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【復活】

しんかポケモン -ミナライ- :
タイプ:ノーマル


ぼすポケモン -チェーリ- :綱吉
タイプ:ドラゴン、エスパー
性格:おくびょう
個性:にげるのがはやい
とくせい:しぜんかいふく、シンクロ、スキルリンク

【説明】
しんかポケモンミナライからの進化系。未だになぞが多くその進化のパターンは解明されていない。ただミナライから進化する割合を考えてもチェーリになるのは一万匹に一匹と言われている。チェーリが一匹居れば、守護ポケモンと呼ばれるテンペスタ、ピオッジャ、ヌーヴォラ、セレーノ、ネッビアが自然と集まってくる。


はやてポケモン -テンペスタ- :隼人
タイプ:でんき
性格:さみしがり
個性:ちのけがおおい
とくせい:でんきエンジン、ふくがん

【説明】
しんかポケモンミナライからの進化系。嵐の夜カミナリの石を持たせることで進化する。このポケモンは嵐の如く攻撃性を持つものが多く、傍にチェーリが居れば彼のために率先して戦いを始める。また頭が良く、人の言葉をよく理解するが自分が認めた相手以外の言葉は無視する。


むらさめポケモン -ピオッジャ- :武
タイプ:みず、はがね
性格:れいせい
個性:のんびりするのがすき
とくせい:よびみず、せいしんりょく

【説明】
しんかポケモンミナライからの進化系。雨の夜にりゅうのウロコを持たせてレベルアップさせることで進化する。このポケモンは戦闘能力が高いものが多く、冷静で聡いものが多い。一生に一度だけ全てを捧げ仕えるべきチェーリを選択する。だがその理想ゆえにチェーリの隣に並ぶピオッジャを見ることは稀である。


うきぐもポケモン -ヌーヴォラ- :雲雀
タイプ:かくとう、エスパー
性格:きまぐれ
個性:まけずぎらい
とくせい:かたやぶり、すりぬけ

にちりんポケモン -セレーノ- :了平
タイプ:ほのお、かくとう
性格:のうてんき
個性:からだがじょうぶ
とくせい:がんじょう、こんじょう

げんえいポケモン -ネッビア- :骸
タイプ:ゴースト、ひこう
性格:ずぶとい
個性:ぬけめがない
とくせい:かげふみ、トレース


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>>はちみつゆず様

こんばんは、はちみつゆず様!
いつもコメントありがとうございますw
今回は黒火原さんです。
漸く彼を出せてホッと一息です~。
次はいよいよ空気のようだった彼を登場させる予定です。
本当に予定ですけど、出せたらいいな~なんて地味に頑張ります!
そろそろ出てくれないと、本当に話が変わっちゃいそうなので、気合入れますね!

金やんと火原さんの話も気に入ってくださってありがとうございます!
また是非遊びにいらして下さいw
Web拍手、ありがとうございました!


>>木葉様

こんばんは、木葉様!
ついに連載再開されましたね!
もう本当に待ち望んでいたので、きゃー!って奇声を上げそうでした。
ウン年ぶりにWJ買ってしまいましたよ、本当に。
ワンピ、侮り難しデス。

皆さん着実に成長されてましたよね!
ブルックよ、お前はどこに行くと変貌振りに笑いました。
見た目じゃなく中身がロックンローラーになってましたよ、彼!
他の面々も少しずつの変化が与える印象が大分違って、ちょっとの変化でもこんなにイメージ変わるのかと私は感心しました★
そしてあのロビンに何より驚きました。
チョッパーじゃないですけど、ロビン怖っ!激しい、激しすぎます!

続きがまたしても気になりますよねw
素直すぎるチョッパーがこの後どうなるのとか、あの不細工な贋物はゾロ登場後潰すのかなとか胸が躍ります!
早く来週になって欲しいものですw

また是非一緒にお話しましょうw
Web拍手、ありがとうございました!


お返事不要とされた方も、心温まるコメントをありがとうございます!
これからも頑張りますので温い目で見てやってください!
本当にありがとうございました!

