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>>ぴよりん様
こんばんは、ぴよりん様w
いつも感想をありがとうございます!
今回の番外編はフランキーにしてみました。
実は残っているから判るかもしれないですけど、彼の創作難産でした(苦笑)
我侭なルフィと、見た目より遙かに大人なフランキー。
フランキーって格好変ですけど、やっぱり大人ですよね。サンジやゾロよりも余裕があって周りを見てますし、言うことも意外とまともだったりします。
彼の信念はとても根強く、格好いいですよねw
そんなフランキーをちゃんと書けてるといいなと思ったので、ぴよりん様に感想頂けて凄く嬉しかったですwww
白ひげ海賊団書きたかったのに、無理でした・・・(涙)
でも何気ない日常風景を書くのが好きなので、それを誉めていただけるのも嬉しいです。
ありがとうございます!
海賊達の姫君シリーズ、我がサイトで連続で話が繋がるものだと一番長いんですよね、地味に。
なのでかなり間隔が開いている創作ですが長さだけはあるので、どうぞゆっくりとご覧下さいw
むしろ読んでくださってありがとうございますw
抽選魔王も、漸く更新できてホッとしています。
しかも本編の続きがかけないのに、何故か番外篇ネタが浮かびオーマイガッと言いながらも箇条書きで文章にしてました(苦笑)
まだ登場していない新キャラ込みの話なのでまだアップは当分先になりそうです。
そちらも含めて、感想ありがとうございますw
まだまだ果てしなく長い感じになりそうですけど、気力で乗り切りますねww
あそこにアップしているのとは違い単純に現代の恋愛話もあるのですが(連作になるだろう長編)、それもいつかアップできたらなと思います。
マイペースなサイトですが、見放さないでやってくださると嬉しいですw
また是非遊びにいらして下さい!
Web拍手、ありがとうございました!
>>ノコ様
こんばんは、ノコ様!
大海賊シリーズの番外篇、読んでくださってありがとうございますw
とても素敵と言って頂けて凄く嬉しいです!
フランキーの話は難産だったのですが、頑張ってよかったと心から思いました。
次はもっとも難しいウソップ話ですが、どうしようかな~と悩みつつ頑張ります。
またお時間ございましたら、是非遊びにいらして下さい!
Web拍手、ありがとうございました!
>>おとま様
初めまして、おとま様!
こんな辺境サイトに何度も足を運んでくださって、本当にありがとうございますw
とてもとても嬉しいです。
そして感想もありがとうございました!
今回のフランキー話は難産だったので、気に入ってくださってありがとうございますw
おとま様にコメントを頂き、久しぶりに空高く・・・の続きを書きました。
最近書いていなかったので勝手がわからなかったのですが、やはりこのシリーズはサンジ君が一番書きやすかったので彼の視点になりました。
ちなみに現在は巨人がいた名も無い島です。戦い後と見てくださると嬉しいです。
本当は戦闘シーンを入れたかったのですが、何故かサンジが主張してその後になりました(苦笑)
またこちらのシリーズも書き始める予定ですので、お時間空きましたらまた遊びに来て下さいませw
Web拍手、ありがとうございました!!
こんばんは、ぴよりん様w
いつも感想をありがとうございます!
今回の番外編はフランキーにしてみました。
実は残っているから判るかもしれないですけど、彼の創作難産でした(苦笑)
我侭なルフィと、見た目より遙かに大人なフランキー。
フランキーって格好変ですけど、やっぱり大人ですよね。サンジやゾロよりも余裕があって周りを見てますし、言うことも意外とまともだったりします。
彼の信念はとても根強く、格好いいですよねw
そんなフランキーをちゃんと書けてるといいなと思ったので、ぴよりん様に感想頂けて凄く嬉しかったですwww
白ひげ海賊団書きたかったのに、無理でした・・・(涙)
でも何気ない日常風景を書くのが好きなので、それを誉めていただけるのも嬉しいです。
ありがとうございます!
