそれを見送った琉夏は、漸く開放された痛みにほうっと長い息を吐き出した。

「だってさ。冬姫色っぽいんだもん」
「色っぽいんだもん、じゃねえよ。苦しそうに眉根を寄せてるし、息だってこんだけ荒いじゃねえか。汗くらい拭ってやれよ」
「───他のとこも触ってよければやる」
「やめれ。もういい。お前には頼まねぇ。土鍋にかゆが入ってるから蓋開けて冷ませ」
「コウ、手が滑ったとかありがちなネタはやめろよ」
「お前じゃねえよ!!」

唾を飛ばしながら怒鳴る兄から器用に身を離すと、言われたとおりに土鍋の蓋を開け熱を冷ます。
ふうふうと吐息をかけながら琥一の動向を見守ると、一緒に持ってきた冷えたお絞りを手にし、少し躊躇した後顔を拭い始めた。
おっかなびっくり触る手つきは繊細で、見ていて少し面白い。
厳つい顔をした大男が華奢な美少女相手に気を使う様はなんだか甘酸っぱい感じだった。

冬姫の様子を見て僅かに顔を赤らめる兄に眉を寄せるものの、実際は琉夏はその手の内容に関して琥一以上に信じている相手は居ない。
琥一は琉夏と同じくらい冬姫にぞっこん惚れているので、彼女の同意がないと何も出来ないに違いないから。
その辺は要領がいい琉夏としては、もらえるなら貰っちゃえと考えてしまうので兄の方が硬派で堅物なのだろう。
くくくっと喉を鳴らして笑うと、そっと背後から琥一に忍び寄る。

「ねえ、コウ」
「あんだよ」
「こんな風にさ、息を荒げて頬を染めてる冬姫を見るとさ」
「?」
「───あの時を想像しちゃわない?」
「!!?っ、この馬鹿!」

一瞬で首から耳から顔全体を赤く染め上げた琥一は、振り向き様に手にしたお絞りを琉夏の顔に全力で投げつけると、視界を奪われた琉夏が動けずに居る内にその頭に拳を振り下ろした。
ごつん、と脳まで響くいい音がして、琉夏は無言で蹲る。

「いい加減にしろ、この下ネタ男」
「───コウだって言ってる意味すぐ判ったんだから同類だろ。むっつりめ」
「───っ、この!」

再び拳を振り上げた琥一の手を避けると、そのまま冬姫の顔を覗きこむ。

「冬姫、起きてる?」
「こんなに騒いでちゃ、眠れないよ」

囁きで問いかければ、うっすらと瞼が持ち上がった。
目元が桃色に染まって、やはり何とも色っぽい。
正直に反応してしまいそうな己の野生を何とか宥めると、土鍋をトレイごと手にして正座した膝に置く。

「おかゆあるよ。俺が食べさせてあげる。薬飲むために、少しでも食べて」
「うん」

苦しげな息の元、微笑みらしきものを浮かべた冬姫に、琉夏は眉を下げた。
色っぽい冬姫もたまにはいいが、やはり普段の晴れやかな笑顔が好きだ。

「俺の元気を分けてあげるから、早く元気になって。そんで、コウと三人で遊びに行こう」
「・・・うん」
「それまではゆっくりと休むこったな。治るまでは傍に居てやる」
「うん」

いつの間にか隣に座った琥一が苦笑しながら前髪を掻き上げてやれば、子供みたいな無邪気な笑顔を彼女は浮かべた。
不意打ちなそれに二人はぐっと息を呑む。
そして互いに赤くなった顔を見合わせると、そっと小さく笑った。

シックでありながらもそこかしこに女の子らしさが漂う部屋は、三人だけの箱庭だった。
小さな棚の上に飾られた三人の写真が、満面の笑みでこちらを見ていた。

拍手[9回]

>>ぴよりん様

こんばんは、ぴよりん様。
初めまして、管理人の国高と申します。

私のバンビのイメージがぴったりなんて凄く嬉しいですw
気がつけば結構数がある短編たちを一気読みしてくださってありがとうございます。
今日で切り良く三十作目だったのですが、一気読みは大変だったろうと思うとありがたい限りです。
未来捏造は△EDをモチーフに仲良くライバル関係を気づいている彼らの今後のイメージで作ってるんですが、『お色気アタック』に食いついてくれて嬉しいですw
あの作品はとても楽しんで書いたので、楽しんでもらえると気持ちを共有できたみたいな感じがして幸せです。

遙かの景時さん好きなんですか!実は、私のサイト将臣君が溢れてるけれど、景時さん一押しなんですw
うわー、凄い偶然に胸がドキドキしちゃいます。
遙か3は短編はもう再アップくらいしか書かないかもしれないですが、海賊達の姫君シリーズや、清く正しく美しくは続けていきたいなぁと思ってるので、頑張りますねw
あと、気力があれば大団円シリーズも頑張ります!