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角ルキで5題
国高的お題より


■1:なんか苦手だ

「おや。斑目三席じゃありませんか」

にこり、と釣り目がちの瞳を細めて上品な猫のように笑ったルキアに、一角はぎしりと動きを止める。
今日は非番なのか死覇装ではなく、臙脂に小花柄が描かれた小袖姿の彼女は、珍しく今日は一人だった。

「おう・・・阿散井の奴は?」
「さあ?あやつは仕事じゃないでしょうか」

こくりと首を傾げたルキアに、見えない角度で舌打した。
目の前の少女にぞっこん状態の彼がいれば、まだ何かが緩和されるのに、二人きりの空気の居心地の悪いこと。
一体彼女の何がここまで一角を居た堪れない気持ちにさせるのか判らないが、四方八方に視線を逸らしながら何を話せばいいのかと話題を模索する。
しかし朽木の令嬢であるルキアが好みそうな話題など一角も知る筈がなく、最終的にはこの場に居ない恋次に心の中で八つ当たりを始めた。
そんな一角の焦りを知っているのかいないのか。
絶対に気付いてる気がするが、貼り付けたままの笑顔を向けるルキアに冷や汗が流れ始めた。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

沈黙が痛い。そして貼り付けた笑顔も痛い。
どうすればいい、何をすればいい、と焦れば焦るほど頭が真っ白になり考えは空回り。

「・・・あの、よ」
「はい」
「何か、用か?」

思い切って聞いてみる。
虚を前に戦うより余程覚悟を決めた質問に、ルキアは殊更笑顔を深めた。

「用は何もありません」
「ああ、そうかよ!!」

緊張していただけに、色々な意味で拍子抜けした。
その分苛立ちが募り、ふんと背を向け歩き出す。
何で苛立つかなんて、そんな理由は知りたくない。


■2:この頭は禿じゃねぇ!

「いい加減にしろよ、この腐れ幼馴染どもが」

現世の店に仲睦まじい幼馴染に、唾を飛ばして一角は怒鳴った。
この見た目も中身も凹凸コンビは、何故か無性に息が合う。
それは彼らが幼い頃を共に暮らしたからだろうし、きっともともとの価値観などが似ているのだろう。
片方は熱烈にもう片方に想いを抱いてるのを知っているが、想われる相手は欠片も自分を見せないので発展してるのかしていないのかすら判らない。
一角自体は恋だの愛だのに今は興味はないが、人の恋路を引っ掻き回すのは好きだった。
もっとも、目の前の二人組みは引っ掻き回す必要もないくらい前進がない子供だったが。

見た目はともかく中身の年齢が低い彼らは、何故か揃って一角に懐いている。
恋次は昔稽古をつけてやっていた師弟関係と、先輩後輩としての関係があるから判るが、ルキアは一体何なのだろう。
幼馴染が懐いているから釣られてしまっているのだろうか。
いや、もうそれはどうでもいいが、彼らの感性をどうにかして欲しい。

「だからこの頭はハゲじゃねぇ!剃ってんだよ!ブッちぎり迷走コンビが!」

唾を飛ばしても何を言われてるか判らないとばかりにきょとりとした顔をした幼馴染達は、不思議な生き物をみるように一角を眺めた。
その手に握られた物体にでかでかと書かれた文字に、全力で意を唱えさせてもらう。

「育毛剤なんて必要ねぇんだよ、俺には!」


■3:勝てない。オレより弱いくせに!

「それで?」
「それでって、だから・・・」

思わず言葉に詰まる。
何故か学校帰りに捕まって連れ込まれたゲームセンター。
UFOキャッチャーなるものをプレイさせられる一角は、何故こんなことをさせられるのか判らない。

気がつけば現世で使える貨幣がどんどんと消費され、すでに残りはワンコイン。
ちなみに隣で見ているだけの彼女の財布から中身を拝借するどころか、その姿すら見ていない。
何度考えてもこの状況が理解できず、首を傾げるどころじゃない。
やばいくらいに流されている。

大体、目の前のウサギのぬいぐるみなど一角は欲しくないのだ、そもそも。
チャッピーによく似た顔立ちのウサギは、一角の感性では可愛いといえない。
むしろ地味に不細工だと思う。
山積みになったウサギの大群の中の、さらに一番大きいサイズをとるのは無理に決まっている。
大体先ほどから引っ掛かるたびに、アームが揺れて落ちているではないか。
これはそもそも取れるようになっていないのだ。

不平不満を全力で訴えると、輝かしい笑顔を浮かべたルキアが一言仰った。

「それで?」

言い訳は終わりかと言外に問う彼女に、また言葉が詰まる。
結局何を言えばいいか判らず、視線を彷徨わせ見かけた店員を捕まえた。

「すんません、これ取れないんで移動してください」

取りやすい位置に移動したそれを、今度外したらどうすればいいのだろうと、過った不安は黙殺した。


■4:おや?私を誰だとお思いですか?