海賊達の姫君シリーズ、我がサイトで連続で話が繋がるものだと一番長いんですよね、地味に。
なのでかなり間隔が開いている創作ですが長さだけはあるので、どうぞゆっくりとご覧下さいw
むしろ読んでくださってありがとうございますw
抽選魔王も、漸く更新できてホッとしています。
しかも本編の続きがかけないのに、何故か番外篇ネタが浮かびオーマイガッと言いながらも箇条書きで文章にしてました(苦笑)
まだ登場していない新キャラ込みの話なのでまだアップは当分先になりそうです。
そちらも含めて、感想ありがとうございますw
まだまだ果てしなく長い感じになりそうですけど、気力で乗り切りますねww
あそこにアップしているのとは違い単純に現代の恋愛話もあるのですが(連作になるだろう長編)、それもいつかアップできたらなと思います。
マイペースなサイトですが、見放さないでやってくださると嬉しいですw
また是非遊びにいらして下さい!
Web拍手、ありがとうございました!
>>ノコ様
こんばんは、ノコ様!
大海賊シリーズの番外篇、読んでくださってありがとうございますw
とても素敵と言って頂けて凄く嬉しいです!
フランキーの話は難産だったのですが、頑張ってよかったと心から思いました。
次はもっとも難しいウソップ話ですが、どうしようかな~と悩みつつ頑張ります。
またお時間ございましたら、是非遊びにいらして下さい!
Web拍手、ありがとうございました!
>>おとま様
初めまして、おとま様!
こんな辺境サイトに何度も足を運んでくださって、本当にありがとうございますw
とてもとても嬉しいです。
そして感想もありがとうございました!
今回のフランキー話は難産だったので、気に入ってくださってありがとうございますw
おとま様にコメントを頂き、久しぶりに空高く・・・の続きを書きました。
最近書いていなかったので勝手がわからなかったのですが、やはりこのシリーズはサンジ君が一番書きやすかったので彼の視点になりました。
ちなみに現在は巨人がいた名も無い島です。戦い後と見てくださると嬉しいです。
本当は戦闘シーンを入れたかったのですが、何故かサンジが主張してその後になりました(苦笑)
またこちらのシリーズも書き始める予定ですので、お時間空きましたらまた遊びに来て下さいませw
Web拍手、ありがとうございました!!
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音楽とは、自分の感情を素直に表現する手段の一つだと悠人は思う。
それは今耳にしている音楽で、より一層確信できた。
目の前でチェロを奏でる人は、悠人にとって憧れの人だ。
否、チェロを扱う人間にとって彼に憧れるものは決して少なくないだろう。
作曲家として、チェリストとして、志水桂一は悠人の憧れだった。
今彼が弾いているのは、彼が作曲した曲だという。
彼と同年代の友人達は苦笑しながらその音を聞いているが、悠人は内心平静でいられなかった。
この曲は彼の未発表の曲なのに、悠人はそれを知っていたから。
オケ部で見つけたその曲は、チェロとヴァイオリンの二重奏だった。
甘く優しい弦の音。
いつかかなでと弾きたいと願っていたその曲を弾いたとき、自分はこれほど甘く楽器を歌わせることが出来るだろうか。
譜面で見た時も優しい音だと思ったが、実際に耳にすれば赤面せずに入られない甘い恋の曲だった。
ヴァイオリンの音に追随するチェロの音は、深く優しく柔らかい。
包み込む温かさと焦がれる強さを持つそれは、悠人には些か色気がありすぎた。
先ほど簡単に自己紹介した日野香穂子を、舞台に引きずり上げたのは強引な衛藤でも、気が強そうな土浦でも、子犬のような火原でもなく、テンポが独特な志水だった。
彼曰く、衛藤一人と音を合わせるのはずるい、たまには自分ともあわせて欲しい、と淡々とした、けれど逆らい難い調子で日野の腕を掴むと舞台へと上がった。
