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天気のいい日曜日。
冬姫と二人でゲームセンターで思い切り遊ぶ琉夏は、五勝四引き分け一敗の好成績に満足していた。
もっとも冬姫は琉夏に連れられて来たゲームセンターで初めてコンシューマーの格闘ゲームをプレイしてから、数回通うだけで腕を上げているので油断は出来ない。
だが競り合う楽しみを覚える相手との対戦は心踊るもので、その後もメダルゲームや音ゲーをプレイし、最終的にクレーンゲームへと足を向けた。
「琉夏君」
「ん?」
「あのストラップ欲しい」
服の裾をくいくいと引っ張った冬姫を見れば、白く細い指で何かを指差していた。
今日の冬姫の服装はガーリックなもので、ワンポイントのカチューシャがとても可愛らしい。
ワイルドな服装も難なく着こなすくせに、その時の艶やかな様子を微塵も感じさせず、どころか守ってあげたくなる庇護欲をそそる姿だ。
暫しじっと見詰め、それから指差す方向へ視線を向けた。
そこにはピンクと白と黒の兔のストラップ。
ピンクはリボンをして、白はスカーフ、黒はチェーンのネックレスと中々のお洒落さんだ。
「あの三匹?」
「そう。取れる?」
「当然」
一回では無理だろうが何回かに分ければ簡単だ。
ぺろりと唇を舌で舐め上げ、早速コインを投入する。
「あれ、三匹とも取れたらさ」
「ん」
「三人で携帯につけようね」
誰と言われなくとも冬姫の告げる三人目が誰か琉夏は知っていた。
脳裏を過ぎる男の影が、渋い顔でそれを受け取る姿を思い浮かべくくっと小さく笑う。
嫌そうに眉間に皺を刻んだ三人目である琥一は、迷惑だと言いながらも結局これを受け取ってしまうのだろう。
そして何だかんだ言って琉夏と冬姫に甘いあの男は、渋々妥協してくれると想像がつく。
きっと琉夏の発案なら呆気なく却下されるだろうが、自分で思っているより遥かに冬姫に甘い琥一は彼女の訴えを無碍に出来るはずがない。
硬派な琥一の携帯に、黒い兔のストラップ。
想像するだけでこみ上げる笑いを抑えるのに一苦労だ。
程なくして三つ取れたストラップに、冬姫が嬉しそうに微笑んだ。
それに釣られて琉夏も嬉しげに微笑み返すと、彼女をもっと喜ばせる案が一つ浮かんだ。
「なぁ、冬姫」
「ん?」
「今からガソリンスタンドに行って、それ押し付けてこないか?」
悪戯っぽく笑って告げれば、瞳を丸くした冬姫もすぐさま同じような笑みを返した。
公衆の面前で愛らしいストラップを手渡された琥一のリアクションを思い浮かべ、二人はバイクにまたがった。
冬姫と二人でゲームセンターで思い切り遊ぶ琉夏は、五勝四引き分け一敗の好成績に満足していた。
もっとも冬姫は琉夏に連れられて来たゲームセンターで初めてコンシューマーの格闘ゲームをプレイしてから、数回通うだけで腕を上げているので油断は出来ない。
だが競り合う楽しみを覚える相手との対戦は心踊るもので、その後もメダルゲームや音ゲーをプレイし、最終的にクレーンゲームへと足を向けた。
「琉夏君」
「ん?」
「あのストラップ欲しい」
服の裾をくいくいと引っ張った冬姫を見れば、白く細い指で何かを指差していた。
今日の冬姫の服装はガーリックなもので、ワンポイントのカチューシャがとても可愛らしい。
ワイルドな服装も難なく着こなすくせに、その時の艶やかな様子を微塵も感じさせず、どころか守ってあげたくなる庇護欲をそそる姿だ。
暫しじっと見詰め、それから指差す方向へ視線を向けた。
そこにはピンクと白と黒の兔のストラップ。
ピンクはリボンをして、白はスカーフ、黒はチェーンのネックレスと中々のお洒落さんだ。
「あの三匹?」
「そう。取れる?」
「当然」
一回では無理だろうが何回かに分ければ簡単だ。
ぺろりと唇を舌で舐め上げ、早速コインを投入する。
「あれ、三匹とも取れたらさ」
「ん」
「三人で携帯につけようね」
誰と言われなくとも冬姫の告げる三人目が誰か琉夏は知っていた。
脳裏を過ぎる男の影が、渋い顔でそれを受け取る姿を思い浮かべくくっと小さく笑う。
嫌そうに眉間に皺を刻んだ三人目である琥一は、迷惑だと言いながらも結局これを受け取ってしまうのだろう。
そして何だかんだ言って琉夏と冬姫に甘いあの男は、渋々妥協してくれると想像がつく。
きっと琉夏の発案なら呆気なく却下されるだろうが、自分で思っているより遥かに冬姫に甘い琥一は彼女の訴えを無碍に出来るはずがない。
硬派な琥一の携帯に、黒い兔のストラップ。
想像するだけでこみ上げる笑いを抑えるのに一苦労だ。
程なくして三つ取れたストラップに、冬姫が嬉しそうに微笑んだ。
それに釣られて琉夏も嬉しげに微笑み返すと、彼女をもっと喜ばせる案が一つ浮かんだ。
「なぁ、冬姫」
「ん?」
「今からガソリンスタンドに行って、それ押し付けてこないか?」
悪戯っぽく笑って告げれば、瞳を丸くした冬姫もすぐさま同じような笑みを返した。
公衆の面前で愛らしいストラップを手渡された琥一のリアクションを思い浮かべ、二人はバイクにまたがった。
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