「それで、ここは何なんだ」

いかにも格式ばった手紙を受け取り、差出人の名前に嫌々渋々出かければ、指定の場所は貴族御用達と門前に書いてありそうな料亭だった。
同じように手紙を持ってぽかんと間抜け面を晒していた後輩を前に、帰ってしまおうかと踵を返せばえらい勢いで肩を掴まれた。
自分より余程体格のいい男は、捨てられた子犬のような眼差しで必死に見詰めてくる。
置いていくなと全力で訴えるヘタレに、心の底からドン引きしながら仕方なしに中に足を踏み入れた。

見た目も格式ばっているなら、中身も格式ばっていた。
正直着流しの一角と恋次は浮きに浮いている。
空気読めと屋敷全体から圧力をかけられている気がする。
擦れ違う女中は教育されているらしく何も言わずに視線を逸らすが、むしろ何か言われるより居た堪れない感じだった。
案内を断ったが、口で聞いただけでは確かに迷いそうだと記憶を掘り起こし歩を進めれば、母屋から渡る廊下が見つかり、離れへと続いている。

「おい・・・まさか、あれか?」
「あれだと思います」

今になってこの後輩が一人で行きたくないと思う気持ちが理解できた。
明らかに特別待遇なその場所から伝わる霊圧は肌にびんびん伝わってくる。
戦場なら喜んで刀を抜くが、挑むには分が悪い相手でもあった。

「何で朽木隊長が居るんだよ」
「ルキアが、隊長に頼んだそうです。現世で日頃世話になっている相手をもてなしたいって言ったらしいんすけど、そしたらここを貸切にしてくれたらしくって」
「・・・なるほど。やっぱ俺帰っていいか?」
「ここまで来てそれはないっす!」
「だってよ、朽木隊長の霊圧半端ないぞ!?お前、あれ怒ってんだろどう考えても!お前がルキアちゃんに手を出そうとしてんの気付いてんだろ!」
「可愛い後輩見捨てて逃げようったってそうは問屋がおろさねぇぞ!大体隊長のあれはルキアに近づく全ての男に等しく降り注ぐ怒りだ!あんたを連れてかなきゃ本気で俺が殺されるんだよ!」
「テメ、先輩売る気かコラ!」
「一人で千本桜喰らって堪るか!先輩だろうと師匠だろうと関係ねぇよ!道連れだ!」

ギャーギャーと喚いていたら、離れの扉がすっと開いてしずしずと人影が近づいた。

「・・・うるさいぞ、戯け者が」

着飾られたルキアは精巧な人形のように麗しかったが、笑顔に込められた棘はざくざく二人を抉った。


■5:正反対の二人。接点は一瞬

「考えてみたら、俺たちの接点てないに等しいんだよな」

誰かさんの髪の色を髣髴とさせる夕日に照らされた校庭を、並んで歩く三人を眺めながらぽつりと呟く。
放課後の教室はもう人の気配はほとんどせずに、一角が今居る教室も相方以外は帰ってしまった。

「どうしたのさ、今更」
「どうしたんだろうなぁ」

大小の影を作って帰る彼らは、じゃれ合う子犬のように近づき離れを繰り返す。
少しだけ意地の悪い顔で笑うルキアを真ん中に、左隣に口を窄めて憤る一護、右隣にそれを苦笑して宥める恋次と見事な凹凸を作り出している。
どちらの髪色が派手で目立つ存在らしく、声を掛けるものは居ない。
ルキアはこの学校で猫を被っているのだが、彼らの前では一切取り繕わない笑顔を浮かべていた。
心配そうな表情で周りが様子を伺っているなど気付いていないらしい。
それはそうだろう。
一見いかにも不良の一護と恋次に挟まれるルキアは品の良いお嬢さまにしか見えない。
実際は彼らに劣らぬほど言葉遣いは荒く男前な性格をしているが、見目だけでは判断がつかないだろう。
二人が怖くて間に入れないのか知らないが、結構な数の男が視線を向けていた。