そして『僕の曲を奏でましょう』と微笑みかけると、足でリズムを取り徐にチェロを弾き始めた。
為すがままだった日野も、リズムを取られた拍子に咄嗟にヴァイオリンを構えると、そのまま志水の音に調子を合わせる。
曲名を言わずとも当たり前に同じ曲を奏でる彼らの息の合い方に感心すればいいのか、それとも以外と強引な志水に呆れればいいのか。
判断に迷うところだったが、惑いは長く続かなかった。
若くとも彼らは一流の音楽家で、その音はやはり引き込まれずにいられない魅力を持っていたから。
赤面しながら音を聞く悠人に、隣に座っていた人物がくすりと喉を鳴らす。
見上げれば、緩くウェーブした髪を一本で結んだ大人の男が、目を細めてこちらを見ていた。
「凄い赤い顔だな」
「・・・・・・放って置いてください」
笑いを含んだ声にぶっきらぼうに返してしまったのは照れがあるからだ。
金澤と名乗った彼の顔は雑誌でしか知らなかったが、確かオペラ歌手だったと記憶している。
幾年かの空白の時間を過ごした彼が返り咲いたのは、日野たちが有名になり始めてからで、彼ら目当てで買った雑誌に何回か出ている記事を読んだ。
面白おかしく書かれている経歴がどこまで本当か知らないが、少なくとも星奏学院の教師だったというのは本当だったらしい。
オペラにそれほど造詣は深くないが、甘いテノールは確かに聞き心地が良く、歌を歌ったら相当なものなのだろう。
甘い恋の歌もきっと美味く歌うだろう彼は、どこからどう見ても大人の男だ。
からかわれていると感じ、かっと頭に血が昇りそうになる。
だがそんな悠人を見て微笑ましそうにしたかれは、次には淡く苦笑した。
「あの音はお前さんにはまだ早いな。しっとりとして甘ったるい。志水が日野に向ける恋情そのものだ」
「・・・子供だとおっしゃりたいんですか?」
「子供の何がいけない?───俺は、お前さんの若さが羨ましい。昔も思ったが、今は特にな」
「・・・・・・」
「年寄りからの忠告だと思って聞いとけ。若さのままに突っ走るのも、悪くないと思うぞ。青い恋なんて子供の内にしか出来やしないさ。無駄に年を取ると身動きが取れなくなる。分別なんて糞喰らえ、と思ってもな」
苦く笑う彼の言葉は本音に聞こえた。
この甘い恋歌の中で、それはとても不思議な音を持ち悠人の胸へすとんと落ちる。
「胸に留めておきます」
「そうしとけ」
彼の向かう視線の先に居るのは、誰なのだろう。
少なくともこの言葉から恋しく想う人がいるのだろうと察せれたが、大人の彼から想い人までは判断できなかった。
金澤紘人。
声を失くしたオペラ歌手と呼ばれる相手に、悠人は初めて興味を抱いた。
それは今耳にしている音楽で、より一層確信できた。
目の前でチェロを奏でる人は、悠人にとって憧れの人だ。
否、チェロを扱う人間にとって彼に憧れるものは決して少なくないだろう。
作曲家として、チェリストとして、志水桂一は悠人の憧れだった。
今彼が弾いているのは、彼が作曲した曲だという。
彼と同年代の友人達は苦笑しながらその音を聞いているが、悠人は内心平静でいられなかった。
この曲は彼の未発表の曲なのに、悠人はそれを知っていたから。
オケ部で見つけたその曲は、チェロとヴァイオリンの二重奏だった。
甘く優しい弦の音。
いつかかなでと弾きたいと願っていたその曲を弾いたとき、自分はこれほど甘く楽器を歌わせることが出来るだろうか。
譜面で見た時も優しい音だと思ったが、実際に耳にすれば赤面せずに入られない甘い恋の曲だった。
ヴァイオリンの音に追随するチェロの音は、深く優しく柔らかい。
包み込む温かさと焦がれる強さを持つそれは、悠人には些か色気がありすぎた。
先ほど簡単に自己紹介した日野香穂子を、舞台に引きずり上げたのは強引な衛藤でも、気が強そうな土浦でも、子犬のような火原でもなく、テンポが独特な志水だった。
