×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「何でお前はいっつも顔に傷を作るんだ、この馬鹿っ」
苛立たしげに舌打しながら脱脂綿に消毒液を染みらせたサンジは、甲板の上に胡坐を掻いて笑っているルフィの頭を消毒瓶を持った手でべしりと叩く。
ルフィがどうしてぼろぼろなのかは聞いたが、それはサンジを慰める理由にならない。
バロックワークスと言う組織にビビが追われているのは知っていたが、結局サンジだけ顔を見合わせることはなかった。
それ故に戦闘で苦労したらしいナミとウソップに殴りかかられ、ナミの拳を享受したため地味にサンジも傷だらけだ。
ちなみにウソップは蹴り飛ばしたので、ゾロの手当てをしながら怨み辛みを念仏のように唱えている。
辛気臭さに舌打したら、下品にも中指を立てられた。
戦いが終わってからナミとウソップに気を取られている間に、ルフィはゾロを担いで船に戻っていた。
自分だって満身創痍だったくせに、足が切れ掛かっているゾロに消毒液をぶっ掛け火で炙った針で縫いつけていた。
自分についた血を拭うでもなくゾロを手当てするルフィの姿をとてもらしいと思ったが、同時に面白くなく感じるのも仕方ないだろう。
せめて仲間の誰かにどこにいるか伝えてくれてもいいだろうと、散々探し回ったサンジは呼吸を整えながら睨み付けたが、あっさりとごめんの一言で終わらせた彼女はそれ以上言葉を続ける気もないようだった。
モンキー・D・ルフィという少女は決して不公平な人間ではない。
むしろ海軍の大佐である自分を律し、誰かを贔屓しないよう心がけているように見えた。
だが、それでも、とサンジは思う。
ロロノア・ゾロという存在にとってモンキー・D・ルフィが特別であるように、モンキー・D・ルフィにとってロロノア・ゾロは特別だ。
歯軋りしても収まらないほど悔しいが、それを否定できる人間は、少なくともメリー号の上にはいないだろう。
頭から流れる血を水気を含んだ布で拭うと、脱脂綿を押し付ける。
少し強めにすれば、いてぇ、と悲鳴が上がり、いい気味だと心から思った。
本来女性に対するサンジの態度から考えられないくらい横柄なものだが、彼女に対してだけ優しくなりきれない自分を自覚する身としてはこれくらいは許せと涼しい顔で心の内に呟く。
ちなみにビビとナミはゾロの傷を縫っているルフィから目を逸らしつつ、互いで傷を治療しあったのでもう処置をする必要はない。
自分で怪我を治療したウソップにゾロを押し付けたサンジは、傷が浅かったので自身のものは後回しにしていた。
消毒した箇所に包帯や絆創膏を貼っていくとじっとこちらを見ているルフィと目が合う。
「何だよ」
自分でも不機嫌だと呆れるくらいにぶっきらぼうな声が出て、餓鬼かと髪をかき乱した。
そんなサンジの仕草を不思議そうに見ていたルフィは、にっと空気を読まぬ笑顔を浮かべる。
その笑顔にいらっときたサンジだったが、その思いは長く続かなかった。
「サンキュ、サンジ。いっつもありがとな」
そっけない飾り気のない言葉。
だが嘘がない言葉に、怒りが続かなくなるのを感じ、うんざりと息を吐き出した。
目の前の女を他の女と同じに扱えないのに、他の誰より甘くなってしまってるのは気のせいだろうか。
気の所為だと思いたい、と煙草を吸いたく思いながら代わりに脱脂綿を傷口に押し付ける。
漏れる悲鳴に溜飲を下げつつ、天邪鬼な感情を持て余しながら傷を一つ残らず治療していった。
もし痕が残ったら、あの役立たずの剣士の傷口にタバスコを振りかけてやると呟いたブラックジョークは、それを耳にしたナミとウソップとビビには冗談に受け取ってもらえなかった。
苛立たしげに舌打しながら脱脂綿に消毒液を染みらせたサンジは、甲板の上に胡坐を掻いて笑っているルフィの頭を消毒瓶を持った手でべしりと叩く。