「何て言うかさ、俺らって本来なら接点がねぇだろ」
「・・・誰と?」
「ルキアちゃんだよ。阿散井は四十年以上も追い続けた幼馴染で、一護は死神の力を分け与えた恩人。でも俺らは違う。俺と阿散井は師弟関係だ。俺と一護はダチだ。けど、俺とルキアちゃんは、接点なんかねぇよな」
「・・・・・・」

考えてみると不思議な関係だ。
一角が直接関係を持つのは恋次と一護なのに、いつの間にかルキアと二人で接する時間が増えていた。
ルキアは恋次の想い人だ。
何度死に掛けようと執念で追い続けた、馬鹿みたいに純粋な想いを捧げる相手だ。
ルキアは一護の恩人らしい。
家族を助けるために死神の力を譲渡してもらい、そして攫われたルキアを命がけで助けに来る程度に思い入れを持っている。
それが恋情か単なる恩義か、突っ込む気はないが特別には違いない。
だが、一角と親しい二人はルキアと繋がりがあっても、一角とルキアは不思議なほど繋がりがない。
友達の友達は友達と考える思考の持ち主ではないし、むしろそりゃ他人だと自分でも思う。

けれど、どうしてなのだろう。
偶に見せる寂しげな笑顔を放っておけない。
金持ち連中に囲まれ、取り繕った笑顔で佇む姿を放っておけない。
小生意気な笑顔で生意気そのものの意見を述べる小娘を、何だかんだで放っておけない。
純粋に可愛いなんて思えないし、特別な絆も持ってないのに、何故だか放っておけないのだ。

「上品なお嬢さまの相手なんて疲れるだけなのにな」

ぽつり、と呟いた声は、思ったより響いた。
理由は判らないし、判りたくなんてない。

現世に派遣されたという事項以外接点一つ見つけれない小娘を、ただ視線が追い続けた。
近くも遠くもないこの距離は、とても居心地が良いと認めたくなかった。


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*ルフィたちが海賊王になった後の設定です。



海賊王。
そう呼ばれる男が率いる海賊団にはずば抜けた金額を持つ賞金首の幹部たちが勢ぞろいしている。
個性的で、強くて、勇敢で、信念を持っている。
誰もかもが一級品の腕を持ち、若くして名声と富を手に入れた。





「私も安く見積もられたものよね」

目の前に山と詰まれた財宝を眺め、ナミは猫の呼び名に相応しい笑顔を浮かべた。
世間に広まる手配書と同様、彼女の宝好きは広まっている。
痛い目を見る覚悟があれば、彼女と取引すら出来る手段だ。
何しろ泥棒猫のナミは海賊王の船の中でも大きく幅を利かせる存在。
麦わら海賊団の頭脳の彼女を篭絡すれば、海賊王を動かせるとすら噂される女。
彼らの関係は男と女のものであるか、そうでないのか。
それを知る人間は彼らの仲間のみだろうが、少なくとも海賊王がナミを大事にしているのは事実だった。

「すまねぇ、安すぎたか?」

机の上に広げられた黄金はそれだけでひと財産だったが、表情すら変えず余裕を保つ相手には足らなかったのか。
引き抜きの交渉をしていた海賊船の船長は、背中に汗を掻きながらそれが相手に伝わらないよう笑顔を浮かべる。
若輩の女相手に随分と媚びたものになったそれを睥睨するように眺めたナミは、机を指で叩いた。

「ええ、そうね。私を引き抜きたいなら、この三倍は用意してくれなきゃ。それとも、そのくらいも出来ないで私を引き抜くつもり?」

楽しげに告げてグラスの酒をゆっくりと飲み込む。
腰に届くほどの癖のあるオレンジ色の髪が揺れる。
抜群のスタイルを惜しげもなく晒したショートパンツにノースリーブと挑発的な格好で、ナミはまさしく猫のように気紛れに振舞った。