彼曰く、衛藤一人と音を合わせるのはずるい、たまには自分ともあわせて欲しい、と淡々とした、けれど逆らい難い調子で日野の腕を掴むと舞台へと上がった。
そして『僕の曲を奏でましょう』と微笑みかけると、足でリズムを取り徐にチェロを弾き始めた。
為すがままだった日野も、リズムを取られた拍子に咄嗟にヴァイオリンを構えると、そのまま志水の音に調子を合わせる。
曲名を言わずとも当たり前に同じ曲を奏でる彼らの息の合い方に感心すればいいのか、それとも以外と強引な志水に呆れればいいのか。
判断に迷うところだったが、惑いは長く続かなかった。
若くとも彼らは一流の音楽家で、その音はやはり引き込まれずにいられない魅力を持っていたから。
赤面しながら音を聞く悠人に、隣に座っていた人物がくすりと喉を鳴らす。
見上げれば、緩くウェーブした髪を一本で結んだ大人の男が、目を細めてこちらを見ていた。
「凄い赤い顔だな」
「・・・・・・放って置いてください」
笑いを含んだ声にぶっきらぼうに返してしまったのは照れがあるからだ。
金澤と名乗った彼の顔は雑誌でしか知らなかったが、確かオペラ歌手だったと記憶している。
幾年かの空白の時間を過ごした彼が返り咲いたのは、日野たちが有名になり始めてからで、彼ら目当てで買った雑誌に何回か出ている記事を読んだ。
面白おかしく書かれている経歴がどこまで本当か知らないが、少なくとも星奏学院の教師だったというのは本当だったらしい。
オペラにそれほど造詣は深くないが、甘いテノールは確かに聞き心地が良く、歌を歌ったら相当なものなのだろう。
甘い恋の歌もきっと美味く歌うだろう彼は、どこからどう見ても大人の男だ。
からかわれていると感じ、かっと頭に血が昇りそうになる。
だがそんな悠人を見て微笑ましそうにしたかれは、次には淡く苦笑した。
「あの音はお前さんにはまだ早いな。しっとりとして甘ったるい。志水が日野に向ける恋情そのものだ」
「・・・子供だとおっしゃりたいんですか?」
「子供の何がいけない?───俺は、お前さんの若さが羨ましい。昔も思ったが、今は特にな」
「・・・・・・」
「年寄りからの忠告だと思って聞いとけ。若さのままに突っ走るのも、悪くないと思うぞ。青い恋なんて子供の内にしか出来やしないさ。無駄に年を取ると身動きが取れなくなる。分別なんて糞喰らえ、と思ってもな」
苦く笑う彼の言葉は本音に聞こえた。
この甘い恋歌の中で、それはとても不思議な音を持ち悠人の胸へすとんと落ちる。
「胸に留めておきます」
「そうしとけ」
彼の向かう視線の先に居るのは、誰なのだろう。
少なくともこの言葉から恋しく想う人がいるのだろうと察せれたが、大人の彼から想い人までは判断できなかった。
金澤紘人。
声を失くしたオペラ歌手と呼ばれる相手に、悠人は初めて興味を抱いた。
「何でお前はいっつも顔に傷を作るんだ、この馬鹿っ」
苛立たしげに舌打しながら脱脂綿に消毒液を染みらせたサンジは、甲板の上に胡坐を掻いて笑っているルフィの頭を消毒瓶を持った手でべしりと叩く。
ルフィがどうしてぼろぼろなのかは聞いたが、それはサンジを慰める理由にならない。
バロックワークスと言う組織にビビが追われているのは知っていたが、結局サンジだけ顔を見合わせることはなかった。
それ故に戦闘で苦労したらしいナミとウソップに殴りかかられ、ナミの拳を享受したため地味にサンジも傷だらけだ。
ちなみにウソップは蹴り飛ばしたので、ゾロの手当てをしながら怨み辛みを念仏のように唱えている。
辛気臭さに舌打したら、下品にも中指を立てられた。
戦いが終わってからナミとウソップに気を取られている間に、ルフィはゾロを担いで船に戻っていた。
自分だって満身創痍だったくせに、足が切れ掛かっているゾロに消毒液をぶっ掛け火で炙った針で縫いつけていた。
自分についた血を拭うでもなくゾロを手当てするルフィの姿をとてもらしいと思ったが、同時に面白くなく感じるのも仕方ないだろう。