ルフィがどうしてぼろぼろなのかは聞いたが、それはサンジを慰める理由にならない。
バロックワークスと言う組織にビビが追われているのは知っていたが、結局サンジだけ顔を見合わせることはなかった。
それ故に戦闘で苦労したらしいナミとウソップに殴りかかられ、ナミの拳を享受したため地味にサンジも傷だらけだ。
ちなみにウソップは蹴り飛ばしたので、ゾロの手当てをしながら怨み辛みを念仏のように唱えている。
辛気臭さに舌打したら、下品にも中指を立てられた。
戦いが終わってからナミとウソップに気を取られている間に、ルフィはゾロを担いで船に戻っていた。
自分だって満身創痍だったくせに、足が切れ掛かっているゾロに消毒液をぶっ掛け火で炙った針で縫いつけていた。
自分についた血を拭うでもなくゾロを手当てするルフィの姿をとてもらしいと思ったが、同時に面白くなく感じるのも仕方ないだろう。
せめて仲間の誰かにどこにいるか伝えてくれてもいいだろうと、散々探し回ったサンジは呼吸を整えながら睨み付けたが、あっさりとごめんの一言で終わらせた彼女はそれ以上言葉を続ける気もないようだった。
モンキー・D・ルフィという少女は決して不公平な人間ではない。
むしろ海軍の大佐である自分を律し、誰かを贔屓しないよう心がけているように見えた。
だが、それでも、とサンジは思う。
ロロノア・ゾロという存在にとってモンキー・D・ルフィが特別であるように、モンキー・D・ルフィにとってロロノア・ゾロは特別だ。
歯軋りしても収まらないほど悔しいが、それを否定できる人間は、少なくともメリー号の上にはいないだろう。
頭から流れる血を水気を含んだ布で拭うと、脱脂綿を押し付ける。
少し強めにすれば、いてぇ、と悲鳴が上がり、いい気味だと心から思った。
本来女性に対するサンジの態度から考えられないくらい横柄なものだが、彼女に対してだけ優しくなりきれない自分を自覚する身としてはこれくらいは許せと涼しい顔で心の内に呟く。
ちなみにビビとナミはゾロの傷を縫っているルフィから目を逸らしつつ、互いで傷を治療しあったのでもう処置をする必要はない。
自分で怪我を治療したウソップにゾロを押し付けたサンジは、傷が浅かったので自身のものは後回しにしていた。
消毒した箇所に包帯や絆創膏を貼っていくとじっとこちらを見ているルフィと目が合う。
「何だよ」
自分でも不機嫌だと呆れるくらいにぶっきらぼうな声が出て、餓鬼かと髪をかき乱した。
そんなサンジの仕草を不思議そうに見ていたルフィは、にっと空気を読まぬ笑顔を浮かべる。
その笑顔にいらっときたサンジだったが、その思いは長く続かなかった。
「サンキュ、サンジ。いっつもありがとな」
そっけない飾り気のない言葉。
だが嘘がない言葉に、怒りが続かなくなるのを感じ、うんざりと息を吐き出した。
目の前の女を他の女と同じに扱えないのに、他の誰より甘くなってしまってるのは気のせいだろうか。
気の所為だと思いたい、と煙草を吸いたく思いながら代わりに脱脂綿を傷口に押し付ける。
漏れる悲鳴に溜飲を下げつつ、天邪鬼な感情を持て余しながら傷を一つ残らず治療していった。
もし痕が残ったら、あの役立たずの剣士の傷口にタバスコを振りかけてやると呟いたブラックジョークは、それを耳にしたナミとウソップとビビには冗談に受け取ってもらえなかった。
PR
更新内容
|
(06/28)
(04/07)
(04/07)
(04/07)
(03/31)
(03/30)
(03/30)
(03/30)
(03/30)
(03/25)
(03/25)
(03/25)
(03/25)
(03/24)
(03/24)
(03/24)
(03/23)
(03/14)
(03/14)
(03/13)
(03/13)
(03/13)
(03/11)
(03/10)
(03/08)
カテゴリー
|
リンク
|
フリーエリア
|