泥棒猫の本職を航海士と知る人間はごく一部だ。
海賊の間でも海軍の間でも共通して流れる低俗な話題では、彼女ともう一人の女クルーは、その見目の麗しさから海賊王の慰み者と噂されるが、実態は違う。
泥棒猫の正体は超一級の航海士だ。
海賊の中でもその真実を知るごく一部のものは、見目の麗しさも相俟って彼女を欲しがる。
今、場末の酒場で交渉している彼も、その内の一人だった。



「・・・あのクソ野郎!ナミさんに色目使いやがって!!」
「しししっ、サンジはそればっかだなー」

黒足と名高いコックのサンジと、今日は麦藁帽子をロビンに修理してもらうために船に置いて来た海賊王のルフィは、ナミが交渉している席から死角になる場所で様子を見物していた。
サンジは苛々しながら煙草を凄い勢いで消費しているし、その正面では愉快そうにしているルフィがえらい勢いで肉を消費している。
積み上げられた皿はすでに身長を超え、そのルフィの様子にすらサンジは苛立つ。

「お前な、船で晩御飯の準備してんのに食えんのか?」
「ったりめーだ。サンジの料理は別腹!世界一美味いもんな!」
「・・・食えるならいいんだけどよ。言っとくが、残すなよ」
「当然だ。おれがお前の料理を一度でも残したことがあるか?」
「ねぇな。食い意地だけは張ってんもんな、お前」

しししっと笑う彼の額を指先で弾くと、いてえぞと文句を言われた。
少しだけ気分が上向く。ルフィはとんでもなく大喰らいで食い意地が張っているが、コックとして最高の相手だ。
出したものは何でも残さず平らげ、尚且つ本当に美味しそうに食べる。
不味ければ不味いとはっきり言うが、未だにサンジはその一言をもらったことはない。
『サンジの料理が世界一』と誰彼構わず口にするのは恥ずかしいが喜ばしい。
擽ったい気持ちを誤魔化すために紫煙を燻らすと、反らした視線の先でとんてもない光景が映った。

「んな!!?」
「おお、勇気ある男だな!ナミの手握ってる」
「許せん!あの男、殺す!!」
「今出てったらナミに殺されるぞ~?手に入るだけせしめるっつってたし」
「殺されてもいい!ナミさんに触れる男を殺して、おれはナミさんに悩殺される!」
「ししっ、サンジは馬鹿だな」
「お前には言われたくねぇ!」

ずべし、と全力でチョップする。
皿に顔面を強打しながらも、彼は食べかけの肉を決して離さなかった。
大した根性だ。しかし、やはり馬鹿は馬鹿だ。

「・・・あんたたち、五月蝿すぎるんだけど」
「んナミさん!!」

めろりん、と振り返れば、呆れた眼差しのナミが腰に手を当てて立っていた。
年を経るごとにいい女になるナミに、サンジの心は釘付けだ。
ハートを飛ばすサンジをあっさり無視すると、麦藁帽子の代わりにパーカーを被るルフィに視線をやると肩を竦める。

「交渉決裂。あ、でもあのお宝は私の時間を浪費した代償にもらっていきましょ」
「お前って感心するほどあこぎだよな」
「・・・あんた、よくそんな言葉知ってたわね」
「この間ロビンの聞かせてくれた童話にあった。何か名作劇場シリーズらしいけど、なんも報われない話だったぞ!義理の親があこぎだったんだ」
「ふーん。何か、意味は判ってなさそうだけど、あんたにしては凄いわね」
「だろっ。そんで、あのお宝は持ってくのか?」
「ええ。結構な量だからあんたたち二人で手分けしてね。落としたりしたら殺すわよ」
「んー、いいけど何か買ってくれ。肉がいいな、肉!」
「あー、はいはい。一塊だけよ」
「ちょっと待てぇ!!」

話すルフィとナミの間に入ったのは、先ほどまでナミと話をしていた男だった。
手配書で見たことがあるような気がするが、サンジよりは賞金額は少ないだろう。
ナミの本職を知るからにはそこそこ有能な海賊団の一味だと思うが、彼らは決定的な思い違いをしていた。
席を立ち上がると、ナミを庇うために前に立つ。
いきり立った目で睨まれたが、生憎その程度で怯む経験の積み方ではない。
頭のねじが数本飛んだ海賊王と旅をしていれば、度胸くらい嫌でも身につく。