せめて仲間の誰かにどこにいるか伝えてくれてもいいだろうと、散々探し回ったサンジは呼吸を整えながら睨み付けたが、あっさりとごめんの一言で終わらせた彼女はそれ以上言葉を続ける気もないようだった。
モンキー・D・ルフィという少女は決して不公平な人間ではない。
むしろ海軍の大佐である自分を律し、誰かを贔屓しないよう心がけているように見えた。
だが、それでも、とサンジは思う。
ロロノア・ゾロという存在にとってモンキー・D・ルフィが特別であるように、モンキー・D・ルフィにとってロロノア・ゾロは特別だ。
歯軋りしても収まらないほど悔しいが、それを否定できる人間は、少なくともメリー号の上にはいないだろう。
頭から流れる血を水気を含んだ布で拭うと、脱脂綿を押し付ける。
少し強めにすれば、いてぇ、と悲鳴が上がり、いい気味だと心から思った。
本来女性に対するサンジの態度から考えられないくらい横柄なものだが、彼女に対してだけ優しくなりきれない自分を自覚する身としてはこれくらいは許せと涼しい顔で心の内に呟く。
ちなみにビビとナミはゾロの傷を縫っているルフィから目を逸らしつつ、互いで傷を治療しあったのでもう処置をする必要はない。
自分で怪我を治療したウソップにゾロを押し付けたサンジは、傷が浅かったので自身のものは後回しにしていた。
消毒した箇所に包帯や絆創膏を貼っていくとじっとこちらを見ているルフィと目が合う。
「何だよ」
自分でも不機嫌だと呆れるくらいにぶっきらぼうな声が出て、餓鬼かと髪をかき乱した。
そんなサンジの仕草を不思議そうに見ていたルフィは、にっと空気を読まぬ笑顔を浮かべる。
その笑顔にいらっときたサンジだったが、その思いは長く続かなかった。
「サンキュ、サンジ。いっつもありがとな」
そっけない飾り気のない言葉。
だが嘘がない言葉に、怒りが続かなくなるのを感じ、うんざりと息を吐き出した。
目の前の女を他の女と同じに扱えないのに、他の誰より甘くなってしまってるのは気のせいだろうか。
気の所為だと思いたい、と煙草を吸いたく思いながら代わりに脱脂綿を傷口に押し付ける。
漏れる悲鳴に溜飲を下げつつ、天邪鬼な感情を持て余しながら傷を一つ残らず治療していった。
もし痕が残ったら、あの役立たずの剣士の傷口にタバスコを振りかけてやると呟いたブラックジョークは、それを耳にしたナミとウソップとビビには冗談に受け取ってもらえなかった。
苛立たしげに舌打しながら脱脂綿に消毒液を染みらせたサンジは、甲板の上に胡坐を掻いて笑っているルフィの頭を消毒瓶を持った手でべしりと叩く。
ルフィがどうしてぼろぼろなのかは聞いたが、それはサンジを慰める理由にならない。
バロックワークスと言う組織にビビが追われているのは知っていたが、結局サンジだけ顔を見合わせることはなかった。
それ故に戦闘で苦労したらしいナミとウソップに殴りかかられ、ナミの拳を享受したため地味にサンジも傷だらけだ。
ちなみにウソップは蹴り飛ばしたので、ゾロの手当てをしながら怨み辛みを念仏のように唱えている。
辛気臭さに舌打したら、下品にも中指を立てられた。
戦いが終わってからナミとウソップに気を取られている間に、ルフィはゾロを担いで船に戻っていた。
自分だって満身創痍だったくせに、足が切れ掛かっているゾロに消毒液をぶっ掛け火で炙った針で縫いつけていた。
自分についた血を拭うでもなくゾロを手当てするルフィの姿をとてもらしいと思ったが、同時に面白くなく感じるのも仕方ないだろう。
せめて仲間の誰かにどこにいるか伝えてくれてもいいだろうと、散々探し回ったサンジは呼吸を整えながら睨み付けたが、あっさりとごめんの一言で終わらせた彼女はそれ以上言葉を続ける気もないようだった。
モンキー・D・ルフィという少女は決して不公平な人間ではない。
むしろ海軍の大佐である自分を律し、誰かを贔屓しないよう心がけているように見えた。