嬉しいコメントを本当にありがとうございます。
またお時間があれば是非遊びにいらして下さい!!
Web拍手、ありがとうございました!!

拍手[1回]

幸せというのは、割合と何処にでも転がっている。
例えば。
道に咲いた花を見て、幸せだと思う人。
例えば。
朝起きて、一番初めに好きな人の声を聞いたとき。
例えば。
夜空に光る一番星を見つけたとき。

気がつくかきがつかないかの差で、幸せというのは何処にでも転がっているのものだ。


うんっと声を上げながら、景時は伸びをした。
麗らかな日差しの中、先程ベランダに干した布団を見る。
心地よい光を浴びて、布団もさぞかし気持ちがいいだろう。
景時が望美の世界に来てから早一年。
もう、こちらの暮らしにはすっかりと慣れた。
今でも洗濯機には馴染めずに手洗いで洗濯は済ませるが、それ以外は割りと現代の利器にも手軽に扱える。
掃除も好きだし、料理も大好き。
細々とした事が全く苦にならない性格の景時は、毎日が幸せだった。
──否、幸せを感じる余裕が出てきた。
この国には、死という概念が程遠い。
毎日のように自分の手を赤く汚していた景時には、まずそれが驚きだった。
死は常に自分と隣り合わせにあり、自分は守れるものさえ守れれば何時消えてもいいと思っていた。
それが、今ではどうだろう。
穏やかで、暖かい日々。
それはまるで、この春の木漏れ日のように柔らかく景時を幸せにしてくれる。
(──ああ・・・ホント、幸せだな)
景時は頬をほころばした。
ベランダの下、駆けてくる人影は、自分には見間違えようもないもので。
見つめるたびに、景時の胸を熱くする。
不意に足を止めた少女は、景時の視線に気がついたかのように顔を上げた。
真っ直ぐな瞳と視線が絡む。
目を丸くした少女は、次の瞬間には嬉しそうに破顔して、両手を大きく振ってくれた。
叫べば届きそうな距離で、嬉しそうに手を振る彼女の姿に、景時も手を振り返す。
ニパッと笑った彼女が、また駆け出して、自分の住んでるマンションの影に消えていくのを見送ってから、景時は嬉しそうに眉根を寄せた。
それは、とても複雑な表情。
幸せそうで、困ったようで、笑い出しそうで、切ないような。
色々な感情が混ざった表情。
「ああ、もう。本当にどうしよう」
大の大人がするには情けない格好だが、顔を覆ってベランダに背を預ける。
隠し切れない隙間から、赤くなった頬が見えた。
「どうしよう。君を見かけただけなのに。オレはこんなにも幸せになれるんだ」
心底困ったような声。
けれど、嬉しさを隠し切れないそれは正直に景時の心情を伝えていた。
ピンポーンと、軽快な音が響く。
「ああ・・・もう、かっこ悪いな」
赤い頬を少しでも覚まそうと、景時は片手で頬を扇いだ。
それ位で冷えるとは思わないけれど、やらないよりはマシだと思う。
サンダルを脱ぎベランダから部屋に上がる。
しばらく歩いて、部屋の半ばで振り返った。
風に吹かれた布団は、シーツの表面が少しだけ揺れている。
真白なそれは、今の景時の心境のようだ。
何もかもが現れて、暖かい陽の光を浴びて。
優しい何もかもを、どんどんと詰め込まれている感じ。
ふっと、嬉しそうに景時は微笑む。
そして、布団に背を向けそのまま自分を待っている相手の下に向かった。

「おはようございます、景時さん」

その一言だけでも、この上なく彼を幸せにする事が出来る優しい少女を出迎えるために。
穏やかな日常は、夢かと疑いたくなるほどに、優しく景時を包んで放さない。
小さな幸せが一つ一つ積み重なって、大きな大きな幸せになる。
──君と過ごせる日常は、幸せばかりが溢れている。