「この女っ、おれをコケにする気か!」
「コケに?何で私が」
「そうだろうが!『あんたに私は釣り合わない』ってどういう意味だ!」

唾を飛ばして訴える男に、サンジは何があったかを理解できた。
搾り取れる鴨を前にナミが席を立ったのは、きっと彼女の逆鱗を逆なでする『何か』を彼が口にしたからだろう。
彼が何を言ったか知らないが、その逆鱗の在り処は同じクルーとしてサンジははっきりと悟れる。
彼らの逆鱗は、共通点では『ルフィ』に関することのみだ。
それぞれ違うプライドを持つが、それだけは共通していた。

「そのままの意味よ。あんたじゃ私に釣り合わない。私を誰だと思ってるの?」
「んだと、このクソ女!」

咄嗟に武器に伸びた手を蹴り飛ばし、ついでに踏み込んだ勢いを利用して男を壁際まで吹っ飛ばした。
ざわり、と空気が揺れる。男を蹴り飛ばした瞬間に席を立った人間が幾人もいて、この店の客の大多数が彼の仲間だと漸く悟った。
しかしだからといって何も気負うことはない。
周りを囲われため息を吐くと、この状況でも食事を続けるルフィに声を掛けた。

「おい、ルフィ。お前いつまで食ってんだ?」
「これで最後だ!にしても美味いな、この料理。サンジ、これ帰ったら作れるか?」
「んー・・・ま、大丈夫だろ。ああ、皿舐めるな!外でするな、恥ずかしい!」
「・・・貴様ら、おれたちを馬鹿にしてるのか!?」
「はぁ・・・面倒ね。説明しなきゃ判らないなんて」

肩を竦めると、未だに肉を咀嚼しているルフィの襟首を掴んで立たせたナミは、彼のフードをむんずと引っぺがす。
扱いは酷いものだが慣れてるルフィは抵抗せず好きにさせ、ナミは彼を体の前に突き出した。

「私は海賊王の航海士よ?その意味が理解できてるの?」
「・・・超一流の航海士ってことだろう」
「ええ、そう。私は一流の航海士じゃなくて、超一流の航海士なの。海賊王がどこにでも行けるよう、超一流になったの」
「だから、あんたの腕はそこで終わらせるには勿体無いって・・・」
「私の将来をあなたが決めないで」

怒りで瞳の色を濃くしたナミは、頬を赤らめて言い放った。
屈辱に燃える顔は美しく、きつい口調は誇りに満ちている。
か弱い女が相手だと思っていた男は息を呑み、ナミはルフィの隣に並んだ。

「私の飼い主になるですって?私はルフィの航海士よ。彼が行きたい場所のどこにでも船を進めれるように技術を磨いたの。幾らお金を積まれても、誇りを売るつもりはないわ。私はルフィの船を進めるの。あんたじゃ私に釣り合わないわ」
「ヒュー」

思わず口笛を吹き鳴らす。
潔い啖呵は痺れるほどに格好いい。さすがサンジが見込んだ女だ。
見た目も中身も極上品。彼女はサンジの誇りだった。
もっとも、彼女はサンジをちらりとも見ることはない。
彼女の視線はいつだって一方向に向かっていて、逸らされることはないのだから。
唯一残念なのは男の趣味だと言いたいのに、ルフィは彼が知る誰よりも格好いい男だった。
超絶悔しいし認め難いが、男であるサンジが惚れ込むほど、いい男なのだ。

ナミの啖呵を嬉しそうに聞いたルフィは、隣に居るナミの肩を抱くとしししっと笑った。
酷く満足気に頷く姿に、ひっそりと眉を顰める。
ルフィは馬鹿だが馬鹿じゃない。
彼は本能でナミが自分のものだと理解している。
骨の髄まで自分のものだと理解して、欠片も手放す気はないのだ。
子供と同じ無邪気さで、彼は傲慢さを振りかざす。
生まれながらの王様なのだ、モンキー・D・ルフィは。