だが、それでも、とサンジは思う。
ロロノア・ゾロという存在にとってモンキー・D・ルフィが特別であるように、モンキー・D・ルフィにとってロロノア・ゾロは特別だ。
歯軋りしても収まらないほど悔しいが、それを否定できる人間は、少なくともメリー号の上にはいないだろう。
頭から流れる血を水気を含んだ布で拭うと、脱脂綿を押し付ける。
少し強めにすれば、いてぇ、と悲鳴が上がり、いい気味だと心から思った。
本来女性に対するサンジの態度から考えられないくらい横柄なものだが、彼女に対してだけ優しくなりきれない自分を自覚する身としてはこれくらいは許せと涼しい顔で心の内に呟く。
ちなみにビビとナミはゾロの傷を縫っているルフィから目を逸らしつつ、互いで傷を治療しあったのでもう処置をする必要はない。
自分で怪我を治療したウソップにゾロを押し付けたサンジは、傷が浅かったので自身のものは後回しにしていた。
消毒した箇所に包帯や絆創膏を貼っていくとじっとこちらを見ているルフィと目が合う。
「何だよ」
自分でも不機嫌だと呆れるくらいにぶっきらぼうな声が出て、餓鬼かと髪をかき乱した。
そんなサンジの仕草を不思議そうに見ていたルフィは、にっと空気を読まぬ笑顔を浮かべる。
その笑顔にいらっときたサンジだったが、その思いは長く続かなかった。
「サンキュ、サンジ。いっつもありがとな」
そっけない飾り気のない言葉。
だが嘘がない言葉に、怒りが続かなくなるのを感じ、うんざりと息を吐き出した。
目の前の女を他の女と同じに扱えないのに、他の誰より甘くなってしまってるのは気のせいだろうか。
気の所為だと思いたい、と煙草を吸いたく思いながら代わりに脱脂綿を傷口に押し付ける。
漏れる悲鳴に溜飲を下げつつ、天邪鬼な感情を持て余しながら傷を一つ残らず治療していった。
もし痕が残ったら、あの役立たずの剣士の傷口にタバスコを振りかけてやると呟いたブラックジョークは、それを耳にしたナミとウソップとビビには冗談に受け取ってもらえなかった。
あいつと初めて会ったのは、オレが7歳の時。
たまたま、親戚の兄ちゃんの高校の学園祭に呼ばれた日だった。
学園祭なんて、生まれて初めてで、興奮したオレは、走り回って即効で迷子になって。
怒りながら両親を探している間に、小さな協会のを見つけた。
『っく、ひっく』
な、なんだ?
中から聞こえてくる、泣き声のようなものに怯えつつ、好奇心で協会の扉に近づいた。
大きくて、とても開きそうにないと思っていた扉は、少しの力であっけなく開いた。
「ひっ、ううぇ」
扉を少し開けると、その泣き声は余計にはっきりと聞こえて、幽霊かと思ったけど、俺と同じ年くらいに聞こえるその声に引かれて扉をあけた。
力を入れて押してしまったせいで、思ったよりも大きな音をたてたそれに、怯えたようにこちらに問いかける声が響いた。
「誰・・・?」
声の主は、協会のステンドグラスの下に座っていた。
光を浴びて、長い髪をきらめかせるその少女は、らしくねえけどオレには天使に見えた。
ステンドグラスから零れ落ちる光は、淡い光でもって彼女の周りを包み、なんとも言えない幻想感をかもし出していたし、何よりもその少女は今まで見た誰よりも愛くるしく、実際の人間とは思えなかった。
淡い桃色の髪は薄く光をまとい、大きな瞳をこぼれんばかりに見開いている。
唇は淡く色づき、ないていた所為か赤くなった頬と鼻の頭は、彼女をとてもかわいらしく見せていた。
「誰・・・?」
もう一度、問いかけられてあわててオレは返事をした。
「オ、オレは、鈴鹿和馬!!お前は?」
「白川・・・白川、秋姫」
目に涙をためたまま、それでも彼女は律義に返事をしてきた。
彼女が泣いている理由はわからなかったけど、今にもこぼれそうなその涙を止めたくて、オレは彼女の手をひっぱった。
その日一日、オレと秋姫は遊びまくった。
夕方になって、学園祭が終わる頃、俺の両親は見つかり俺はこっぴどく怒られた。