拍手[4回]

昔々、あるところに。

世界で有数のお金持ちと、そのお邸で働く世界有数の優秀なメイドさんがおりました。

今から語るお話は、そんな彼らの日常の一部。




「ご主人様、起きて下さいまし」

柔らかい声が振る。

優しくて甘くて、何より特別な──。

「ご主人様」

愛しい、人の。

髪に触れるのはメイドとしては越権行為だと注意すべきなのだろうが、許可したのはずっと以前。

触れれば壊れてしまう繊細なガラス器を扱うように、景時に触れるのは世界でただ一人だけ。

泣きたくなるくらいに優しい時間に、瞼を上げるのがもったいなくて。

今日も今日とて邸の主人は、朝の惰眠を少しでも長く貪ろうと努力する。

白魚のような手は、美しいだけじゃない。

働き者の手をしていて、上流階級の娘からは考えられないほど荒れている。

けれど、この掌以上に優しい掌を景時は知らない。

「起きて下さい、ご主人様。今日は朝から会議が入っていらっしゃるのですよね?ご主人様」

彼女の声は、ヒーリング効果があるんだろう。

心地よくて、暖かい。

声に色があるなら、きっと柔らかい暖色系のはず。

「──景時様」

「!!」

呼ばれた名に、思わず身を起こす。

乱れた髪を直す余裕すらなく、済ました顔で佇むメイド服の少女を見る。

黒を基調としたメイド服は、レースを多用したものではなく少女の雰囲気に似合うシックなデザイン。

長い袖の襟には、梶原家の印が入ったボタンが縫い付けられて、巻きスカートのような独特の黒い布は前と後ろで微妙に長さが違う。

アクセントとして所々に白い布をあしらった衣装は、細身の彼女に良く似合う。

年齢以上の落ち着きを感じさせる衣装だ。

「望美ちゃん?」

「どうぞ、呼び捨てになさってくださいご主人様。貴方様は私の仕えるべき唯一の主なのですから」

彼女──望美は、陽射しのような微笑を顔に浮かべた。

美しいと称して何の異論も得ないであろう容貌に、優雅な身のこなし。

料理以外の全ての家事を完璧にこなし、さらに護衛としての働きすら見せる万能のメイド。

そして。

「ねぇ、今──」

景時の、恋する相手。

「オレの名前、呼んでくれた?」

年の離れた相手だということは知っている。

自身の妹よりも年が下で、罪悪感を覚えなかったかと言えば嘘になる。

悩んで悩んで悩みぬいて、けれど捨て切れなかった感情は今でも景時の中でくすぶっている。

朝日の下、綺麗な姿勢で立つ望美は、優美に小首を傾げた。

何をおっしゃっているのですか?と問いかけるように。

有能すぎる彼女の考えを読むのは、いかな世界でも有数の大企業を束ねる景時でも難しい。

何を考えているか判らないとよく言われる、景時の考えはお見通しのようなのに。

悔しい──と言うよりも、面映い。

こんな年下の女の子に、大人であるはずの自分の考えが全て見抜かれてしまっていることが。

惚れたが負けとは良く言ったもの。

「ねぇ、望美ちゃん?」

自然と声が柔らかくなる。

暖かい感情で胸が満たされる。

好きという気持ちをとどめて置けない。

「水のご用意は出来ております。どうぞ、お顔を洗ってください。お茶と、朝食もお運びします」

絶えず笑みを浮かべながらも、言葉はそっけなく。

苦笑を浮かべると、頭をかく。

「あんまり冷たくされると、オレぐれちゃうかも知れないよ?」

「──大丈夫です。私は、私がお仕えするご主人様を。景時様を信じておりますもの」

先ほどまで浮かべていた笑みと違う彩を持つ微笑を浮かべた彼女は、一礼して部屋を出る。

残された景時は、大きな掌で顔を覆うと膝を抱えて蹲った。

体の間に挟んだ掛け布団に顔を埋めると、一人になれてよかったと心から思う。

きっと今の自分は耳まで赤くなっていることだろう。

「不意打ちだよ、望美ちゃん」

名前を呼ばれる。

それだけでなく、信頼していると無条件に、しかも極上の笑みまでつけて言うなんて。

「もう、本当に勝てないなぁ」

情けない笑みを浮かべた彼は、幸せにくすりと笑った。

拍手[5回]

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