「最高だ、ナミ。お前、格好いい」
「当然よ」
「しししっ、何てったって『おれの』航海士だもんな!」

昔より体だけは成長した男は、女を独占して甘く笑う。
精悍な顔つきで、とても愉快だと幸せそうに。

「聞いたろ?ナミはおれのだ。おれのために船を進める『航海士』なんだよ。世界一凄い腕を持つ、最高の女だ」
「・・・か、い、賊王だと?」
「超一流の腕はおれの船を進めるために努力してくれたものだ。おれは航海士を、仲間を手放す気はねぇよ」

そうして彼は、笑顔のまま静かに覇気を纏う。
空気が変わったと肌で感じた瞬間に、その場の男たちが次々と気絶を始めた。

「おれの仲間に手を出すな。ナミはおれの航海士だ。こいつがいねぇとおれの船が進まない。奪う気なら、覚悟して来い」

ナミの命令通りに机の上の財宝を布に纏めて背負うと、店を出る瞬間に彼は後ろを振り返る。

「覚悟はいるが、奪う価値がある女だぜ、こいつは」

誇らしげに告げたルフィの死角で、ナミが一気に顔を赤らめた。
可愛いや綺麗を聞き慣れた彼女の初心な反応にサンジは苦笑する。
普通の誉め言葉より破壊力があるのだろう。
サンジの賛美には欠片も照れや恥じらいを見せないのに、この差は何だと訴えたいが、誰に訴えればいいか判らない。
何せサンジもナミの気持ちは判るのだ。
臆面もなくルフィに同じ台詞を吐かれれば、サンジとて赤面するだろう。
だから悔しさを堪えると、せめてもの情けでルフィとナミの間に入り込み壁となる。

「ありがと、サンジ君」
「いえいえ。ナミさんのためならお安い御用です」

情けなく眉を下げながらそれでも笑ってしまうのは、恥らう彼女が可愛らしいからに違いない。

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舞台から流れる甘いテノールは、プロだけあって流石なものだった。
伴奏がヴァイオリンのみと言うのも珍しく、土岐は気持ち良さそうに歌う男を眺める。

自分と少しだけ似た髪色をした男は、波打つ髪を後ろで一本に結んでいた。
男の色気が滲み出る年齢で、中年に差し掛かっているのだろうが、そんな言葉は似合わない。
少なくとも歌を歌っている男は随分と色っぽく艶やかだ。

「君が八木沢君の幼馴染?」
「ああ、俺は違います。あっちで星奏の理事長さんと話してるのがそう」
「ああ、そうなんだ。ごめんね。八木沢君には神南の生徒って聞いていたから、間違えちゃったみたいだ」

あははと爽やかな笑顔を見せた人は、確か八木沢の中学時代の恩師だった。確か、火原だったろうか。
八木沢ほど大人しくないが、タイプは違えど爽やか系だ。
八木沢を清純派の爽やか系とすれば、この男はワンコ系の爽やかさ。
新とタイプが似ているな、と笑顔の裏で観察する。

「俺に何か用ですか?」
「用・・・て程じゃないんだけどさ。君、小日向さん好きでしょう?」
「はぁ?」
「あれ?違った?柚木もそうだって言ってたし、絶対に当たりだと思ったんだけど」

へらり、と邪気がない笑顔を浮かべる彼は、見た目ほど素直じゃないのかもしれない。
警戒心を強めると、益々笑顔を深めた火原は土岐へ顔を近づけた。

「かなでちゃん、可愛いよね!小動物的可愛さって言うのかな?ぎゅって抱きしめてかいぐりしたくなる感じ」
「・・・本当にそれしたら訴えられますよ」

段々と敬語を使うのが面倒になってきた土岐の心を読んだかのように、敬語はなくていいよと朗らかに彼は笑った。
空気が読めないかと思ったら、AKYの方だったらしい。
面倒な相手に捕まったものだと思いながらため息を吐く。

「それで、訴えるのはかなでちゃん?それとも土岐君?」
「俺やなくてもここにいる誰かが絶対にすると思うけど?俺は先にすることがあるし」
「すること?」
「あんたを殴らんといかんやろ。本気で好きでもないくせに、好奇心だけで手を出すのはやめてんか。あんただって日野さんに興味本位で手を出したら報復するやろ」
「ははは」