怒られる俺を懸命にかばう秋姫を見て、照れくささと同時にどこかうれしい気持ちもあった。
そうして、家族でもめていると、その学校の生徒らしい男がやってきて、秋姫をしかりだした。
難しい言葉で秋姫をしかるその男の言っている事はほとんどわからなかったが、秋姫に対して酷い事を言っていることだけはわかったので、一発思い切りけりを入れてやった。
「零ちゃん!?」
驚いたように、オレを見る秋姫の手を引いて、両親の静止も聞かずオレは走り出した。
走りながら、オレは秋姫に問いかけた。
「なあ、秋姫。また、会えるよな?」
「うん」
少し驚いたようにオレを見た後、秋姫は満面の笑顔で答えた。
「学校で、また会おうね!!」
意味深な言葉の意味を確かめる前に、『零ちゃん』とやらに追いつかれたオレたちは引き離されて、連絡先を聞く前に引き離された。
秋姫と引き離されて、うちに帰るまで、情けないことにオレは大泣きした。
連絡先も聞かずに分かれた少女とは、もう会うことはないと思っていたから。
次の日、しぶしぶと学校に言ったオレは、驚愕のあまり言葉を失うことになった。
「秋姫!?」
「おはよう、カズ君」
笑顔で挨拶してくる少女は、隣のクラスの有名人で。
後に悪友から聞いたところによると、老若男女に大人気の彼女を知らなかったのはオレくらいのものらしい。
それから、秋姫が引っ越す12歳のときまで、オレたちはずっと親友同士だった。
好きという言葉の意味は、オレの中で形を変えたけど、それでも、これはオレのたった一つの大切な出会い。
たまたま、親戚の兄ちゃんの高校の学園祭に呼ばれた日だった。
学園祭なんて、生まれて初めてで、興奮したオレは、走り回って即効で迷子になって。
怒りながら両親を探している間に、小さな協会のを見つけた。
『っく、ひっく』
な、なんだ?
中から聞こえてくる、泣き声のようなものに怯えつつ、好奇心で協会の扉に近づいた。
大きくて、とても開きそうにないと思っていた扉は、少しの力であっけなく開いた。
「ひっ、ううぇ」
扉を少し開けると、その泣き声は余計にはっきりと聞こえて、幽霊かと思ったけど、俺と同じ年くらいに聞こえるその声に引かれて扉をあけた。
力を入れて押してしまったせいで、思ったよりも大きな音をたてたそれに、怯えたようにこちらに問いかける声が響いた。
「誰・・・?」
声の主は、協会のステンドグラスの下に座っていた。
光を浴びて、長い髪をきらめかせるその少女は、らしくねえけどオレには天使に見えた。
ステンドグラスから零れ落ちる光は、淡い光でもって彼女の周りを包み、なんとも言えない幻想感をかもし出していたし、何よりもその少女は今まで見た誰よりも愛くるしく、実際の人間とは思えなかった。
淡い桃色の髪は薄く光をまとい、大きな瞳をこぼれんばかりに見開いている。
唇は淡く色づき、ないていた所為か赤くなった頬と鼻の頭は、彼女をとてもかわいらしく見せていた。
「誰・・・?」
もう一度、問いかけられてあわててオレは返事をした。
「オ、オレは、鈴鹿和馬!!お前は?」
「白川・・・白川、秋姫」
目に涙をためたまま、それでも彼女は律義に返事をしてきた。
彼女が泣いている理由はわからなかったけど、今にもこぼれそうなその涙を止めたくて、オレは彼女の手をひっぱった。
その日一日、オレと秋姫は遊びまくった。
夕方になって、学園祭が終わる頃、俺の両親は見つかり俺はこっぴどく怒られた。
怒られる俺を懸命にかばう秋姫を見て、照れくささと同時にどこかうれしい気持ちもあった。
そうして、家族でもめていると、その学校の生徒らしい男がやってきて、秋姫をしかりだした。
難しい言葉で秋姫をしかるその男の言っている事はほとんどわからなかったが、秋姫に対して酷い事を言っていることだけはわかったので、一発思い切りけりを入れてやった。
「零ちゃん!?」
驚いたように、オレを見る秋姫の手を引いて、両親の静止も聞かずオレは走り出した。
走りながら、オレは秋姫に問いかけた。
「なあ、秋姫。また、会えるよな?」
「うん」
少し驚いたようにオレを見た後、秋姫は満面の笑顔で答えた。
「学校で、また会おうね!!」
意味深な言葉の意味を確かめる前に、『零ちゃん』とやらに追いつかれたオレたちは引き離されて、連絡先を聞く前に引き離された。
秋姫と引き離されて、うちに帰るまで、情けないことにオレは大泣きした。
連絡先も聞かずに分かれた少女とは、もう会うことはないと思っていたから。
次の日、しぶしぶと学校に言ったオレは、驚愕のあまり言葉を失うことになった。
「秋姫!?」
「おはよう、カズ君」
笑顔で挨拶してくる少女は、隣のクラスの有名人で。
後に悪友から聞いたところによると、老若男女に大人気の彼女を知らなかったのはオレくらいのものらしい。
それから、秋姫が引っ越す12歳のときまで、オレたちはずっと親友同士だった。
好きという言葉の意味は、オレの中で形を変えたけど、それでも、これはオレのたった一つの大切な出会い。
「おい」
「・・・・・・」
「おい」
「・・・・・・・・・」
「・・・お前のタコ様ウィンナー。総悟がガッツリ食ってるぞ」
「なぁにぃ!?私のタコ様ウィンナーを食うなんて不届き千万ネ!月に変わってお仕置きするアル」
がばり、と伏せていた顔を勢い良く持ち上げる。正面に黒髪の硬質な美形。神楽の机に肘をついた男は、うんざりしたように息を吐きながらじっとりとした眼差しを向けている。
「何処アルか!?あのサドガキとっちめてやるネ」
「あー・・・嘘だ」
「・・・は?」
「どんな夢見てたのか知らないが、お前が全然目を覚まさないからな」
「オイィィイ!いたいけな美少女を騙すとは何事アル!慰謝料を請求するネ!酢昆布十年分上納しロヨ!」
「いたいけな美少女を自称すんなら、恐喝なんかしてんじゃねェエ!大体、課題のプリント集めてるのに全然目を覚まさねエお前が悪いんだろうが!」
「・・・課題?」
「おう。昨日出てただろうが。現国のプリント」
「・・・出てたアルか?」
「ばっちりな。あとお前と総悟のだけなんだ。オラ、さっさと出せ」
「・・・・・・グー」
「ッ。寝たふりしてんじゃねェぞ、コルァ!」
姑並に五月蝿い男の声をBGMに、神楽の意識は再び沈んだ。
「・・・・・・」
「おい」
「・・・・・・・・・」
「・・・お前のタコ様ウィンナー。総悟がガッツリ食ってるぞ」
「なぁにぃ!?私のタコ様ウィンナーを食うなんて不届き千万ネ!月に変わってお仕置きするアル」
がばり、と伏せていた顔を勢い良く持ち上げる。正面に黒髪の硬質な美形。神楽の机に肘をついた男は、うんざりしたように息を吐きながらじっとりとした眼差しを向けている。
「何処アルか!?あのサドガキとっちめてやるネ」
「あー・・・嘘だ」
「・・・は?」
「どんな夢見てたのか知らないが、お前が全然目を覚まさないからな」
「オイィィイ!いたいけな美少女を騙すとは何事アル!慰謝料を請求するネ!酢昆布十年分上納しロヨ!」
「いたいけな美少女を自称すんなら、恐喝なんかしてんじゃねェエ!大体、課題のプリント集めてるのに全然目を覚まさねエお前が悪いんだろうが!」
「・・・課題?」
「おう。昨日出てただろうが。現国のプリント」
「・・・出てたアルか?」
「ばっちりな。あとお前と総悟のだけなんだ。オラ、さっさと出せ」
「・・・・・・グー」
「ッ。寝たふりしてんじゃねェぞ、コルァ!」
姑並に五月蝿い男の声をBGMに、神楽の意識は再び沈んだ。
更新内容
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(06/28)
(04/07)
(04/07)
(04/07)
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