『是』とも『否』とも答えずに、ただ静かに笑った火原は視線を舞台に向ける。
人の観察をするのが好きで、感情の機微に聡いはずの土岐にもその横顔から何を考えているか判らない。
見た目以上に厄介なのと関わったと己の不運に目元を指先で押さえると、隣の火原は小さく笑った。

「今舞台で歌ってる人さ、俺らが学生時代に先生だったんだ」
「あの金澤紘人が?」
「そう。毎日煙草吸ってさ、よれよれの白衣着て野球中継の話ばかりするやる気なしだったんだよ」
「へぇ」

伸び伸びと歌を歌う姿からは想像出来ない言葉に、目を見張り金澤を観察する。
男はまるで歌を歌うために生まれてきたと全身で表現せんばかりに、体を使って謳っていた。
曲目はアヴェ・マリア。
馴染みが深く、かなでも庭で弾いていた。
ゆったりと余裕を持ち、穏やかな声で響く音は、確かに彼の楽器に違いない。
自分たちが持つそれと同じくらいに魅力的で、よく鍛錬されたものだった。

「金やん、俺たちが卒業する年に外国に渡ったんだ」
「ああ・・・確か、喉を治しにやな。前に雑誌で読んだ」

雑誌で特集を組まれるほど有名な男は、そんな過去を感じさせない。
歌を歌うのが楽しいと、歌を歌うのは幸せだと、気持ち良さそうにしている。
こんな顔をして謳うくせに、よく歌と離れていられたものだ。
全身で歌を愛していると、好きで仕方ないと訴えているくせに。

「きっと金やんが歌を取り戻す切欠になったのは香穂ちゃんだと思う」
「へぇ」
「ああ、興味ないか」
「そうやな。それ自体にはあんまり興味ないわ。でも、あの人の切欠が日野さんだったとして、それを欠片も感じさせない態度には興味ある」
「辛口だね、土岐君は」
「あんただって相当なもんやろ」

気付きたいわけじゃなかったが、気付いてしまった。
にこにこしてるようでいて、彼は少しも笑っていない。
その目は真っ直ぐに日野に向けられているのに、好意と呼ぶには歪だった。

「あんた、日野さんが好きなんやないの?」
「どうして?」
「あんたの目、好きな人を見る眼やない。愛しくて可愛くて大切でどうしようもない、そんな誰かを見る眼と違う」
「・・・そう、かな。そうかもしれないね」

無作法な言葉に少し目を丸くした彼は、ついで淡く苦笑した。
それは苦笑だけれど、きっと彼が始めて見せた本当の笑顔で、だからこそ渋い顔になった。

「俺はかなでちゃんが好きや。千秋や八木沢君たちも同じ感情を持っとるって知っとうても引けん。俺の心に無遠慮に土足で入り込んで、すっかり居座った天然娘に、本気で恋しとうよ」
「・・・そう」
「あんたは?あんたは、日野さんをどう思っとうの?好きやから見とるんと違うの?好きやから追いかけとるんと違うの?好きやからここに居るんと違うの?」

火原を見たら無性に苛々した。
それは無理やりに押し殺そうとする感情を抱え、鬱屈した態度を取っているからで、その癖土岐を眩しいものでも見るような顔をするからだ。
押し込めるなら押し込める。
きっちりと隠し切ればいい。
事実、舞台で歌っている男は、日野への恋情の欠片も見せない。
金澤の本心は、この場の誰にも悟れない。
それが金澤の愛し方なのだとしたら、随分と不器用だと思う。
けれど何も言わない愛の形は、自分には真似出来ないが全否定する気もない。

「俺はね」
「・・・」
「俺はもう、香穂ちゃんを好きなのか判らないんだ。もうずっと、何年も想っている内に形は歪んで原型を留めなくなった。柚木や志水君みたいに甘やかに楽器を謳わせれない。土浦みたいに情熱を捧げるのも出来ない。桐也君みたいに同じ立場で対等に居られない。金やんみたいに全部隠して笑ってられない。長く、長く想いすぎた所為で、純粋な感情はもうなくなっちゃった」

泣きそうな顔で笑った火原に、土岐は顔を歪めた。
これもまた一つの恋の形であると知り、その切なさに悲しくなった。

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